2013 AMA スーパークロス ラウンド17(最終戦) ラスベガス NV レースレポート

2013 AMA スーパークロス ラウンド17(最終戦) ラスベガス NV レースレポート

掲載日:2013年05月10日 エクストリームモトクロス    

文・まとめ/宮本 将平

450cc クラス メインレース

ファイナルラウンドもR・ビロポートが勝利。同時にシーズン10勝も達成

先週のラウンド16、ソルトレイクシティでライアン・ビロポート(カワサキ)が優勝&3年連続のタイトルを獲得した450クラス。シーズン序盤では苦戦したビロポートだが、気付けばここまでの16ラウンドで、9勝という圧倒的な強さ。しかし、ランキング2位のデイビー・ミルサップス(スズキ)も16ラウンド中11回もポディウムフィニッシュ。ランキング3位のライアン・ダンジー(KTM)もほとんどのレースでポディウムフィニッシュという、ある意味混戦ではあったが、この3ライダーがほとんどのレースでポディウムを独占したシーズンでもあった。そして、先週のソルトレイクシティでビロポートがチャンピオンを決めたものの、ミルサップス、ダンジーによるランキング2位争いは、ファイナルラウンドを前にわずか5ポイント差。今回のファイナルラウンドの順位次第で、ランキング2位が入れ替わる可能性が十分にある状況。メインレース前のヒートレースではダンジー、ビロポートがそれぞれ勝利し、メインレースへと駒を進めた。

 

メインレース(20周)、ホールショットはヒートレースでも好調だったジェイク・ワイマー(カワサキ)。その後方にチャド・リード(ホンダ)、アンドリュー・ショート(KTM)、ビロポート、ダンジーが続く。しかし、タイトルをすでに獲得しノンプレッシャーのビロポートは、1ラップ目で早くも2位までポジションを上げ、トップのワイマーに迫る。2ラップ目、勢いに乗るビロポートはさらにワイマーもあっさりとパスし、トップへ。しかしその直後のリズムセクションでミスし、一旦はワイマーにトップを譲るが、すぐさまトップを奪い返し、ここからリードを広げていく事になる。しかし、ダンジーもそれに続くようにワイマーをパスし、ビロポートを追撃する。一方、ランキング2位のミルサップスもスタートこそ出遅れたものの5ラップ目にはポジションを4位まで上げ、3位のワイマーとのバトルを開始、フィニッシュジャンプ前のバンクでタフブロックにぶつかりながらもワイマーから3位のポジションを奪った。8ラップ目、この時点でトップのビロポートと2位のダンジーの差はわずか2秒、さらにその4秒後方にはミルサップスが続くという展開が続いていたが、この辺りからミルサップスは徐々に離され、優勝争いはビロポート、ダンジーの2人に絞られる。一方6位争いで、ヒートレースでもアツいバトルを展開したリードとウエスタン・ペイック(スズキ)の二人のバトルが、レース後半まで続く事となる。15ラップ目、ダンジーがトップのビロポートにわずか2秒差まで接近、ワンミスでトップが入れ替わるという状況にあったが、結局ビロポートが僅差のレースを制し、自身初の1シーズン10勝を達成、またミルサップスが3位に入ったため、ランキング2位の座はミルサップスが守る形となった。

 

近年稀に見るビッグタレントが勢揃いし、大混戦が予想された2013シーズンの450クラスだったが、結局ディフェンディングチャンピオンのビロポートが10勝をマーク、ファイナルラウンドを待たずに3度目のタイトルを獲得した。そして2位にはミルサップスが入り大金星を挙げた。彼は、昨シーズンもランキング2位を獲得しているが、トップライダーたちが次々とケガ等で脱落した昨シーズンと、大混戦の中で2勝をマークしさらには12回もポディウムに立った今シーズンでは、その価値はまったく違う。もちろん僅差でランキング3位のダンジーも強さを見せた。中1週の休みを挟んで開催されるアウトドアシリーズでも、スーパークロスシリーズのようなトップライダーたちのアツい戦いを見る事は出来るのか? 450クラスは、アウトドアシリーズも超注目だ。

 

450cc クラス レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 1 R・ビロポート Monster Energy Kawasaki   Kawasaki 1:04.358
2 5 R・ダンジー Red Bull KTM   KTM 1:04.569
3 18 D・ミルサップス Rockstar Energy Drink   Suzuki 1:05.457
4 12 J・ワイマー Monster Energy Kawasaki   Kawasaki 1:06.080
5 51 J・バーシア Team Honda Muscle Milk   Honda 1:05.762
6 22 C・リード TWOTWO Mortorsports   Honda 1:06.897
7 46 W・ペイック -   Suzuki 1:06.680
8 10 J・ブレイトン Toyota/JGRMX/Yamaha   Yamaha 1:06.500
9 29 A・ショート BTO Sports/KTM   KTM 1:06.983
10 20 B・ティックル RCH/Dodge/Suzuki   Suzuki 1:07.154
11 49 P・ニコレッティー N-Fab TiLUBE Yamaha   Yamaha 1:07.990
12 39 R・キナイリー N-Fab TiLUBE Yamaha   Yamaha 1:08.363
13 56 K・リーガル Valle Motorsports Yamaha   Yamaha 1:08.234
14 75 J・ヒル RCH/Dodge/Suzuki   Suzuki 1:07.315
15 84 C・ブルース N-Fab TiLUBE Yamaha   Yamaha 1:08.595
16 374 C・ギルモア Yankton Motorsports   Kawasaki 1:09.488
17 85 K・パートリッジ -   Honda 1:09.583
18 415 N・シュミット -   Honda 1:10.786
19 95 T・タピア -   Suzuki 1:11.352
20 41 T・カナード Team Honda Muscle Milk   Honda 1:06.959
450cc クラス 最終ポイントランキング
順位 ゼッケン ライダー名 メーカー ポイント
1 1 R・ビロポート   Kawasaki 371
2 18 D・ミルサップス   Suzuki 338
3 5 R・ダンジー   KTM 337
4 51 J・バーシア   Honda 277
5 22 C・リード   Honda 239
6 41 T・カナード   Honda 221
7 29 A・ショート   KTM 214
8 10 J・ブレイトン   Yamaha 190
9 20 B・ティックル   Suzuki 176
10 7 J・スチュワート   Suzuki 174
11 12 J・ワイマー   Kawasaki 157
12 62 M・ゴーキー   KTM 139
13 800 M・アレッシ   Suzuki 107
14 46 W・ペイック   Suzuki 105
15 75 J・ヒル   Suzuki 93
16 39 R・キナイリー   Yamaha 66
17 49 P・ニコレッティー   Yamaha 58
18 17 E・トマック   Honda 52
19 84 C・ブルース   Yamaha 50
20 42 V・フリージー   Honda 45

 

 

 

250cc クラス イースト メインレース

アリーナクロスチャンピオン、T・バウワーズが初優勝
5ポイント差のチャンピオン争いはウィル・ハーンが勝利し、初のタイトルを獲得

ウエストシリーズが開催されていたため、中2週の休憩期間のあった250クラス イースト。タイトル争いはウィル・ハーン(ホンダ)がマービン・ムスキャン(KTM)をリードしていたが、彼らのポイント差はわずか5ポイント。まったくタイトルの行方がわからない状況にあった。しかし、日中に行われたプラクティスセッションのフープスで、ハーンがクラッシュし、右手を痛めてしまう。今回のファイナルラウンドはシュートアウト(東西対決)がメインレース後に開催されるためヒートレースはなく、ランキング20位までのライダーがメインレースを戦う事となっていた。

 

メインレース(15周)、ホールショットはギャビン・フェイス(ホンダ)、その後方にはランス・ビンセント(KTM)、ハーン、タイラー・バウワーズ(カワサキ)が続いた。しかし、バウワーズはハイペースでハーン、ビンセントを立て続けにパスし、トップのフェイスに迫る。3ラップ目、バウワーズがトリプルジャンプ手前のリズムセクションでミスしたフェイスをあっさりとパスし、ここから独走態勢に入る。一方、ランキング2位のムスキャンもスタートこそ出遅れたが、そこから次々と前を走るライダーたちをパスし、5ラップ目には3位のハーンの真後ろまで迫っていた。6ラップ目、右手負傷の影響でなかなかペースの上がらないハーンだったが、それでも前を走るフェイスをパス、さらにはムスキャンも続けてフェイスをパスし、ここからハーンとムスキャンによる熾烈な2位争いが展開される。トップのバウワーズは、この時点で2位のハーンに約5秒のリードを築いて、初優勝に向け順調にラップを重ねていた。12ラップ目、ついにムスキャンがハーンを捕らえるが、このままではポイント差の関係でタイトルを獲得できないムスキャンはここからさらにペースアップし、トップのバウワーズへの追撃態勢に入る。14ラップ目、この時点でバウワーズとムスキャンの差は4秒あり、逆転は難しいように見えたがタイトル獲得のためにはどうしても優勝が必要なムスキャンは猛チャージをかけ、ファイナルラップの最終コーナーでは真後ろまで迫る。が、ここでゲームオーバー。バウワーズが初優勝を飾るのと同時に、3位に入ったハーンが初のタイトルを獲得した。

 

シーズン中盤からハーン、ムスキャンの一騎打ちが続いていた250クラス イースト。結果は、わずか3ポイント差でハーンが初のタイトルを獲得した。ここ2年はジャスティン・バーシア(ホンダ)が圧倒的な強さでこのクラスに君臨していたため、久しぶりに緊迫したタイトル争いとなった。また、ケガ人だらけのプロサーキットを救うため、チームに大抜擢されたバウワーズがファイナルラウンドで優勝するというドラマティックな展開で幕を閉じたのも印象的だ。ここでスーパークロスシリーズは終わったが、再来週からはアウトドアシリーズが開幕する。こちらでは東西のライダーが毎ラウンド同じレースを戦うため、さらにハードな戦いが予想される。

 

250cc クラス イースト レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 68 T・バウワーズ Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:06.901
2 25 M・ムスキャン Red Bull KTM   KTM 1:06.042
3 19 W・ハーン GEICO Honda   Honda 1:06.837
4 13 B・ウォートン Rockstar Energy Drink   Suzuki 1:08.264
5 67 G・フェイス Motoconcepts Racing   Honda 1:08.329
6 42 V・フリージー -   Honda 1:08.799
7 87 L・ビンセント Munn Racing KTM   KTM 1:08.883
8 48 C・トンプソン -   Honda 1:09.376
9 393 D・ヒーレイン -   Honda 1:10.136
10 73 A J・カンタザーロ -   Kawasaki 1:10.383
11 556 B・キーセル -   Yamaha 1:11.341
12 412 L・キルバーガー -   Honda 1:11.597
13 69 P・ラーセン -   Yamaha 1:11.304
14 244 R・ジマー -   Honda 1:11.995
15 712 J・スターリング -   Honda 1:11.991
16 248 M・オールデンバーグ -   Honda 1:12.861
17 385 A・ガレイ -   Kawasaki 1:13.798
18 194 J・リチャードソン XPR Racing   Honda 1:11.093
19 93 L・パウエル -   Honda 1:11.506
20 552 S・クラーク Sher Racing   KTM 1:11.570
250cc クラス イースト 最終ポイントランキング
順位 ゼッケン ライダー名 メーカー ポイント
1 19 W・ハーン   Honda 198
2 25 M・ムスキャン   KTM 195
3 13 B・ウォートン   Suzuki 171
4 42 V・フリージー   Honda 118
5 67 G・フェイス   Honda 116
6 48 C・トンプソン   Honda 96
7 15 D・ウィルソン   Kawasaki 87
8 87 L・ビンセント   KTM 80
9 50 K・ピーターズ   Honda 78
10 73 A J・カタンザーロ   Kawasaki 73
11 77 J・マーティン   Yamaha 71
12 317 J・ヒル   Kawasaki 68
13 613 J・デコティス   Honda 66
14 248 M・オールデンバーグ   Honda 66
15 69 P・ラーセン   Honda 62
16 68 T・バウワーズ   Kawasaki 59
17 412 L・キルバーガー   Honda 49
18 194 J・リチャードソン   Honda 45
19 393 D・ヒーレイン   Honda 43
20 552 S・クラーク   KTM 39

 

 

 

250cc クラス ウエスト メインレース

 

E・トマックが勝利するも、わずか2ポイント差でK・ロクスンが初のタイトルを獲得

先週のラウンド16、ソルトレイクシティではチャンピオンに大手をかけていたケン・ロクスン(KTM)に不運が続き、まさかの予選敗退となった。それにより、ほぼタイトルは不可能と思われていたランキング2位でディフェンディングチャンピオンのイーライ・トマック(ホンダ)が大きなプレッシャーの中6位に入り、ロクスンに5ポイント差まで迫った。これは、偶然にもイーストクラスと同じポイント差で、タイトルの行方はまったく予想不可能な状況にあり、どちらのライダーもタイトル獲得のためには優勝が絶対条件となっていた。

 

メインレース(15周)、ホールショットはトマックが奪うが、ファーストターン後に大きくアウトサイドに膨らんでしまい、結局トップにはザック・オズボーン(ホンダ)が立ち、その後にライアン・サイプス(スズキ)、マーティン・ダバロス(カワサキ)、カイル・カニンガム(ヤマハ)、ロクスン、そしてトマックが続いた。しかし、1ラップ目の後半にはダバロスがサイプスをパスし、そこから後続との距離をグングンと広げる。3ラップ目、どうしても優勝が必要なトマックはマルコム・スチュワート(KTM)、オズボーンを次々にパスし、5位までポジションをアップさせる。5ラップ目、ここまで2位をキープしていたサイプスだったが、後から迫るロクスンにパスされたのをきっかけに、カニンガム、トマックにも立て続けにパスされ5位までポジションをダウンさせてしまう。一方、トップのダバロスはこの時点で、2位のロクスンに約4秒のリードがあった。8ラップ目、先週とは一変してアグレッシブなライディングの戻ったトマックはトリプルジャンプ直後のコーナーでカニンガムをクリーンパスし、ランキングトップで2位を走るロクスンへと迫る。10ラップ目、明らかに他よりハイペースなトマックは、フィニッシュジャンプ直後のバンクでロクスンをブロックパス、トップのダバロスとの距離も急激に縮める。12ラップ目、ついにダバロスの背後まで迫ったトマックは、フープス後のバンクで彼をブロックパスし、ここから完全に独走態勢へと持ち込む。一方、ロクスンもこのまま3位フィニッシュではタイトルを獲得できないため猛チャージ、14ラップ目のリズムセクションでついにダバロスをパス。結局そのままの順位でフィニッシュし、ロクスンが初のタイトルを獲得、勝利したトマックはわずか2ポイント差で2年連続のタイトルを逃す事となってしまった。

 

シーズン中盤まではトマックが連勝を重ね、ロクスンは常に2位という状況が続いていたが、サンディエゴラウンドでのトマックのDNF(Did Not Finish リタイア)により一気に流れが変わった250クラス ウエスト。レース数が少ないシリーズでは、1レース落とすだけで一気に流れが変わってしまうという事実が浮き彫りとなったシーズンでもあった。トマックは、スーパークロスのタイトルこそ逃してしまったが、もちろんアウトドアシリーズでは全力でタイトルを狙ってくるだろう。タイトルを獲得したロクスンもアウトドアが得意なライダーだけに、同じく全力で来る事は間違いない。また、シーズン序盤にケガで脱落した昨年のアウトドアシリーズチャンピオンのブレイク・バゲット(カワサキ)も、アウトドアには復帰してくるだけに、再来週から始まるシリーズも絶対に目が離せない。

 

250cc クラス ウエスト レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 1 E・トマック GEICO Honda   Honda 1:04.527
2 94 K・ロクスン Red Bull KTM   KTM 1:05.649
3 40 M・ダバロス Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:05.779
4 38 K・カニンガム StarRacing   Yamaha 1:05.762
5 35 R・サイプス Rockstar Energy Suzuki   Suzuki 1:06.248
6 21 J・アンダーソン Rockstar Energy Drink   Suzuki 1:06.168
7 32 M・スチュワート JDR/J-star/KTM   KTM 1:07.045
8 43 C・シーリー Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 1:07.046
9 28 T・ラトレイ Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:06.775
10 176 J・サバージー JDR/J-star/KTM   KTM 1:07.824
11 31 T・ベイカー Valli Motorsports Yamaha   Yamaha 1:08.441
12 91 T・インゲールス Slaton Racing   Honda 1:09.991
13 726 G・ステインク -   Kawasaki 1:10.600
14 66 K・ラスク -   Honda 1:10.227
15 72 D・テッダー Monster Energy/Kawasaki   Kawasaki 1:10.218
16 78 S・チャンピオン 51fifty energy drink   Honda 1:09.824
17 98 C・プルーフェ 51fifty energy drink   Honda 1:11.295
18 239 R・ジョンソン Brothers motorsports   Honda 1:12.549
19 76 A・ポリテリ -   Honda 1:08.484
20 338 Z・オズボーン GEICO Honda   Honda 1:07.575
250cc クラス ウエスト 最終ポイントランキング
順位 ゼッケン ライダー名 メーカー ポイント
1 94 K・ロクスン   KTM 185
2 1 E・トマック   Honda 183
3 43 C・シーリー   Honda 148
4 21 J・アンダーソン   Suzuki 139
5 40 M・ダバロス   Kawasaki 134
6 38 K・カニンガム   Yamaha 114
7 338 Z・オズボーン   Honda 112
8 28 T・ラトレイ   Kawasaki 99
9 176 J・サバージー   KTM 98
10 32 M・スチュワート   KTM 88
11 59 C・クレイグ   Honda 87
12 31 T・ベイカー   Yamaha 80
13 76 A・ポリテリ   Honda 76
14 35 R・サイプス   Suzuki 75
15 36 J・ネルソン   Honda 60
16 74 M・アンスティ   Suzuki 38
17 205 J・カヒア   KTM 29
18 23 J・カナダ   Honda 28
19 78 S・チャンピオン   Honda 28
20 72 D・テッダー   Kawasaki 24

 

 

 

250cc クラス イースト-ウエスト シュートアウト

 

東西統一戦はK・ロクスンが安定した強さを見せた

全17ラウンドを終え、ケン・ロクスン、ウィル・ハーンがそれぞれ初のタイトルを獲得した250クラス。ウエスト、イーストのトップライダーたちが集まり、250クラスの統一チャンピオンを決めるのが、このシュートアウト。残念ながらイーストクラスのチャンピオンであるハーンは、痛めた手の影響によりDNS(Do Not Start)となったが、その他のトップライダーたちはもちろん全員エントリーし、10ラップでトップを争う。

 

メインレース、ホールショットはウエストクラスチャンピオンのロクスン。その後にムスキャン、ウォートン、カニンガム、バウワーズが続いたが、1ラップ目のリズムセクションで早くもムスキャンがロクスンをパスし、トップを奪う。さらに、カニンガムも同じセクションでウォートンをパスし3位にポジションをアップさせる。2ラップ目、再びロクスンがトップを奪い返すが、ムスキャンも食い下がる。一方、先程のウエストクラスのメインレースで驚異的なスピードで勝利したトマックは、ペースが上がらず15位付近でのレースが続いた。6ラップ目、フィニッシュジャンプでムスキャンに並びかけたカニンガムが、続くコーナーでムスキャンをパスし、3秒差でトップを走るロクスンへと照準を合わせたが、すでにタイトルを獲得しノンプレッシャーのロクスンは、完璧なライディングでまったく後を寄せ付けない。ファイナルラップ、今度は3位のムスキャンにダバロスが迫るが、結局ポジションが入れ替わるまでには至らず、ロクスン、カニンガム、ムスキャンの順でフィニッシュ。ロクスンがシュートアウト、ウエストの両方のタイトルを獲得した。

 

250cc クラス イースト-ウエスト シュートアウト レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 94 K・ロクスン Red Bull KTM   KTM 1:05.693
2 38 K・カニンガム StarRacing   Yamaha 1:05.999
3 25 M・ムスキャン Red Bull KTM   KTM 1:06.253
4 40 M・ダバロス Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:06.522
5 13 B・ウォートン Rockstar Energy Drink   Suzuki 1:06.834
6 21 J・アンダーソン Rockstar Energy Drink   Suzuki 1:06.021
7 35 R・サイプス Rockstar Energy Suzuki   Suzuki 1:07.354
8 43 C・シーリー Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 1:07.176
9 32 M・スチュワート JDR/J-star/KTM   KTM 1:06.966
10 28 T・ラトレイ Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:07.926
11 338 Z・オズボーン GEICO Honda   Honda 1:07.546
12 176 J・サバージー JDR/J-star/KTM   KTM 1:07.887
13 1 E・トマック GEICO Honda   Honda 1:08.002
14 68 T・バウワーズ Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:06.353
15 42 V・フリージー -   Honda 1:10.170
16 87 L・ビンセント Munn Racing KTM   KTM 1:10.812
17 48 C・トンプソン -   Honda 1:12.017
18 393 D・ヒーレイン -   Honda 1:11.710
19 67 G・フェイス Motoconcepts Racing   Honda 1:11.414
20 19 Z・オズボーン GEICO Honda   Honda DNS

 

宮本 将平
プロフィール
宮本 将平

WEB・GRAPHIC DESIGNER/PHOTOGRAPHER 元プロMXライダー。トランスワールドMX編集部を経て、同社でデザイナーとして勤務。退社後に独立、いわきで バンザイマガジン (FMXフリーマガジン)を立ち上げ、編集長を勤めている。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索