ポンコツオフ車再生プロジェクト

【Vol.09】チャンバーお手入れで白煙対策!

掲載日:2009年08月26日 ポンコツオフ車再生プロジェクト    

ボロボロ&安価になった2ストマシンに手を加え、思いっきりダートを走り倒そう! というのがこのコーナーの提案する2ストマシンの楽しみ方。ガルル編集スタッフのクラモチが所有するカワサキの名車KDX200SRをレストアし、最終的にはなにかしらのレースに出場することを目指す。それが『パンパン2ストリバイバル』なのだ!

再生への道のり

詳細写真今回の顔はチャンバーです。白煙よ、サラバ!

前回、復活したKDXでパンパンと元気よくダートを走った際に、撮影を担当した編集部員がなにげなくつぶやいた一言。

「煙がすごいね……」

確かに。いくら排ガスが目立つ2ストマシンだからって、これはヒドイ。これじゃあいつかレースに出るときも、後続のライダーに迷惑がかかるかもしれない…。頭を抱えて悩んでいる僕のうしろからまた一言。

「後続車がいれば、の話でしょ」

レースでの話はとにかくとしても、この白煙を放置しておくのはやはり忍びない。『白煙対策=カーボン除去』にもっとも効果が高いもののひとつとして『焼く』のが一番であるとは聞いていた。と言ってもライターの火であぶる程度じゃ効果がない。焼却炉であるとか、焚き火の中にチャンバーをまるごと突っ込むくらいの勢いじゃないとダメだ。ただ、どちらも現実的なシチュエーションじゃない。というか、普通なかなかできることじゃない。

そこで次に思い浮かんだのが、チャンバー専用クリーナーの使用。溜まったカーボンにも効果的だろうし、胃のような、うなぎのような、チャンバー独特の形状にも対応しているはず。後日、バイクショップで店員さんに聞きだしたオススメ商品『カーボン一斉除去プロジェクト』を決行することにした。

車体から取り外したチャンバー内部にクリーナー(スプレー式)1缶分をたっぷり吹き込み、溜まったカーボンをこそげ落とす。それを水で洗い流せば、一丁上がり! ついでにサイレンサーの掃除も行う。こちらはエンドキャップが外せる構造だったので、割り箸を突っ込んで蓄積されたカーボンを削り落とした。さらに、エアフィルターの交換も行う。

再びチャンバー&サイレンサーを車体に取り付け、エンジンを始動してみる。結果、白煙はだいぶ減っていた。よしよし、今回は順調だぁ!

今回の再生作業

チャンバー内のカーボン除去にチャレンジ

取り外したチャンバーの取り付け口付近を割り箸でなぞってみると、ご覧のとおり。曲がりくねった内部までは手が届かないので、対策を講じる必要がある。

取り外したチャンバーの取り付け口付近を割り箸でなぞってみると、ご覧のとおり。曲がりくねった内部までは手が届かないので、対策を講じる必要がある。

こんなうなぎみたいな形状をしているばっかりに、奥まで手が届かない。近くのバイク用品店でオススメされたデイトナガレージの『チャンバークリーナー』を使ってカーボン一斉除去に取り掛かります。ひとまず説明書どおりにやってみます。

こんなうなぎみたいな形状をしているばっかりに、奥まで手が届かない。近くのバイク用品店でオススメされたデイトナガレージの『チャンバークリーナー』を使ってカーボン一斉除去に取り掛かります。ひとまず説明書どおりにやってみます。

最初にチャンバー&サイレンサーを取り外す。純正は鉄製だけになかなか重いです

最初にチャンバー&サイレンサーを取り外す。純正は鉄製だけになかなか重いです

スプレー式のクリーナーですが、吹き続けると内部で液状になってる様子があります。

スプレー式のクリーナーですが、吹き続けると内部で液状になってる様子があります。

両端をウエスで押さえ、クリーナーが全体に行き渡るようにシェイク!

両端をウエスで押さえ、クリーナーが全体に行き渡るようにシェイク!

しばらく放置。ときどき角度を変えたりしてみる。隣で猫がフンをしていった…

しばらく放置。ときどき角度を変えたりしてみる。隣で猫がフンをしていった…

もう1回振るらしい。そろそろ短パンの季節も終わりが近づいている…

もう1回振るらしい。そろそろ短パンの季節も終わりが近づいている…

中身を捨てる、のだが、ウエスに吸い取られたのかあまり出てこない。

中身を捨てる、のだが、ウエスに吸い取られたのかあまり出てこない。

内部を水で洗い流す。水圧を強めるためホースを指でつぶしてみる。

内部を水で洗い流す。水圧を強めるためホースを指でつぶしてみる。

天日干しで水分をとばす。なんか…チャンバーの形ってグロくない?

天日干しで水分をとばす。なんか…チャンバーの形ってグロくない?

新鮮な空気の吸入をつかさどるエアフィルターもまとめて交換。蒸しパンのような新品のフィルターに胸がキュン。

新鮮な空気の吸入をつかさどるエアフィルターもまとめて交換。蒸しパンのような新品のフィルターに胸がキュン。

サイレンサーのエンドキャップを覗いてみると、ここが一番カーボってる! 割り箸でゴリゴリこそげ落とした。

処理前には真夏の入道雲みたいだった白煙も、今回の1件でお父さんのおならくらいまでにおさまった。視覚的にも健全で、今後いっそう楽しくマシンに乗れそうだ。メデタシメデタシ。

処理前には真夏の入道雲みたいだった白煙も、今回の1件でお父さんのおならくらいまでにおさまった。視覚的にも健全で、今後いっそう楽しくマシンに乗れそうだ。メデタシメデタシ。

サイレンサーのエンドキャップを覗いてみると、ここが一番カーボってる! 割り箸でゴリゴリこそげ落とした。

処理前には真夏の入道雲みたいだった白煙も、今回の1件でお父さんのおならくらいまでにおさまった。視覚的にも健全で、今後いっそう楽しくマシンに乗れそうだ。メデタシメデタシ。

エンデューロレーサーKDX200Rの公道バージョンとして1989年に発売されたKDX200SR。水冷2ストロークエンジン・排気デバイスKIPSを装備し、35PSを発揮するパワフルかつ従順なエンジンが当時のオフロードライダーを魅了した。89年の初期型モデルのみ正立フォークを採用しており、リアには現代のモトクロッサーと同じ19インチタイヤを履く。現在、中古市場ではタマ数少なめの稀少車種となっている。
スペック

■エンジン形式 = 水冷2ストローク ピストンリードバルブ単気筒

■ボア×ストローク = 66×58mm

■最大トルク = 3.2kgf・m/7,500rpm

■変速機形式 = 6段リターン

■サイズ(全長×全幅×全高) = 2,175×855×1,225mm

■燃料タンク容量 = 9.5L

■ブレーキ = 油圧式シングルディスク(前後)

■タイヤサイズ = フロント80/100-21 リア100/90-19

■総排気量 = 198cc

■最高出力 = 35PS/8,000rpm

■キャブレター = KEIHIN PE28

■ホイールベース = 1,445mm

■シート高 = 885mm

■乾燥重量 = 107kg

■新車時本体価格 = 38万9,000円

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