ヤマハ FJR1300AS 試乗インプレ・レビュー

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ヤマハ FJR1300AS

ヤマハ FJR1300AS

掲載日:2016年12月15日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー   

取材・文/佐賀山敏行  写真/井上 演

高い快適性とスポーツ性能を両立させた
ヤマハのフラッグシップ・ツアラー

ヤマハの大型モデルには魅力的なモデルが多い。最高峰スポーツモデルとしてYZF-R1が君臨し、重厚なイメージのドラッグスタイルを持つVMAXは熱心なファンに支えられる。また、意のままに操る楽しさを提供してくれるMT-09も、新時代のロードスポーツモデルとして高い人気を誇っている。スポーツスクーターとして確固とした地位を確立したTMAXも忘れてはいけない。そして、ロングツーリングを楽しむライダーから注目を集めるのが、ここに紹介するFJR1300ASだ。

コンセプトは「ダイナミックツーリング」。長距離をどこまでも快適に走りつつ、ワインディングでは高いスポーツ性能で走りを楽しむことが出来るという。ツアラーとしての高い完成度を見せるFJR1300ASを、あらためて紹介したい。

ヤマハ FJR1300AS 特徴

YCC-Sにコーナリングランプなど
最新の装備や技術を満載

ヤマハ FJR1300ASの試乗インプレッション

ヤマハのフラッグシップツアラーとして2001年に登場したFJR1300は、その後も頻繁に改良を繰り返してきた。今回紹介するのは2016年にモデルチェンジし、ミッションがこれまでの5速から6速へ変更された。より細かくギアを選択することが可能となり、街乗りから高速道路、ワインディングまで、さらに操る楽しさを実感出来るようになったのだ。

ヤマハ FJR1300ASの試乗インプレッション

もうひとつの大きな変更点は灯火類。ヘッドライトは新型LEDデュアルランプを採用し、さらにリアのコンビネーションランプやナンバー灯など、灯火器すべてにLEDを採用した。これによってバッテリーへの負担を大きく軽減。FJR1300ASにはさまざまな電子機器が搭載されているので、安定した性能を発揮するのに一役買っている。もちろん、LED化による現代的なデザインや高級感も見逃せないポイントだ。さらに灯火類で注目すべきはヘッドライト上部に装備されたLEDコーナリングランプ。これは走行中、バンク角に合わせて照射エリアを広げ、よりライダーの視線に近い範囲を照らしてくれるというもの。夜間走行での安心感を大きくアップしてくれる装備なのだ。

ヤマハ FJR1300ASの試乗インプレッション

FJR1300AS最大の特徴と言えば、ヤマハ独自のYCC-S(ヤマハ電子制御シフト)だろう。クラッチ操作が不要のためクラッチレバーが無いのだ。シフトチェンジはシフトペダルのほか、左スイッチボックスにあるシフトレバー(スイッチ)でおこなう。自動変速ではなく、操作はあくまでもライダーによるものだ。ただしクラッチ操作をしなくてもよいので、ワインディングや街中ではライディングに集中出来て、長距離走行では疲労の軽減にも役立ってくれる。また、停止時に自動でギアを1速まで落としてくれる「ストップモード」を使えば、さらに運転が楽になる。

ほかにもABSをはじめ、シーンによって設定を変えられる電動調整サスペンションや、無段階に高さを調整できる電動スクリーン、クルーズコンロトールにグリップヒーターなど、とにかく快適、安全にバイクを走らせる装備にあふれているのが、FJR1300ASなのである。

ヤマハ FJR1300AS 試乗インプレッション

ツーリングでのさまざまな
シーンに合わせた走りを楽しめる

ヤマハ FJR1300ASの試乗インプレッション

快適装備が充実したFJR1300ASではあるが、やはり躊躇するのはその大きな車体。跨ってみると「で、でかい……」というのが正直な感想だ。2段階で高さ調整が可能なシートは、もちろん低い方にセットしている。それでも足つきは決して良いとは言えない。ところが、走り出してしまえば低速でも驚くほど安定していて、足つきへの不安は気にならない。また、信号待ちで自動的に1速まで落ちる「ストップモード」があるのも嬉しいポイント。

ヤマハ FJR1300ASの試乗インプレッション

停車時にギアを落とすために右足をつき、さらにリアブレーキを踏むために左足に下ろし変えたり……というのは足つきに不安のあるバイクでは辛い作業だが、それを一切やらなくてよい。これはYCC-S最大の利点と言えるのではないだろうか。さすがに頻繁に足を地面に下ろさなくてはならない渋滞では辛かったが、YCC-S+ストップモードのおかけで、市街地では足つきを気にすることなく走ることが出来た。

ヤマハ FJR1300ASの試乗インプレッション

YCC-Sのもうひとつの魅力が、ギアチェンジをペダルでもレバーでも出来るということ。ギアを上げるときは人差し指で気軽に操作出来るレバーを使い、ギアを下げるときは操作感がいつも通りの感覚に近いシフトペダルを使用した。クラッチ操作の無い、一般的なマニュアル車とは異なるギア操作は新鮮で、慣れてしまえばこの組み合わせは、足だけでギアチェンジをするよりも素早い操作が可能で、ワインディングがさらに楽しくなった。

ヤマハ FJR1300ASの試乗インプレッション

FJR1300ASが本領を発揮する高速道路では、出力147PSのゆとりあるエンジンと電動調整式サスペンションが快適な乗り心地を提供してくれる。もちろん、大きめのスクリーンや居住性の高いシートも好印象。さらにクルーズコントロールを組み合わせれば、大袈裟な表現ではなく、本当にどこまでもストレスなく走っていけそうだ。

ヤマハ FJR1300ASの試乗インプレッション

今回、FJR1300ASで高速道路からワインディング、街中と一通り走ってみた。そこでわかったことは、このモデルはイージーに走ろうと思えば、とてもラクで快適。スポーティーに走ろうと思えば、高出力エンジンとしっかりした足周りによって、スーパースポーツマシンを思わせるパフォーマンスも見せてくれる。つまり、ライダーの技量や意思によって、さまざまな顔を持っていると言える。そう、車体に詰め込まれたさまざまな機能は、ライダーのあらゆる要望に応えるためのもの。FJR1300ASは最高級のもてなしで、ライダーを迎えてくれるのだ。

詳細写真

スクリーンは電動式で、無段階で高さの調整が可能。天候や気温、高速道路に街中など、シーンによって気軽に高さを変えることができる。最も高くすると、上半身をほぼ覆ってくれる。

シートの高さは2段階で変更可能。高い状態で825mm、低い状態で805mmとなる。

サイドバッグは簡単に取り外しが可能。ツーリング先では宿にそのままバッグを持ち込める。バッグを外した状態だと車体はスポーティーな雰囲気に。

カウル内側にある小物入れはメインキーと連動しており、キーをオフにすれば自動的にロックされる。中には12VのDC電源が装備されており、スマホの充電などに便利だ。

マフラーは2本出し。2次駆動はメンテナンスフリーのシャフトドライブを採用している。純正タイヤはFJR1300ASのために開発された専用タイヤだ。

クラッチ操作を自動的におこなうYCC-Sを採用。変速はライダーが操作するのでスポーティーな気分はそのまま。ペダルのほか、左スイッチボックスのレバー(スイッチ)でも操作が可能。

リアキャリアを標準装備。車体のシルエットを崩さないシャープなスタイリングで、実用性とデザイン性を両立させている。大型のグラブバーはパッセンジャーにやさしい装備だ。

多機能スイッチに3連メーターなど、まさにコックピットと呼ぶにふさわしいハンドル周り。ハンドルポジションは前後30mmの範囲で3段階の調整が可能。

水冷並列4気筒DOHC4バルブ、排気量1,297ccのエンジンは最高出力147PSを発揮。大きな車体をグイグイと引っ張っていく。

テールユニットだけでなく、ヘッドライトやナンバー灯など、灯火類はすべてLED化され、バッテリーへの負担を軽減。車体デザインのポイントにもなっている。

モデルの身長は175cm。シートを低い位置にセットした状態だと片足はかかとまで地面に接地する。上体が起きた自然なライディングポジションは、長時間の運転でも疲れづらい。

SPECIFICATIONS – YAMAHA FJR1300AS

ヤマハ FJR1300AS 写真

価格(消費税込み) = 183万6,000円
※表示価格は2016年12月現在

「ダイナミックツーリング」をコンセプトに、高い快適性とスポーツ性能を両立させたヤマハのツーリングモデル。クラッチ操作が不要なYCC-Sを装備する。

■エンジン型式 = 水冷直列4気筒 DOHC 4バルブ

■総排気量 = 1,297cc

■ボア×ストローク = 79.0×66.2mm

■最高出力 = 108kW(147PS)/8,000rpm

■最大トルク = 138N・m(14.1kgf・m)/7,000rpm

■トランスミッション = 6速リターン

■サイズ = 全長2,230mm×全幅750mm×全高1,325mm

■車両重量 = 296kg

■シート高 = 805mm/825mm

■ホイールベース = 1,545mm

■タンク容量 = 25リットル

■Fタイヤサイズ = 120/70ZR 17M/C (58W)

■Rタイヤサイズ = 180/55ZR 17M/C (73W)

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