2014 AMA スーパークロス  ラウンド17 ラスベガス NV レースレポート

2014 AMA スーパークロス ラウンド17 ラスベガス NV レースレポート

掲載日:2014年05月07日 エクストリームモトクロス    

まとめ/ダートライド編集部

450ccクラス メインレース

やや拍子抜けと言える最終戦で幕を閉じた

前戦でシリーズタイトルを決めてしまったライアン・ビロポート(カワサキ)。そのかたちで挑んだ最終戦、ラスベガス。だからといって残りのライダーが手を抜くとは思えないが、レース展開はやや弛緩した張りのない展開となってしまった。

 

スタートで飛び出したのはR・ビロポートの僚友、ジェイク・ワイマー。しかし、直後にR・ビロポートも着け、1周が終わらないうちにR・ビロポートが前に出る。後続ではほぼシリーズランキング2位が確実になっている、ライアン・ダンジー(KTM)。シリーズ3位のポジションをキープできるかが今戦にかかっているケン・ロクスンは4位に着け、まずまずの位置。そのK・ロクスンとポジションを争うであろうと見られていたジェイムズ・スチュワート(スズキ)は、なんと3周目でトラブルピットイン。ここでこの日のレースの流れは決まってしまった。

 

後続でR・ダンジーやK・ロクスンがJ・ワイマーを交わす好戦を見せるも、全体的なライダーポジションはR・ビロポートを先頭に、だいたい等間隔。あまり大きなバトルが起きないまま、ただ時間だけが経過してしまう。ジャスティン・バーシア(ホンダ)やジョシュ・ヒル(スズキ)が奮闘するのだが、レースの大きな流れを変えるには至らず。シリーズの最後を締め括るにはやや拍子抜けのまま20周が終わり、最終戦ラスベガスもR・ビロポートの勝利で幕を閉じた。インターバルを挟んでのアウトドアで、奮闘や激戦に期待したい。

 

450cc クラス レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 1 R・ビロポート Monster Energy Kawasaki   Kawasaki 1:08.673
2 5 R・ダンジー Red Bull KTM   KTM 1:09.612
3 94 K・ロクスン Red Bull KTM   KTM 1:10.029
4 51 J・バーシア Team Honda Muscle Milk   Honda 1:10.288
5 41 T・カナード Team Honda Muscle Milk   Honda 1:10.746
6 75 J・ヒル RCH/Soaring Eagle/Suzuki   Suzuki 1:10.840
7 33 J・グラント Toyota/Yamaha/Nfab/JGRmx team   Yamaha 1:11.291
8 12 J・ワイマー Monster Energy Kawasaki   Kawasaki? 1:11.314 M
9 68 C・ブローズ N-FAB, FACTORY METAL WORKS   Honda 1:12.740 N
10 29 A・ショート BTO Sports   KTM 1:12.092
450cc クラス ポイントランキング
順位 ゼッケン ライダー名 メーカー ポイント
1 1 R・ビロポート   Kawasaki? 368
2 5 R・ダンジー   KTM? 304
3 94 K・ロクスン   KTM 285
4 7 J・スチュワート   Suzuki 272
5 51 J・バーシア   Honda 250
6 29 A・ショート   KTM 218
7 10 J・ブレイトン   Yamaha 196
8 75 J・ヒル   Suzuki 159
9 20 B・ティックル   Suzuki 126
10 800 M・アレッシ   Suzuki 123

 

 

 

250ccクラス ウエスト メインレース

J・アンダーソンが嬉しいシリーズタイトルを獲る

250ccクラスは、ここラスベガスで東西それぞれの最終戦がおこなわれたあと、東西のチャンプどちらが最強かのマッチレースが用意されている。まずはウエストの最終戦だが、目下、ジェイソン・アンダーソン(KTM)のシリーズチャンピオンが優勢。2位に着けているコール・シーリー(ホンダ)も出走するが、J・アンダーソンに余程のトラブルがない限り、ポイントで逆転するのは難しい。

 

ただ、出走さえしていれば相手に何か起きるのもレースなので、最後まで望みが途切れることはない。そのメインレース(15周)、スタートで元気よく飛び出したのは、今年がルーキーイヤーのクーパー・ウェブ(ヤマハ)。ホールショットを取ったと思ったら、グイグイと後続を引き離す快走。続いて、今期は遅咲きだったプロサーキットカワサキ勢の、ディーン・ウィルソンとジャスティン・ヒルが続く。C・シーリーとJ・アンダーソンはさすがに固さが出たか、大きく出遅れる。

 

7周目ころには各ライダーが等間隔になり、レース展開が停滞するかと思いきや、この日のウエストはここからが見どころ。ルーキーのC・ウェブと、連戦の猛者D・ウィルソンによる1位争いが勃発し、抜きつ抜かれつのデッドヒート。最終的にはD・ウィルソンが抑えるも、ルーキーながらまったく負けないC・ウェブの戦いぶりは、アウトドアも楽しみな会心だった。

 

レースは最終的に、チャンプが1位を飾ることはなかったが、C・シーリーが4位、J・アンダーソンが6位でフィニッシュとなりポイント差を逆転することができず、J・アンダーソンのシリーズチャンピオンが決定した。AMAスーパークロスの250ccクラスでKTMがシリーズタイトルを取るのは、これが初めてではないだろうか? 次はマッチレース、シュートアウトだ。

 

250ccクラス ウエスト レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 15 D・ウィルソン Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:09.826
2 37 C・ウェブ Yamaha, Yamalube, Rockstar   Yamaha 1:09.669
3 35 J・ヒル Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:10.035
4 21 C・シーリー Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 1:10.270
5 34 M・スチュワート Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 1:09.830
6 17 J・アンダーソン Rockstar Energy Racing KTM   KTM 1:09.984
7 16 Z・オズボーン GEICO Honda   Honda 1:11.472
8 87 S・マケラス Troy Lee Designs Mav Tv Honda   Honda 1:11.026
9 50 J・ネルソン Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 1:12.893
10 66 J・カナダ 51FIFTY Energy Drink   Honda 1:12.555
250ccクラス ウエスト ポイントランキング
順位 ゼッケン ライダー名 メーカー ポイント
1 17 J・アンダーソン   KTM 193
2 21 C・シーリー   Honda 188
3 15 D・ウィルソン   Kawasaki 163
4 35 J・ヒル   Kawasaki 159
5 37 C・ウェブ   Yamaha 143
6 34 M・スチュワート   Honda 137
7 50 J・ネルソン   Honda 115
8 16 Z・オズボーン   Honda 114
9 87 S・マケラス   Honda 109
10 66 J・カナダ   Honda 83

 

 

 

250ccクラス イースト メインレース

J・ボーグルが綺麗にスタートから飛び出しタイトルを決める

250ccクラスのイーストは、ジャスティン・ボーグル(ホンダ)のシリーズチャンピオンが濃厚な様子。他のホンダ勢の動きも気になるところだが、メインレースはそのJ・ボーグルが綺麗にホールショット。このままレースを運べれば、願ってもない展開だ。2位にはジェレミー・マーティン(ヤマハ)が着けるが、この日、このJ・マーティンが黙っていない。チャンピオンタイトルを前に走りが少し固くなった様子でもないJ・ボーグルに4周目から仕掛け始め、6周目で軽いコンタクトはあったもののイン側からパス。そこから快進撃を見せ、逆にJ・ボーグルはここで無理に追って転倒リアタイアは避けたいところで、2位のポジションをキープすることにスイッチ。ただ、後方にライバルたちが控えているので、決して手を抜いている走りではない。

 

レースはこのまま大きな動きがなく、3位にマット・ビシェリア(ホンダ)が着ける展開で、このまま行くと初登壇者が多いレースに。上位陣を圧倒的にホンダ勢で締めてしまったイーストは、結局この優勢が変わらず15周を消化。嬉しい初ボディウムを2人が決めるとともに、J・ボーグルもイーストの初シリーズタイトルを決めた。250ccクラスの真ん中にヤマハのマシンが並ぶのも久しぶりで、最終戦ながら面白いレース結果となった。ウエストとのマッチレースはどうなるだろうか?

 

250ccクラス イースト レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 19 J・マーティン Yamaha, Star Racing   Yamaha 1:09.860
2 32 J・ボーグル GEICO Honda   Honda 1:10.187
3 96 M・ビシェリア GEICO Honda   Honda 1:11.796
4 30 K・カニンハム Smartop MotoConcepts Racing   Honda 1:11.946
5 56 J・デコティス Riverside Harley Davidson   Honda 1:13.665
6 62 M・オルデンバーグ -   Honda 1:14.384
7 55 A・マーティン CycleTrader.com   Yamaha 1:13.799
8 533 G・オウデット -   Kawasaki 1:15.039
9 60 J・リチャードソン XPR Extreme Performance Racing   Honda 1:14.477
10 42 V・フリージー The Factory Metal Works   Honda 1:15.877
250ccクラス イースト ポイントランキング
順位 ゼッケン ライダー名 メーカー ポイント
1 32 J・ボーグル   Honda 188
2 31 M・ダバロス   Kawasaki 149
3 42 V・フリージー   Honda 131
4 30 K・カニンハム   Honda 127
5 46 A・シアンサルーロ   Kawasaki 120
6 4 B・バゲット   Kawasaki 120
7 56 J・デコティス   Honda 106
8 55 A・マーティン   Yamaha 100
9 96 M・ビシェリア   Honda 98
10 19 J・マーティン   Yamaha 96

 

 

 

250ccクラス シュートアウト

シリーズを通しての戦いの難しさが見られたマッチレース

ウエストとイーストに分かれ戦われた250ccシリーズの総括となるのが、最終戦、ラスベガスでおこなわれるシュートアウト。東西トップ10が出走し、どちらのどのライダーが結局1番なのかを決めるイベントだ。

 

興行的な面もあるので、メインレースは10周と短目。スターティンググリッドには真新しい『1』のゼッケンを付けたJ・アンダーソンとJ・ボーグルが並んだ。スタートで飛び出したのはしかし、とにかく今シーズン低調が続いたプロサーキットカワサキのJ・ヒル。D・ウィルソンも早い段階で2位のポジションに着け、本来のレースで披露されるべき進撃が展開され始めた。J・アンダーソンもJボーグルもその直後に着けるが、カチッと歯車が合わさったプロサーキット勢は速く、差が開く。逆にシュートアウトでも元気なJ・マーティンがJ・ボーグルに再び挑み、バトルが始まる。J・ボーグルのほうが上手で抜かれつつもうまくかわし返す好闘を見せるが、残り4周としたところでJ・ボーグルがジャンプの飛び出しでミスをし、リカバリーを試みるもコースアウト。残念ながらリタイアとなった。

 

レースは、そのままプロサーキット勢がトップで逃げ切り、3位にJ・アンダーソンがナンバー1プレートの貫禄を見せフィニッシュ。東西対決は上位4人がウエスト勢、5位にイーストのJ・マーティンが切り込んだかたちで決着がついた。これで長かったスーパークロスシーズンは終わり。アウトドアでの活躍も楽しみだ。

 

250ccクラス シュートアウト レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 35 J・ヒル Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:09.101
2 15 D・ウィルソン Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 1:09.592
3 17 J・アンダーソン Rockstar Energy Racing KTM   KTM 1:09.397
4 37 C・ウェブ Yamaha, Yamalube, Rockstar   Yamaha 1:09.520
5 19 J・マーティン Yamaha, Star Racing   Yamaha 1:10.141
6 21 C・シーリー Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 1:10.547
7 66 J・カナダ 51FIFTY Energy Drink   Honda 1:11.281
8 30 K・カニンハム Smartop MotoConcepts Racing   Honda 1:11.594
9 87 S・マケラス Troy Lee Designs Mav Tv Honda   Honda 1:11.225
10 50 J・ネルソン Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 1:12.609

 

 

 

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