絶版フラッグシップの誘惑 ~ホンダ CB750F/CB900F 1979-1984~

掲載日:2010年04月23日 特集記事    

記事提供/2009年11月24日発行 絶版バイクス5

絶版フラッグシップの誘惑

HONDA CB750F/CB900F 1979-1984

1979年、ツインカムエンジンを搭載したCB750Kの発売から半年遅れてCB750F/CB900Fが発表された。
新世代フラッグシップモデルであるCB-Fシリーズは、バイク新時代を予感させるに十分な魅力を全身から放っていた。

シリーズ二代目は打倒「カワサキ空冷Z」が至上命令
時代が物語るツインカムFシリーズの変遷

初代CB750K0プロトタイプの発表から10年後の1978年。ホンダは次世代を担うニューモデル、新開発のツインカムエンジンを搭載したCB750Kを発表した。4本マフラー仕様で重厚なスタイルを持つCB750Kは、ジェントル路線を歩むホンダの象徴的モデルのようにも思えた。

 

しかし、初代OHCエンジンでラインナップの拡充を図ってきたのがホンダであり、新型ツインカムエンジンでも、同じ戦略がとられるのは確実視されていた。そんな折、CB750Kの発表から遅れること数ヶ月、ホンダは国内市場にCB750F、ヨーロッパ市場ではCB900Fボルドールを発表したのである。

 

ホンダは1975年シーズンから世界耐久選手権に参戦。不沈艦隊と呼ばれたRCBの活躍は圧倒的だった。初代RCBは、市販車CB750をベースにツインカム化されたエンジンを搭載。そのRCBは世界耐久選手権参戦とともに進化を果たし、レースシーンで得たテクロノジーはニューモデル開発にフィードバックされた。そして登場したのがツインカムエンジンの二代目シリーズであり、ボルドール24時間耐久レース制覇の偉業から、CB900Fには「ボルドール」の名が命名された。

 

1979年当時、国内ではバイクの販売登録台数が増え始めた時期であり、そんなタイミングで登場したCB750Fは、数多くのバイクファン垂涎の的となった。発表と同時に予約が殺到。納車数ヶ月待ちは当たり前の状況に・・・・・・。バイクブームの兆しは確実なもので、80年代に突入するとバイクの販売登録台数は鰻登りに。特に、大型クラスにおけるCB750Fシリーズの登録台数は他モデルを圧倒した。実は、最終モデルが販売中止になり久しい中でも、国内に於けるCB750F/RC01の登録台数は、大型自動二輪クラスで上位にランキングされていたのは驚きの事実と言わざるを得ない。それがまさに80年代、空前のバイクブームの遺産である。

 

CB750Fは、輸出モデルとともに年毎に進化を果たした。初期型FZからFAへと進化した際には、ヘッドライトが古典的なシールドビームからH4ハロゲン球仕様となり、ラバー製ライディングステップ&ピリオンステップは、CBX用に開発されたジュラルミン鍛造ステップバーへとアップデートされた。見えない部分では、スイングアームピボットが樹脂ブッシュからニードルローラーベアリング仕様に変更されるなどなど、商品性は大きく向上していった。81年にはFBへと進化。裏返しコムスターホイールを採用し、フロントフェンダーにはシリンダーヘッドを冷却するためのエアスポイラーを装備。ユーティリティ系では、シートカウルの上に小物入れのフタを取り付け、シートを取り外さなくてもグローブなどを仕舞える仕組みにした。この装備は国内ユーザー向けで、ヨーロッパ仕様には採用されなかったようだ。

 

アメリカ市場に向けては、現地のユーザーニーズに応じた派生モデル展開を明確にするなど、
CB-Fシリーズは、同じネーミングを持ちながら、国内市場、ヨーロッパ市場、アメリカ市場で異なった仕様のモデルをデリバリーしていたのである。80年代当時の勢いの良さは、CB-Fシリーズの戦略からも理解することができるはずだ。

 

新技術の投入を前面に打ち出すことで「高性能を主張」したのが当時のバイクシーンだった。
走りのフィーリングに大きく影響する高性能リアショック(FVQダンバー)の広告展開も印象的だった。

 

CB750F/CB900Fシリーズの歴史のなかで見逃せない存在といえるのがAMAスーパーバイクシリーズだ。アメリカホンダモーターの威信をかけて開発されたCB750F改RS1000スーパーバイク仕様を天才ライダー、F・スぺンサーがライディング。このマシンはホンダコレクションホールが所蔵する同モデルのスプリント仕様である。80年代後半から巻き起こった空冷マルチカスタムシーンでは、このスペンサー仕様が注目され、数多くのレプリカカスタムが登場。現在でも大人気なのが特徴的デザインのメガホンマフラーだ。フロントフォークにはTRAC機構も組み込まれていた。

 

 

1979 CB900FZ ヨーロッパ仕様

世界耐久シーンで快進撃を続けたRCB。同モデルをイメージリーダーに登場したのが、ヨーロッパ仕様のCB900FZだ。ボルドールレプリカと呼ばれた初代モデルには専用バッヂが付く。

1981 CB900FB ヨーロッパ仕様

国内モデルのCB750FBはキャンディレッド、マグナムシルバー、ブラックのカラーリングだったが、輸出仕様のCB900FBでは、FAまでのキャンデイブルーに白ボカシのタイプもあった。

1979 CB750FZ

1979年6月、第2世代のツインカムCBシリーズにCB750Fが加わった。スロットルレスポンスの軽やかさは特筆もので、コックピットのゴージャス感は他のバイクとは一線を画したものだった。

1981 CB750FB

年毎にマイナーチェンジを受け、81年のモデルチェンジでFBへと進化した国内仕様のCB750F。エアロタイプのフロントフェンダーや裏返しコムスターと呼ばれるホイールデザインが特徴だった。

1981 CB750FB ボルドール2 国内仕様

「限定モデル」というネーミングが持て噺され始めたのがこの頃だ。輸出仕様CB900F2のデザイングラフィックを採用。オプションパーツでオイルクーラーキットやフルカウルがあった。

1982 CB750FC インテグラ

前輪が18インチ且つワイドリムになったCB750FCをベースに、フルカウルを標準装備していたのがインテグラだ。CB750Fに限らず、各モデルのカウル付き仕様はインテグラと命名された。

1983 CB1100FD 北米仕様

北米仕様のCB1100Fにはナイトホーク(国内ではホライゾン)と同デザインのクォーターカウルを標準装備。前後ホイールはコムスターではなくキャスト仕様で、前18インチ、後17インチだった。

1978 CB750KZ

OHCエンジンの初代CB750KシリーズからバトンタッチしたツインカムCB750K。白バイに数多く採用されたことでも知られる。80年モデルのKAでは、フロントがWディスクになった。

1979 CBX

ツインカムCBシリーズと同時期に開発され、世界中のバイクファンを驚かせた空前絶後の空冷6気筒モデルがCBXだ。当初はスーパースポーツ志向だったが、最終モデルではツアラーになった。

 

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