KTM 125 デューク(2017-) – 小型二輪クラスでありながら妥協なきパフォーマンスを発揮 試乗インプレ・レビュー

KTM 125 DUKE

125 DUKE
KTM

KTM 125 デューク(2017-) – 小型二輪クラスでありながら妥協なきパフォーマンスを発揮

掲載日:2017年06月18日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/小松 男  写真/真弓悟史(走行写真)、バイクブロス・マガジンズ編集部

ランニングコストを抑えた小型二輪クラスでありながら
妥協なきパフォーマンスを発揮するパッケージング

日本のレギュレーションでは小型自動二輪として分類される125ccのバイクは、高速道路こそ使用できないものの、税金や保険などの維持費を抑えることができて日常のアシとして重宝されているクラスだ。通勤通学にも多く使われるため、道具として実用面を重視したものが多い。そんな中、KTM 125 DUKE(デューク)は趣味性の高いライトウエイトスポーツモデルとして、高い存在感を示すモデルだ。2017年モデルではフルモデルチェンジが施され、より一層クオリティを引き上げている。

まずスタイリングが大幅に変更されていることが分かる。ファミリーの長兄モデルにあたる1290 デュークの意匠を受け継ぐスプリットフェイスに、見た目にはシェイプアップされつつも容量が拡大された燃料タンク、そしてメインフレームとは別体式となったシートレールへと流れるラインは、新しくもあり一目見ただけでDUKEだと直感的に伝わってくるものだ。「SPAWN OF THE BEAST」つまり「野獣の卵」というコンセプトの下誕生した新型125DUKEの細部に迫る。

KTM 125 デューク(2017-) 特徴

LEDヘッドライトやABS、TFTディスプレイなど
ハイパフォーマンスパーツを惜しみなく採用

KTM 125 デューク(2017-)の試乗インプレッション

新型125 デュークでまず目に留まったのは、このクラスのネイキッドモデルでは初採用となったフルカラーTFTディスプレイだ。スピードメーター、タコメーター、残燃料計などのほか、オプションで設定されている「KTM MY RIDE」を導入することで、バイクとスマートフォンをブルートゥース接続可能、その情報を表示し、ハンドル側のスイッチでコントロールすることもできる。シチュエーションに応じて輝度が自動に調節されることもあり、視認性も高い。

新しい形状のヘッドライトやウインカー、テールランプなどにはLEDが採用されている他、ABSも標準で装備されている。小型自動二輪というクラス的に、製造コストを抑えるべくやや簡素化されたモデルが多くみられる中で、こういった装備を持つことは、オーナーの所有欲を満たしてくれるに違いない。

KTM 125 デューク(2017-)の試乗インプレッション

燃料タンクは従来型が11リットルだったのに対し、13.4リットルに容量が拡大されている。以前は全面樹脂パーツでカバーされていたが、新型ではスチール製の燃料タンクにサイドパーツを組み合わせることで容量を確保している。そもそも燃費の良いモデルだったが、多くの燃料を入れられることで給油タイミングはかなり引き伸ばされた。

メインフレームとなる部分の形状は大きく変更されていないようにも見えるが、リアセクションをボルトオンタイプのサブフレームとしており、印象は変わっている。125、250、390ccと揃うスモールデュークシリーズでは、基本的には共通フレームとなっていることもあり、オーバースペックともいえる剛性力を誇る。後述するが、余裕を持ったボディワークを持つため、ライディングに関してもかなり積極的に攻められる仕様となっている。

KTM 125 デューク(2017-)の試乗インプレッション

排気量125ccのシングルエンジンは、シリンダーヘッド内に備わる4つのバルブを1290 スーパーデューク Rのようにオーバーヘッドカムシャフトと超硬カーボンコーティングされたロッカーアームによって作動させ、10,000回転で最高出力の11kw(15馬力)を、7,500回転で最大トルクの12Nmを発生する。

従来モデルではボディ下部に設置されていたサイレンサーは大幅に形状を変更しサイドに移設している。Euro4に対応しているのもポイントだ。

低回転から高回転域まで使い切れるエンジン特性と6速ミッションとの組み合わせで、小型モデルらしいキビキビとした快活な走りから、クルージングを楽しむようなロングツーリングまで、幅広いシチュエーションで人馬一体感を味わえるだろう。

なお、フロントの倒立フォークは最新のオープンカートリッジタイプを採用している他、左右で伸び縮み減衰を振り分けるスプリットテクノロジーを使った新しいサスペンションとなっている。トラベル量は従来モデルと比べて8mm少ない142mmとされており、それによりスポーティなハンドリングに貢献することとなる。

KTM 125 デューク(2017-) 試乗インプレッション

日常使用域で必要にして十分なパワーとガッチリとした剛性
多くのライダーがスポーツライディングを楽しめる

125 DUKE(2017-)の試乗インプレッション

新型125 デュークではシートが従来型と比べて30mm高い830mmに設定されており、それによってライディングポジションは若干の前傾姿勢となっている。跨っただけではそう大差ないように思えたが、果敢に攻めるようなスポーツライディングをすると、フロントタイヤに荷重を掛けやすくなっていることが分かる。

従来モデルと比べてパワーは同じだが、回転上昇はよりスムーズでシャープになっているように感じる。マネジメントのセッティング変更によりパワーバンドの幅が拡張されていることもあり、より一層扱いやすくなっていると言えるだろう。

シートがライダーとパッセンジャーでセパレートタイプとなっていることと、ハンドル位置が近いこともあり、身長180cmを超えるようなライダーだと若干窮屈に感じるかもしれないが、現在のスポーツモデルでは定石となっている前後17インチタイヤを採用しており、配下に抑えて振り回すような過激な走り方も楽しめる。ストリート、特に通勤ラッシュ時のシグナルレースなどの場面では、この上ない強い相棒となってくれるだろう。

125 DUKE(2017-)の試乗インプレッション

今回テスト走行したのが袖ケ浦フォレストレースウエイという中規模サーキットだったため、125ccの小型バイクではやや力不足に感じると思っていたが、実際に走らせてみると想像以上に良く走ることが分かった。もちろん絶対的なパワーでは兄弟モデルと比べて敵わないのだが、オーバースペックともいえるシャシーや足周りによって、高速コーナーからヘアピンまで好きなラインを走らせることができる。

スタンダードで装着されるメッツラー・スポルテックM5も車体との相性が良く、ロードインフォメーションをしっかりとライダーへと伝えてくるため高い安心感がある。軽量な車体をひらひらと手足のように扱うことができるので、ライトウエイトスポーツバイクの本質的な部分を十分に楽しむことができるのだ。

125 DUKE(2017-)の試乗インプレッション

ストリートを重視した味付けでありながら、サーキットというステージであってもしっかりとした走りを楽しめるのは、さすがはスポーツバイクブランドKTMだと思うところ。その余裕こそがセーフティライドにもつながるものだと考えられる。

日常の移動手段として使うならば性能的には十分、メインバイクとしてもセカンドバイクとしても楽しめる素質がある。純正オプションパーツが多数用意されているので、カスタマイズを楽しむことができるのも嬉しい。

125 DUKE(2017-)の試乗インプレッション

小型のバイクと言えどもスクーターなどではなく、モーターサイクルを走らせる楽しみをしっかりと感じ取りたいと考えるライダーは少なくないと思う。かくいう私自身、小型バイクと聞くとどうしてもチープなイメージを持ってしまっているが、実はこの125 デュークのようにしっかりと造り込まれたモーターサイクルもあることを再認識することができた。ただ単に道具として使うのではなく、世界観を広げてくれる趣味性の高いモーターサイクルとして、一歩を踏み出すにはもってこいのモデルだ。

125 DUKE(2017-)の試乗インプレッション

同クラスのスポーツモデルで乗り比べるとよくわかるが、装備の充実度だけではなく、実際に走らせた際のプレミアム感は他に追従する者はないと言えるほど高いレベルに仕上がっている新型125 デューク。タンデムライドも楽しめるし、ツーリングでも日常の足としても、満足感の高い1台に仕上がっている。

詳細写真

2017年型のスモールデュークでは、この125 デュークと390 デュークが1290 スーパーデューク RをイメージさせるスプリットタイプのLEDヘッドライトとなった。デザインはKTMのモデルからアパレルまで一手に引き受けるキスカ社によるものだ。

同クラスのネイキッドモデルで初採用となったフルカラーTFTディスプレイ。スピードメーター、タコメーター、残燃料計、水温系などの基本的な計器の他、様々なインフォメーションを表示する。オプションの「KTM MY RIDE」を導入することでスマートフォンと連動させることが可能だ。

ハンドル左側のスイッチボックスには、十字タイプのファンクションスイッチが装備されており、TFTディスプレイ内での表示操作ができるようになっている。操作性が良く直感的に扱えるので、とても便利だ。

テールランプ及びウインカーもLEDが採用されている。とても明るいため他車からの視認性も高い。新設計のシートフレームに伴い、テールカウルの形状も変更されており、より精悍なイメージとなっている。

従来モデルと比べて2.4リットル増えた容量13.4リットルの燃料タンク。スチール製の燃料タンクを挟むように左右のパネルが設置されている。膝が当たる部分が滑らかになり、より一層スポーツライディングに適した形状になっている。

ライダーとパッセンジャーでセパレートタイプとされたシート。従来モデルにあったパッセンジャー用のグラブバーは無く、シートカウルの裏に握るための溝が設けられた。オプションでエルゴシートも用意されている。

690 デューク Rと同じ規格で設計、製造されている鋳造スイングアーム。ハシゴ状の独特な形状によりよじれに強く、軽量かつ高剛性を誇る。ステップはメインボルトがスイングアームと共締めとされている。

オープンカートリッジ、スプリットテクノロジーなどが採用された新設計フロントフォークには、BYBRE製のブレーキキャリパーがラジアルマウントされる。ABSはBOSCH製が使われている。

従来モデルではボディ下部に設置されていたサイレンサーは、右サイドへと移設された。コーナー時のバンク角を稼ぎつつ、容量を確保した異形断面としている。タンデムステップがサイレンサーハンガーと兼用となっている。

排気量125ccの4サイクルシングルエンジンを搭載。エンジンの基本的な設計自体は従来モデルを踏襲。マネジメントのセッティング変更によりパワーバンドを拡大しており、低回転域から高回転まで扱いやすい。

新設計のWP製リアショックは、プリロードの調整が可能でソロ、タンデム、荷物積載時など、シチュエーションに合わせてセッティングができる。動きが良くロードインフォメーションを的確にライダーへと伝える。

メインフレームと別体とされたシートフレームは、デザインとしてあえて見せることにより、イメージを一新させている。それに伴いシートカウルも変更され、裏面にはパッセンジャーがグリップとして使える溝が施された。

小型であってもシート高は830mmあるため、身長155cmの女性がまたがると不安アリ。しかし車重が軽いので、慣れによって解消されるかもしれない。ちなみにスモールデュークのシート高はすべて同じ設定だ。

SPECIFICATIONS – KTM 125 DUKE(2017-)

KTM 125 DUKE(2017-) 写真

価格(消費税込み) = 51万円
※表示価格は2017年6月現在

装備、性能、スタイリング。どれをとってもクラスを超越していると言い切れる完成度の高さ。新型125DUKEはプレミアムライトウエイトスポーツとして進化を遂げた。

■エンジン型式 = 水冷4ストローク単気筒DOHC 4バルブ

■総排気量 = 124.7cc

■ボア×ストローク = 58×47.2mm

■最高出力 = 11kW(15HP)/10,000rpm

■最大トルク = 12N・m/7,500rpm

■トランスミッション =6速

■全長×全幅×全高 = 2,072mm×760mm×1,109mm

■車両重量 = 139kg

■シート高 = 830mm

■ホイールベース = 1,357mm

■タンク容量 = 13.4リットル

■Fタイヤサイズ = 110/70 ZR 17

■Rタイヤサイズ = 150/60 ZR 17

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