ポンコツオフ車再生プロジェクト

【Vol.06】シリンダをハメるのに手こずり、腰上オーバーホール完結ならず…

掲載日:2009年05月27日 ポンコツオフ車再生プロジェクト    

ボロボロ&安価になった2ストマシンに手を加え、思いっきりダートを走り倒そう! というのがこのコーナーの提案する2ストマシンの楽しみ方。ガルル編集スタッフのクラモチが所有するカワサキの名車KDX200SRをレストアし、最終的にはなにかしらのレースに出場することを目指す。それが『パンパン2ストリバイバル』なのだ!

再生への道のり

詳細写真シリンダをハメるのに手こずり 腰上オーバーホール完結ならず…

現在KDXのエンジン腰上オーバーホールを継続中。シリンダのクリーニングもしましたし、交換部品もそろえました。あとはバラしたのと逆の手順で組むだけなので、ラクショーのはずだったんです。ところが、シリンダにピストンが入らないという不測の事態が!

「カンノ編集長、せまい場所にシリンダのデカい図体がつっかかって、ピストンの角度をシリンダ入り口に合わせることすら困難です!」

「え、ピストンを低い位置に下げてからやればいいんでないの?」

ア、なるほど! これならスペースに余裕ができて楽チンだ。さっそくリトライするが、それでもやっぱり入らない! ひょっとして、シリンダ内径とピストンのサイズが違うのかも、とピストン&リングそれぞれ単品でインサートを試みる…入る。

次に、ピストンにリングをハメた状態で再度挑戦。これは、入らない。どうもピストンに装着したリングがつっかかってる様子。ちゃんと指でリングを押し込みながら入れてるつもりだけど。むぅ、どうしたものか。

あーでもない、こーでもないといいながら、どうにかスッポリ入ってくれと手を動かし続ける。すると、突然スッポリ入ってくれた。どうやらピストンとシリンダの向きがきちんと合っていなかっただけみたい。いやー、焦った。ピストンリングコンプレッサーなるものを買っちまおうかとも思いましたが、最後はあきらめない気持ちで乗り切りました!

今回の再生作業

シリンダヘッド組み付けに悪戦苦闘… できることからコツコツと

新品のピストンに新品のリング。疑いようのない2つの部品なんだけど、いざリングをハメこむとけっこうゆるい感じ。シリンダの中でギュッと縮む分があるとはいえ、こんなもんだったっけ?

新品のピストンに新品のリング。疑いようのない2つの部品なんだけど、いざリングをハメこむとけっこうゆるい感じ。シリンダの中でギュッと縮む分があるとはいえ、こんなもんだったっけ?

ピストンがシリンダに入っていかずに悩む。一度はコンロッドにはめたピストンを取り出し、単体で入るか試してみる。すると、リングをハメた状態だとシリンダに入らないことが判明。リングを抑えるワタクシの非力さが原因?

ピストンがシリンダに入っていかずに悩む。一度はコンロッドにはめたピストンを取り出し、単体で入るか試してみる。すると、リングをハメた状態だとシリンダに入らないことが判明。リングを抑えるワタクシの非力さが原因?

結局、ピストンがシリンダの穴に対してナナメになっていて、そこでピストンリングがつっかかっていたから奥に入らなかったみたい。すごく単純な原因だったけど、判明するまではいろいろなことを疑ってしまった。大雑把な作業スタイルだと、不安材料も多くなります。

結局、ピストンがシリンダの穴に対してナナメになっていて、そこでピストンリングがつっかかっていたから奥に入らなかったみたい。すごく単純な原因だったけど、判明するまではいろいろなことを疑ってしまった。大雑把な作業スタイルだと、不安材料も多くなります。

サービスマニュアルいわく「…2サイクルエンジンオイルを塗布します」。ふーん、でもそれっぽい容器がないから、直接ドロップでいっか。

サービスマニュアルいわく「…2サイクルエンジンオイルを塗布します」。ふーん、でもそれっぽい容器がないから、直接ドロップでいっか。

要交換パーツであるシリンダベースガスケットは新品をセット。パッと見た感じ、木目調に見えてかっこいいと思うのは僕だけかしら?

要交換パーツであるシリンダベースガスケットは新品をセット。パッと見た感じ、木目調に見えてかっこいいと思うのは僕だけかしら?

あいた時間にシリンダヘッドの内側を地道に磨いてみた。600番から1000番の順にサンドペーパーでゴシゴシゴシゴシ。カーボンで黒くすすけていたのがウソのようにピカピカ。テンションやや上がる。

あいた時間にシリンダヘッドの内側を地道に磨いてみた。600番から1000番の順にサンドペーパーでゴシゴシゴシゴシ。カーボンで黒くすすけていたのがウソのようにピカピカ。テンションやや上がる。

一気にKIPSも組もうと思ったら、アレ? 部品の一部が破損してる。とりあえず今回はここまでにしておこう

一気にKIPSも組もうと思ったら、アレ? 部品の一部が破損してる。とりあえず今回はここまでにしておこう

一気にKIPSも組もうと思ったら、アレ? 部品の一部が破損してる。とりあえず今回はここまでにしておこう

以前も紹介した外装パーツの再生法をご紹介。いろいろ試した結果、市販されているカッターの刃を使って外装パーツ表面をはぐように削ると、中から新品時と同程度のキレイなお肌が出てくることがわかった。上の写真は右側がカッターで削ったもの。段差の部分は刃が当てづらいからあとでペーパーをかけるとして、大部分は抜群に鮮度が蘇る!

以前も紹介した外装パーツの再生法をご紹介。いろいろ試した結果、市販されているカッターの刃を使って外装パーツ表面をはぐように削ると、中から新品時と同程度のキレイなお肌が出てくることがわかった。上の写真は右側がカッターで削ったもの。段差の部分は刃が当てづらいからあとでペーパーをかけるとして、大部分は抜群に鮮度が蘇る!

以前も紹介した外装パーツの再生法をご紹介。いろいろ試した結果、市販されているカッターの刃を使って外装パーツ表面をはぐように削ると、中から新品時と同程度のキレイなお肌が出てくることがわかった。上の写真は右側がカッターで削ったもの。段差の部分は刃が当てづらいからあとでペーパーをかけるとして、大部分は抜群に鮮度が蘇る!

車両を引き取った当初から紛失していた、ラジエターキャップの新品が届いた♪ 今の段階ではまだ必要ないかもしれないけど、これでマシンを押して動かすときにクーラント液がちょぴっとこぼれたりする心配がなくなった。

車両を引き取った当初から紛失していた、ラジエターキャップの新品が届いた♪ 今の段階ではまだ必要ないかもしれないけど、これでマシンを押して動かすときにクーラント液がちょぴっとこぼれたりする心配がなくなった。

車両を引き取った当初から紛失していた、ラジエターキャップの新品が届いた♪ 今の段階ではまだ必要ないかもしれないけど、これでマシンを押して動かすときにクーラント液がちょぴっとこぼれたりする心配がなくなった。

次回”予想”

いやー、比較的カンタンといわれている腰上オーバーホールですが、やっぱりひとつふたつはトラブルに遭遇しちゃいますね。ま、次回は新しいことに着手できるはずです。いやー、比較的カンタンといわれている腰上オーバーホールですが、やっぱりひとつふたつはトラブルに遭遇しちゃいますね。ま、次回は新しいことに着手できるはずです。

エンデューロレーサーKDX200Rの公道バージョンとして1989年に発売されたKDX200SR。水冷2ストロークエンジン・排気デバイスKIPSを装備し、35PSを発揮するパワフルかつ従順なエンジンが当時のオフロードライダーを魅了した。89年の初期型モデルのみ正立フォークを採用しており、リアには現代のモトクロッサーと同じ19インチタイヤを履く。現在、中古市場ではタマ数少なめの稀少車種となっている。
スペック

■エンジン形式 = 水冷2ストローク ピストンリードバルブ単気筒

■ボア×ストローク = 66×58mm

■最大トルク = 3.2kgf・m/7,500rpm

■変速機形式 = 6段リターン

■サイズ(全長×全幅×全高) = 2,175×855×1,225mm

■燃料タンク容量 = 9.5L

■ブレーキ = 油圧式シングルディスク(前後)

■タイヤサイズ = フロント80/100-21 リア100/90-19

■総排気量 = 198cc

■最高出力 = 35PS/8,000rpm

■キャブレター = KEIHIN PE28

■ホイールベース = 1,445mm

■シート高 = 885mm

■乾燥重量 = 107kg

■新車時本体価格 = 38万9,000円

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索