ホンダ クロスカブ 試乗インプレ・レビュー

ホンダ クロスカブ
ホンダ クロスカブ

ホンダ クロスカブ

掲載日:2013年06月28日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー

取材・写真・文/野呂瀬悦史

街角も大自然もスタイリッシュに駆け抜ける
フィールドを選ばないクロスオーバーなカブ

2013年6月14日に発売されたホンダのクロスカブ。この車両が初めて発表されたのは、前年2012年11月11日にHondaウェルカムプラザ青山で開催された 「カフェカブミーティングin青山」 の会場でのことだった。イベントに集まったカブフリークに向けたサプライズとしてベールを脱いだのである。真紅のボディや丸いライト、発表当時はオプションパーツというアナウンスも無かったが、アップマフラーやアンダーフレームが装着された姿は、今なお根強い人気を誇るホンダCT110の遺伝子を継承するモデルとして見た人の心に刻まれた。

 

年が明け2013年3月には、大阪と東京で開催されたモーターサイクルショーの会場に登場。両会場とも前年を上回る来場者で賑わうなか、「バイクが、好きだ。」というフレーズを掲げたホンダの展示ブースにおいて、クロスカブは老若男女の幅広い年代から注目を集めることとなる。我々の日常生活に寄り添うように歴史を重ねてきたカブシリーズならではの、なんともいえない身近な存在感によって、誰とでも打ち解けるレジャーバイク。それがクロスカブなのだと感じた瞬間であった。今回の試乗でも、スタンドやコンビニで「これカブですよね?」「いつ発売したの?」など、ライダーに限らず、クルマや自転車に乗っている人にまで、実にたくさんの人に声をかけられたのが印象的だった。ビジネスシーンでの活躍だけでなく、日常生活を便利に楽しくする身近なレジャーバイクとして誕生したクロスカブのスタイルと走りをご紹介していこう。

ホンダ クロスカブ 特徴

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充実の機能と装備で車格は大きめ
長時間運転しても快適なポジション

実車を前にしての第一印象は「車格が大きい」ことだった。重量物の積載も考慮されたカブプロ110の足回りを前後に装着し、さらに前後17インチタイヤを採用したことで、現行スーパーカブ110よりも全長・全幅・全高いずれも数値的に大きくなっている。しかし、これらの数値より明確に違いが体感できるのが着座したときの印象だ。クロスカブは座面が広くクッションの厚みもある専用シートが装着され、結果的にスーパーカブ110のシート高735ミリに対して同784ミリと高く、座れば足つきなどでハッキリと違いを感じることができる。なお、このクロスカブ専用シートと現行スーパーカブ110のシートには互換性があるという。つまり、クロスカブのシート高を低くしたい場合や、スーパーカブのシートに厚みが欲しい場合、それぞれのシートに交換をしてみるのも一つの方法となるだろう。

 

高めのシート高に合わせるように、クロスカブはハンドルもアップポジションとなっていて、走り出せば乗車姿勢は自然な状態で無理がない。クッション性の高いシートの恩恵もあって、長時間に渡り快適さがキープされるため、ロングツーリングも軽々とこなせそうだ。もちろん、未舗装路などの連続走行でも、ストローク量の充分なサスペンションや厚めのシートは振動軽減に貢献してくれるだろう。なお、クロスカブは、スーパーカブ110と比べて20ミリ高い155ミリの最低地上高が確保されているため、路面状況への対応力が格段に向上している。車格が大きくなったのも、こうした走破性や快適性といった性能向上に由来するための機能と装備を装着した結果なのである。

 

CT110を思わせるデザインのクロスカブだが、実際、装備面で似ている部分が多々ある。その代表が可倒式ステップの採用や右側用サイドスタンドの取付け穴の存在だ。さらに細かい点をあげれば、拡大鏡が採用されたミラーもそうだろう。CT110の純正ミラーは、かなり大きく映る拡大鏡タイプだが、クロスカブは「ちょっと大きいぞ?」というレベルで気になるほどではなかった。なお、両車ともタイヤサイズが前後とも2.75-17というのも同じ点。クロスカブの標準タイヤはロードパターンだが、このサイズならオフロードパターンのタイヤを探すのも難しくないといえる。

 

ホンダ クロスカブ 写真

ホンダ クロスカブ 写真

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ホンダ クロスカブ 試乗インプレッション

速度ではない本質的な速さを手に入れた
「元気な加速」がクロスカブの走りの身上

ホンダが誇るインジェクションシステム「PGM-FI」によって制御された109ccの空冷4ストエンジンは、セル一発で容易に動き出す。徹底的に低フリクションを追及したエンジンは、真冬でも始動直後から安定したアイドリングを刻むわけだが、その様子はキャブ世代のライダーにとって驚愕の光景でしかない。「エンジンをかける技術」は不要の時代になったのである。なお、エンジンスタートはキック併設で、万一のバッテリー上がりにも対応できる点は、クロスカブにも受け継がれたカブシリーズの魅力のひとつといえるだろう。

 

クロスカブの走りの特徴は「元気な加速」に尽きる。丸目のカブ110から現行のスーパーカブ110にモデルチェンジした時に、ゼロスタートからの加速がわずかに速くなったが、今回は、それ以上に明確に加速が向上した。スーパーカブ110のスペックと見比べると、変速比は同じだが2次減速比が変更されていた。つまりスプロケによる調整で、低速(加速型)に調整されているのである。なお、スーパーカブ110とクロスカブの両モデルでスプロケが流用できるなら、チェーンなどの細かな調整が必要だが、自宅近隣の交通事情に合わせた走りの味付けが可能になるだろう。

 

クロスカブは、加速が向上した分、最高速は時速90キロほどで頭打ちとなる。ただし、加速が必要なシーンは、最高速が求められるより明らかに多く、どちらが必要な性能かは明確だ。手にした加速力に対して、制動力はリアのドラム径を大型化して対応。車重も105キロとスーパーカブ110に比べると重くなっているが、制動力に一切の不満は感じられなかった。CT110を思わせるデザインや各種パーツ、そして加速型のセッティングなど、クロスカブは21世紀の「ハンターカブ」としての資質を備えたモデルといえるだろう、なお、アウトドアイメージが強いクロスカブだが、信号によるストップ&ゴーが多い街中も得意なシティランナーでもある。小型二輪免許でOK。さらに、小型二輪AT免許でもOKなクロスカブ。手に入れれば、都市部から自然の中まで連れて行ってくれる「頼れる相棒」になるのは間違いないだろう。

 

ホンダ クロスカブ 写真

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Specifications – HONDA CROSS CUB

ホンダ クロスカブ 写真

価格(消費税込み) = 27万8,250円

「カブ×遊ぶ」をテーマに、街角から大自然まであらゆるフィールドに馴染むスタイリングを纏ったのがクロスカブだ。外観だけでなく、2次減速比の調整でカブ110よりも元気な加速力を手に入れていることも、このモデルの個性のひとつとなっている。

■エンジン形式 = 空冷4ストロークOHC単気筒

■総排気量 = 109cc

■最高出力 = 5.9kW(8.0PS)/7,500rpm

■最大トルク = 8.5N・m(0.87kgf-m)/5,500rpm

■トランスミッション = 常時噛合式4段リターン

■始動方式 = セルフ式(キック式併設)

■点火方式 = フルトランジスター式バッテリー点火

■サイズ = 全長1,945×全幅815×全高1,150mm

■シート高 = 784mm

■最小回転半径 = 1.9m

■乾燥重量 = 105kg

■燃料供給装置形式 = 電子式(PGM-FI)

■消費燃費率 = 62.5km/L

■燃料タンク容量 = 4.3L

■乗車定員 = 1名

■F/Rタイヤサイズ =2.75-17 41P

■F/Rブレーキ形式 = 機械式リーディング・トレーリング


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