バイクブロス編集部員の徒然なるひとり言
更新日: 2017年9月28日 19:49:22 カテゴリー:

純正ピストンさえ出ればなぁ……

by: tsuchiyama (投稿数: 39)

ども、RyoTです。
思い返せば、ここで自分の愛車の話をしてませんでした。ということで今回は僕が持っているバイクの話を。

僕の愛機はHONDAのMT250 ELSINOREってバイクです。10年ちょっと前に先輩から15万円くらいで譲ってもらい、以来何度か壊したり直したりを繰り返しながら乗り続けています。年式は忘れましたが、多分1974年あたりの車両なので、40年ちょい前のバイクってことです。となるとやっぱり部品の入手に頭を悩ませるわけです。特にエンジン部品については。

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↑の写真は、約2万キロほど使用したELSINOREのピストンです。あ、説明忘れてましたが、ELSINOREは空冷2ストローク単気筒・ピストンバルブのエンジンを搭載してます。近代ホンダの歴史からすると、ELSINOREはホンダ初の2スト公道市販車でして、このELSINOREが進化に進化を重ねてCRM250ARにまで続いた、というのが個人的な認識でございます。
このピストンは車体入手後、オイル切れで軽く焼きつかせたため(←バカですねぇ~)ホンダ純正新品に交換、その後約2万キロ使用したもの。焼きつかせた08年当時、まだSTDサイズの純正ピストン&同リング&ピストンピン&サークリップはまだホンダから入手できました。(その時すでに純正オーバーサイズピストンはどのメーカーからも入手できなくなっていました。←これは旧車乗りの間ではちょっとした事件でしたよね、いまだに納得してませんよ僕は!!!!)

ただ、この新品ピストンを入れた時点で車体は走行2.5万kmほど走行していて、そこからさらにSTDボアのまま約2万km走らせてしまったので、最後の方はかなりシリンダーからのノイズがエラいことになってまして、パワーもずいぶんと目減りした感がありました。

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↑はバラした時の写真です。以前はモトメンテナンス編集部に在籍しており、その時田口さん含め先輩方にひととおりのメンテを教わったので、以来基本的な整備はずーっと自分がやってます。

ま、そんなこんなでもうSTDボアはもう諦めるかっつーことで、ホンダ純正新品ピストン探しに奔走したんですが、これがもう全然見つからないワケですよ。探してたのは0.25mmオーバーの純正ピストンASSYですが、タイミング悪かったのか、ヤフオクでもeBayでも全然出ない。結局純正の0.25mmオーバーピストンは諦めまして、WISECOのピストンでOHすることに。

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これがWISECO(ワイセコ)のピストンキット。でもこれ実はMT250用ではなくてモトクロッサー・CR250M用の0.5オーバー。WISECOにはMT用はないんですが、レーサーのCR用はラインナップにあったんです。ポート形状の関係でCR用はMTに流用可です。ただ、ホンダ純正のオーバーサイズは0.25/0.50/0.75/1.00mmと0.25mm飛びなのに対して、WISECOは0.50mm飛びで2.00mmまで。つまり、0.25オーバーのピストンが見つからなかったがために僕はシリンダーのボーリング回数を1回分損してるんですよ(笑)。ホント純正ピストンさえ手に入れば良かったんですがね。

あ、このWISECOのピストンとリング、ピストンピンにはWPC加工&MoS2(モリブデンショット)処理をカマしてます。井上ボーリングさんでオススメのメニューでございます。ちなみにシリンダーのボーリングも井上ボーリングさんにお願いし、プラトーホーニングしてもらいました。

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各ポートの面取りもキッチリやってもらって美しい!

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組み込んだ時の写真です。この後、主に通勤マシンとして距離を重ね、WISECO投入後すでに2万km近く走破しました(笑)。ちなみにリングは一度も変えてませんし、組んでから一度も腰上も開けてません。
とはいっても、もうそれなりに距離を走りましたし、ピストンに施工したWPC処理やモリブデンショットがどうなっているのかにもとても興味があるので、そろそろ腰上プチOHしたいなと。その際はその模様もお届けしようかと思ってます。それなりに部品の準備も必要ですから、まだ先の話にはなりますが……。

最近は四輪や二輪の世界で旧車部品の再生産がちょいちょい話題になってますが、旧車乗りの端くれとしては、せめてピストンASSYくらいはメーカーさんにちゃんと出して欲しい! というのが本音です。もちろんオーバーサイズも含めて。

製造&管理などのコストを考えると難しい部分があるのはわかっています。いくつ売れるんだっていう理屈もわかります。でも、僕もすべての部品を出せ! と言うつもりもさらさらありません。走らせるのに最低限必要な部品だけでいいんです。外装とかはハナから諦めてますから(笑)。ただ、各メーカーさんには自社の歴史を支えたプロダクツへのサポートを、少しでもいいから続けていただきたいと切に願っています。