


掲載日:2012年01月24日
試乗インプレ・レビュー
真冬の通勤ライドをアツくする
専用ヒート機能装備の限定モデル
職場や学校などへの移動は、多くの人にとって日常生活の中での欠かせない営みといえるだろう。なかでも自宅と目的地の位置関係や交通事情によって、バイクを主たる移動手段に選んでいる人も少なくない。そうした通勤・通学ライドを日々こなすライダーが一目置くスクーターこそ、今回ご紹介するスズキのアドレスV125シリーズである。
アドレスは2010年8月にV125GからV125Sと進化した。その試乗インプレションは既にお伝えしているが、「リミテッド」の名が与えられた今回の試乗モデルは、真冬のライディングを暖かくサポートする専用ヒート機能を装備しているのが大きな特徴だ。実際に通勤ライドを通じて感じた走行性能と共に、注目のヒート機能の実力もお伝えしよう。
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もう寒さは怖くない!?と思えるほど
リミテッド専用ヒート機能は効果抜群
今回の試乗車、アドレスV125Sリミテッドの専用ヒート機能についえまずお伝えしよう。通勤・通学ライドはファンライドと違って移動することが目的ではなく、目的地に到着してから仕事や勉強を励む体調を維持しておかねばならない。気温の低い朝晩に移動を余儀なくされるなかで、冬でも寒さを気にせずにバイクに乗れるならば、それほど心強いことはないだろう。
まずグリップヒーターだが、コントローラーはハンドル左側に装着されている。5段階の温度調節機能があり、スイッチオンから1分もかからず暖かさが感じられた。このスピーディーさは、特にあわただしい朝の出発時にうれしい性能といえる。そんなグリップヒーターの温熱効果を高めるためにハンドルに装着されているのが、専用設計のナックルバイザー。コンパクトながら防風効果が高く、寒波到来の早朝でも、夏用グローブだけで1時間の通勤ライドを快適に過ごすことができた。
原付2種スクーターとしてクラス唯一(2011年10月1日現在)と言われるシートヒーターもリミテッド専用装備。暖かさを感じるまで少し時間が必要だが、温まればこれも効果抜群。腰の辺りまで暖かさが上がってくるように感じられた。なお、試乗時はあえてジーンズ1枚のみ。さすがに太もも前面などは冷えるのだが、おしりや太もも裏側が暖かいため、会社に到着後に冷えが残ることもなかった。こうした装備がメーカー純正で装着済みというのもありがたいこと。価格はアドレスV125Sベーシックに比べて約30,000円アップだがコストパフォーマンスは高いと感じた。
速さ、安定性、良好な操作性
三拍子揃った「通勤特急」の実力
アドレスV125Sの外観的特徴は、そのコンパクトなボディにある。信号待ちで同クラスのスクーターが並ぶと、高校生の列に小学生がまぎれた印象さえ受ける「体格差」があるのだ。実は、この車格に惑わされ、私は間違った認識を持っていた。それは「大きなボディ=安定した走り」という先入観からくる誤解で、ボディが小さいから安定性は望めないのではというものだ。そんな誤解を、アドレスV125Sリミテッドは走りで瞬時に拭い去ったのである。
「このボディサイズで、なぜこれほどドッシリと走れるのだろうか」が、走り出してすぐに得た感想だ。ややスピードが出た状態であえてハンドルを左右に振ったりもしたが、車体がブレる間もなくハンドルはピタッとまっすぐに戻る。小柄だから不安定なんてとんでもない。驚くべき直進安定性をもったマシンなのだ。加えて、前後タイヤの接地感が高いことも印象的。タイヤがしっかりと路面を掴んでいるように感じるこの足回りの素晴らしさは、このマシンを日常の足として利用する多くのライダーにとって無意識の安心感につながっていると思う。発売直後から人気車種として多くのライダーに愛され、進化を続けてきたマシンだからこそ到達できる唯一無二の走行性能を感じることができた。
もちろん、秀逸な足回り性能は直進以外でも発揮される。極低速時のハンドルの切り返し安定度も高い。極低速で発生している絶妙な駆動力とあいまって、障害物の間を右へ左へとあわただしく針路変更するシチュエーションでも、ギクシャクすることなく行きたい方向にスルスルと進むのだ。これだけの安定性を実現しながら、ハンドル幅はライバル車よりも狭いのも見逃せない点。「通勤特急」という異名は、クラストップレベルの加速性能だけでなく、こうしたコントロール性の高さがあってはじめて得た称号なのだと感じた。

価格 = 282,450円(税込)
熟成されたパワーユニットとディメンションで軽快かつ安定した走りを実現した「通勤特急」。充実のユーティリティに加え、冬も走り続けるライダーをサポートする専用ヒート機能を装備したのが「リミテッド」だ。
■エンジン形式 = 強制空冷SOHC4ストローク単気筒
■総排気量 = 124cc
■最高出力 = 7.3kw〈9.9PS〉/7,500rpm
■最大トルク = 10N・m<1.0kgf・m>/6,000rpm
■燃料供給装置形式 = フューエルインジェクションシステム
■始動方法/点火方式 = キック・セルフ併用式/フルトランジスタ式
■サイズ = 全長1,780×全幅720×全高1,050mm
■シート高 = 750mm
■装備重量 = 103kg
■最小回転半径 = 1.8m
■燃料タンク容量 = 6.3L
■乗車定員 = 2名
■Fブレーキ形式 = 油圧式シングルディスク
■Rブレーキ形式 = 機械式リーディングトレーリング
■Fタイヤサイズ = 90/90-10 50J
■Rタイヤサイズ = 100/90-10 56J
■車体色 = グラススパークルブラック、ソニックシルバーメタリックNo.2、ファントムブラックメタリックNo.2(2012年1月発売)
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バイクブロス・マガジンズ編集部
ノロセエツシ
学生時代はミニモトでの峠遊び、社会人になると宴会目的の過積載キャンプツーリング。さらに10年ほど本気でオフロードレースに取り組むなど、「広く深く」をモットーにバイク遊びをする団塊Jr。スズキGAGから始まったバイク遍歴に派手さはないが、あれこれ乗り継ぎ数十台。乗らないバイクは手元に置かない主義(維持できない現実)を貫き、現在は10年落ちの国産トレールでフラフラ走っている。広告制作畑を20年ほど渡り歩いたのちにWEB編集員となる。