掲載日:2016年12月15日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐賀山敏行 写真/井上 演
ヤマハのフラッグシップツアラーとして2001年に登場したFJR1300は、その後も頻繁に改良を繰り返してきた。今回紹介するのは2016年にモデルチェンジし、ミッションがこれまでの5速から6速へ変更された。より細かくギアを選択することが可能となり、街乗りから高速道路、ワインディングまで、さらに操る楽しさを実感出来るようになったのだ。
もうひとつの大きな変更点は灯火類。ヘッドライトは新型LEDデュアルランプを採用し、さらにリアのコンビネーションランプやナンバー灯など、灯火器すべてにLEDを採用した。これによってバッテリーへの負担を大きく軽減。FJR1300ASにはさまざまな電子機器が搭載されているので、安定した性能を発揮するのに一役買っている。もちろん、LED化による現代的なデザインや高級感も見逃せないポイントだ。さらに灯火類で注目すべきはヘッドライト上部に装備されたLEDコーナリングランプ。これは走行中、バンク角に合わせて照射エリアを広げ、よりライダーの視線に近い範囲を照らしてくれるというもの。夜間走行での安心感を大きくアップしてくれる装備なのだ。
FJR1300AS最大の特徴と言えば、ヤマハ独自のYCC-S(ヤマハ電子制御シフト)だろう。クラッチ操作が不要のためクラッチレバーが無いのだ。シフトチェンジはシフトペダルのほか、左スイッチボックスにあるシフトレバー(スイッチ)でおこなう。自動変速ではなく、操作はあくまでもライダーによるものだ。ただしクラッチ操作をしなくてもよいので、ワインディングや街中ではライディングに集中出来て、長距離走行では疲労の軽減にも役立ってくれる。また、停止時に自動でギアを1速まで落としてくれる「ストップモード」を使えば、さらに運転が楽になる。
ほかにもABSをはじめ、シーンによって設定を変えられる電動調整サスペンションや、無段階に高さを調整できる電動スクリーン、クルーズコンロトールにグリップヒーターなど、とにかく快適、安全にバイクを走らせる装備にあふれているのが、FJR1300ASなのである。