掲載日:2014年05月07日 エクストリーム › モトクロス
まとめ/ダートライド編集部
前戦でシリーズタイトルを決めてしまったライアン・ビロポート(カワサキ)。そのかたちで挑んだ最終戦、ラスベガス。だからといって残りのライダーが手を抜くとは思えないが、レース展開はやや弛緩した張りのない展開となってしまった。
スタートで飛び出したのはR・ビロポートの僚友、ジェイク・ワイマー。しかし、直後にR・ビロポートも着け、1周が終わらないうちにR・ビロポートが前に出る。後続ではほぼシリーズランキング2位が確実になっている、ライアン・ダンジー(KTM)。シリーズ3位のポジションをキープできるかが今戦にかかっているケン・ロクスンは4位に着け、まずまずの位置。そのK・ロクスンとポジションを争うであろうと見られていたジェイムズ・スチュワート(スズキ)は、なんと3周目でトラブルピットイン。ここでこの日のレースの流れは決まってしまった。
後続でR・ダンジーやK・ロクスンがJ・ワイマーを交わす好戦を見せるも、全体的なライダーポジションはR・ビロポートを先頭に、だいたい等間隔。あまり大きなバトルが起きないまま、ただ時間だけが経過してしまう。ジャスティン・バーシア(ホンダ)やジョシュ・ヒル(スズキ)が奮闘するのだが、レースの大きな流れを変えるには至らず。シリーズの最後を締め括るにはやや拍子抜けのまま20周が終わり、最終戦ラスベガスもR・ビロポートの勝利で幕を閉じた。インターバルを挟んでのアウトドアで、奮闘や激戦に期待したい。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 1 | R・ビロポート | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | 1:08.673 | |
2 | 5 | R・ダンジー | Red Bull KTM | KTM | 1:09.612 | |
3 | 94 | K・ロクスン | Red Bull KTM | KTM | 1:10.029 | |
4 | 51 | J・バーシア | Team Honda Muscle Milk | Honda | 1:10.288 | |
5 | 41 | T・カナード | Team Honda Muscle Milk | Honda | 1:10.746 | |
6 | 75 | J・ヒル | RCH/Soaring Eagle/Suzuki | Suzuki | 1:10.840 | |
7 | 33 | J・グラント | Toyota/Yamaha/Nfab/JGRmx team | Yamaha | 1:11.291 | |
8 | 12 | J・ワイマー | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki? | 1:11.314 M | |
9 | 68 | C・ブローズ | N-FAB, FACTORY METAL WORKS | Honda | 1:12.740 N | |
10 | 29 | A・ショート | BTO Sports | KTM | 1:12.092 |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | ポイント | |
1 | 1 | R・ビロポート | Kawasaki? | 368 | |
2 | 5 | R・ダンジー | KTM? | 304 | |
3 | 94 | K・ロクスン | KTM | 285 | |
4 | 7 | J・スチュワート | Suzuki | 272 | |
5 | 51 | J・バーシア | Honda | 250 | |
6 | 29 | A・ショート | KTM | 218 | |
7 | 10 | J・ブレイトン | Yamaha | 196 | |
8 | 75 | J・ヒル | Suzuki | 159 | |
9 | 20 | B・ティックル | Suzuki | 126 | |
10 | 800 | M・アレッシ | Suzuki | 123 |
250ccクラスは、ここラスベガスで東西それぞれの最終戦がおこなわれたあと、東西のチャンプどちらが最強かのマッチレースが用意されている。まずはウエストの最終戦だが、目下、ジェイソン・アンダーソン(KTM)のシリーズチャンピオンが優勢。2位に着けているコール・シーリー(ホンダ)も出走するが、J・アンダーソンに余程のトラブルがない限り、ポイントで逆転するのは難しい。
ただ、出走さえしていれば相手に何か起きるのもレースなので、最後まで望みが途切れることはない。そのメインレース(15周)、スタートで元気よく飛び出したのは、今年がルーキーイヤーのクーパー・ウェブ(ヤマハ)。ホールショットを取ったと思ったら、グイグイと後続を引き離す快走。続いて、今期は遅咲きだったプロサーキットカワサキ勢の、ディーン・ウィルソンとジャスティン・ヒルが続く。C・シーリーとJ・アンダーソンはさすがに固さが出たか、大きく出遅れる。
7周目ころには各ライダーが等間隔になり、レース展開が停滞するかと思いきや、この日のウエストはここからが見どころ。ルーキーのC・ウェブと、連戦の猛者D・ウィルソンによる1位争いが勃発し、抜きつ抜かれつのデッドヒート。最終的にはD・ウィルソンが抑えるも、ルーキーながらまったく負けないC・ウェブの戦いぶりは、アウトドアも楽しみな会心だった。
レースは最終的に、チャンプが1位を飾ることはなかったが、C・シーリーが4位、J・アンダーソンが6位でフィニッシュとなりポイント差を逆転することができず、J・アンダーソンのシリーズチャンピオンが決定した。AMAスーパークロスの250ccクラスでKTMがシリーズタイトルを取るのは、これが初めてではないだろうか? 次はマッチレース、シュートアウトだ。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 15 | D・ウィルソン | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 1:09.826 | |
2 | 37 | C・ウェブ | Yamaha, Yamalube, Rockstar | Yamaha | 1:09.669 | |
3 | 35 | J・ヒル | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 1:10.035 | |
4 | 21 | C・シーリー | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | 1:10.270 | |
5 | 34 | M・スチュワート | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | 1:09.830 | |
6 | 17 | J・アンダーソン | Rockstar Energy Racing KTM | KTM | 1:09.984 | |
7 | 16 | Z・オズボーン | GEICO Honda | Honda | 1:11.472 | |
8 | 87 | S・マケラス | Troy Lee Designs Mav Tv Honda | Honda | 1:11.026 | |
9 | 50 | J・ネルソン | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | 1:12.893 | |
10 | 66 | J・カナダ | 51FIFTY Energy Drink | Honda | 1:12.555 |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | ポイント | |
1 | 17 | J・アンダーソン | KTM | 193 | |
2 | 21 | C・シーリー | Honda | 188 | |
3 | 15 | D・ウィルソン | Kawasaki | 163 | |
4 | 35 | J・ヒル | Kawasaki | 159 | |
5 | 37 | C・ウェブ | Yamaha | 143 | |
6 | 34 | M・スチュワート | Honda | 137 | |
7 | 50 | J・ネルソン | Honda | 115 | |
8 | 16 | Z・オズボーン | Honda | 114 | |
9 | 87 | S・マケラス | Honda | 109 | |
10 | 66 | J・カナダ | Honda | 83 |
250ccクラスのイーストは、ジャスティン・ボーグル(ホンダ)のシリーズチャンピオンが濃厚な様子。他のホンダ勢の動きも気になるところだが、メインレースはそのJ・ボーグルが綺麗にホールショット。このままレースを運べれば、願ってもない展開だ。2位にはジェレミー・マーティン(ヤマハ)が着けるが、この日、このJ・マーティンが黙っていない。チャンピオンタイトルを前に走りが少し固くなった様子でもないJ・ボーグルに4周目から仕掛け始め、6周目で軽いコンタクトはあったもののイン側からパス。そこから快進撃を見せ、逆にJ・ボーグルはここで無理に追って転倒リアタイアは避けたいところで、2位のポジションをキープすることにスイッチ。ただ、後方にライバルたちが控えているので、決して手を抜いている走りではない。
レースはこのまま大きな動きがなく、3位にマット・ビシェリア(ホンダ)が着ける展開で、このまま行くと初登壇者が多いレースに。上位陣を圧倒的にホンダ勢で締めてしまったイーストは、結局この優勢が変わらず15周を消化。嬉しい初ボディウムを2人が決めるとともに、J・ボーグルもイーストの初シリーズタイトルを決めた。250ccクラスの真ん中にヤマハのマシンが並ぶのも久しぶりで、最終戦ながら面白いレース結果となった。ウエストとのマッチレースはどうなるだろうか?
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 19 | J・マーティン | Yamaha, Star Racing | Yamaha | 1:09.860 | |
2 | 32 | J・ボーグル | GEICO Honda | Honda | 1:10.187 | |
3 | 96 | M・ビシェリア | GEICO Honda | Honda | 1:11.796 | |
4 | 30 | K・カニンハム | Smartop MotoConcepts Racing | Honda | 1:11.946 | |
5 | 56 | J・デコティス | Riverside Harley Davidson | Honda | 1:13.665 | |
6 | 62 | M・オルデンバーグ | - | Honda | 1:14.384 | |
7 | 55 | A・マーティン | CycleTrader.com | Yamaha | 1:13.799 | |
8 | 533 | G・オウデット | - | Kawasaki | 1:15.039 | |
9 | 60 | J・リチャードソン | XPR Extreme Performance Racing | Honda | 1:14.477 | |
10 | 42 | V・フリージー | The Factory Metal Works | Honda | 1:15.877 |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | ポイント | |
1 | 32 | J・ボーグル | Honda | 188 | |
2 | 31 | M・ダバロス | Kawasaki | 149 | |
3 | 42 | V・フリージー | Honda | 131 | |
4 | 30 | K・カニンハム | Honda | 127 | |
5 | 46 | A・シアンサルーロ | Kawasaki | 120 | |
6 | 4 | B・バゲット | Kawasaki | 120 | |
7 | 56 | J・デコティス | Honda | 106 | |
8 | 55 | A・マーティン | Yamaha | 100 | |
9 | 96 | M・ビシェリア | Honda | 98 | |
10 | 19 | J・マーティン | Yamaha | 96 |
ウエストとイーストに分かれ戦われた250ccシリーズの総括となるのが、最終戦、ラスベガスでおこなわれるシュートアウト。東西トップ10が出走し、どちらのどのライダーが結局1番なのかを決めるイベントだ。
興行的な面もあるので、メインレースは10周と短目。スターティンググリッドには真新しい『1』のゼッケンを付けたJ・アンダーソンとJ・ボーグルが並んだ。スタートで飛び出したのはしかし、とにかく今シーズン低調が続いたプロサーキットカワサキのJ・ヒル。D・ウィルソンも早い段階で2位のポジションに着け、本来のレースで披露されるべき進撃が展開され始めた。J・アンダーソンもJボーグルもその直後に着けるが、カチッと歯車が合わさったプロサーキット勢は速く、差が開く。逆にシュートアウトでも元気なJ・マーティンがJ・ボーグルに再び挑み、バトルが始まる。J・ボーグルのほうが上手で抜かれつつもうまくかわし返す好闘を見せるが、残り4周としたところでJ・ボーグルがジャンプの飛び出しでミスをし、リカバリーを試みるもコースアウト。残念ながらリタイアとなった。
レースは、そのままプロサーキット勢がトップで逃げ切り、3位にJ・アンダーソンがナンバー1プレートの貫禄を見せフィニッシュ。東西対決は上位4人がウエスト勢、5位にイーストのJ・マーティンが切り込んだかたちで決着がついた。これで長かったスーパークロスシーズンは終わり。アウトドアでの活躍も楽しみだ。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 35 | J・ヒル | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 1:09.101 | |
2 | 15 | D・ウィルソン | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 1:09.592 | |
3 | 17 | J・アンダーソン | Rockstar Energy Racing KTM | KTM | 1:09.397 | |
4 | 37 | C・ウェブ | Yamaha, Yamalube, Rockstar | Yamaha | 1:09.520 | |
5 | 19 | J・マーティン | Yamaha, Star Racing | Yamaha | 1:10.141 | |
6 | 21 | C・シーリー | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | 1:10.547 | |
7 | 66 | J・カナダ | 51FIFTY Energy Drink | Honda | 1:11.281 | |
8 | 30 | K・カニンハム | Smartop MotoConcepts Racing | Honda | 1:11.594 | |
9 | 87 | S・マケラス | Troy Lee Designs Mav Tv Honda | Honda | 1:11.225 | |
10 | 50 | J・ネルソン | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | 1:12.609 |