バイクブロス編集部員の徒然なるひとり言
更新日: 2017年7月18日 20:00:35 カテゴリー:

別体ツインフロートキャブ!?

by: tsuchiyama (投稿数: 39)

どもども。
最近は旧車ネタが続いてますが、今回はちょっとマニアックなネタをお届けします。
先月訪れたミュンヘンのBMW Museumで見かけたレーシングニーラー(サイドカー)にすごいキャブレターが付いてたんですよね。

それがコチラ。
20170719_RYT001

インジェクションに見慣れた人にはなんじゃこりゃ、なキャブですが、旧いバイクが好きな方なら、
「あー別体フロート(※)のキャブね、ふむふむ」と思うでしょう。
(※燃料を貯めておくフロート室がキャブボディと分離しているキャブを「別体フロート」と呼んだりします。この写真では、キャブボディの手前についている四角い箱がソレです。)

だがしかーし!

マシンの後ろ側に回り込んでキャブを改めて観察するとさらに衝撃が!

それがこちらの写真。
20170719_RYT002

なんとフロート室がキャブボディの逆サイドも付いていたのです! つまりツインフロート! 一体なぜ?

……ということで旧車好きの友人とこのキャブについてひと通り語り合ってたどり着いた結論(仮説)としてはレーシングニーラーの場合は、コーナーリング中の遠心力でフロート室の燃料が偏らないようフロート室を2つ設けたのではないか、というものでした。そう考えるとフロート室が長手方向(進行方向)に長いのもコーナーリング中の油面の変位を最低限に抑えるため、という風にも解釈できます。

このキャブには刻印がなかったのでBING製なのかはたまたAMALやDELLORTO製なのかは分からずじまいでしたが、こうやって昔の人たちの創意工夫を見ながら、あれやこれやと思いを巡らせるのもとても楽しいものです。
バイクや車に限らず、古い機械を観察する時には、そういう部分にも着目してみるときっと新たな発見があると思います。

ではまた。