【スズキ バーグマンストリート 125EX 試乗記】迷ったらこれ、間違いなくお薦めの原ツースクーター

掲載日:2023年07月29日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/小松 男

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SUZUKI BURGMAN STREET 125EX

スズキを代表するスクーターラインの一つであるバーグマンシリーズに新たに「バーグマンストリート 125EX」が加わった。高級感がありながらも利便性に富んでいる素晴らしいパッケージングの一台だ。

欧州市場で鍛え上げられた
「バーグマン」の血統を受け継ぐ

2000年代初頭。今は無きスズキ製ビッグスクーター、スカイウェイブシリーズの海外向けモデル名として登場したバーグマン。当時ライバルといえば250ccエンジンを使用するのがほとんどの中、バーグマンは250、400、650ccと大排気量モデルまでラインアップを広げ余裕のある走りをもたらし、それが欧州を中心にヒットを遂げて根付いていった。その後バーグマン125/150と小排気量モデルも用意。上位モデル譲りの高級感ある走りで、これらもまた受け入れられた。ビッグスクーターブームの幕が閉じた日本ではスカイウェイブの名称が使われなくなり、現在では世界的にバーグマンという名称で統一されている。そのバーグマンシリーズに新たに「バーグマンストリート 125EX」が加わった。強豪の多い125ccマーケットでどのようなキャラクターがもたされているのか、実際に試乗テストを行い探ることにした。

スズキ バーグマンストリート 125EX 特徴

歴代バーグマンシリーズ
随一のコンパクトパッケージ

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ブームとなる以前から数台のビッグスクーターを乗り継いでいた私は、スカイウェイブ400が登場した際飛びついた一人だ。やはり排気量が大きいことは走りにも余裕があり、優越感に浸ったことを今でもよく覚えている。モデルチェンジを繰り返しながら現在もバーグマン400としてラインアップされており、実は気になっている一台でもある。ただビッグスクーターブームが落ち着き、さらにグローバルマーケットを視野に入れたモデル開発が活発になったこともあり、スクーター界は全体的に超大排気量を追いかけるのではなく、125~200程度の排気量を好む傾向になってきた。

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そのような中、2014年に登場したバーグマン200は、125ccモデルよりは大柄でしっとりとしたワンランク上の走りを楽しめ、さらに250ccモデルよりも取り回しがしやすいという絶妙なバランスで纏められ、多くの国でヒットモデルとなった。このバーグマン200と共通のシャシーを使ったバーグマン125が海外では売られていたのだが、今回紹介するバーグマンストリート 125EXは新開発されたまったくの別物だ。

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そもそも世界的に見ても125ccクラスの需要は高く推移しており、日本においても原付1種と肩を並べる数に迫っている(2021年度国内販売台数JAMA調べ)。スズキではアドレス125、アヴェニス125に続く3モデル目としてバーグマンストリート 125EXを現行125スクーターにラインアップしたのだ。

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ユーザー視点で考えると、125ccスクーターは他社ライバルモデルも多数ある中、スズキだけでも3種あるとなると選択に悩んでしまうことだろう。そこで、バーグマンストリート 125EXにしっかりと乗り、どのような立ち位置となっているのかを紹介していきたいと思う。

スズキ バーグマンストリート 125EX 試乗インプレッション

上質な乗り味と高い機動力、
コストパフォーマンスの良い一台

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バーグマンストリート 125EXの実車を目の前にしまず思ったのは、バーグマン200がコンパクトなビッグスクーター的なイメージだったのに対し、当該モデルは大柄な原ツースクーターだということだ。どちらの方が良いという話は置いておいて、原ツースクーターとしては立派なボディワークを持っていると言うのが第一印象だ。

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スタンドをおろしてからフラットなフロアボードに足を通して、スタートボタンを押す。ワンプッシュで始動するスズキイージースタートシステムの他に、スズキの二輪車にて初採用となるジェネレーターと兼用のサイレントスターターシステムにより、イージーかつスムーズにエンジンは目を覚ました。ちなみにキックスタートも備わっているのだが、インジェクションコントロールをはじめバッテリー電源を必須とする電子制御が多用される現在のシステムでは、いつ使うものなのだろうかと考えてしまう。

スロットルは少し開けるだけでスルスルと車体を前へと押し出す。一般的なスクーター同様に遠心クラッチとVベルトという駆動系であるので、ワイドオープン時のダイレクト感は薄いが、それでもスロットルワークに対して良くついてきてくれる方だ。ドカンというトルクは無いものの、車速はしっかりと出ており、その証拠にシグナルスタートでライバルモデルよりも頭一つ前に出ることがほとんどであった。

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アイドリングストップ機構も標準で装備する。私はこのアイドリングストップ機能という装備をあまり好まないのだが、バーグマンストリート 125EXではスロットル操作に対してのエンジンスタートがダイレクトに決まり、好印象を抱けるものだった。

高速道路を使うことができないので、東京都東部エリアにある貸出し場所から、都心部を抜けて西側にある多摩エリアまで約60キロの道のりを一気に走破した。交通量の多い市街地ではコンパクトな車体を活かしながら縫うように走り、クルマも少なく車速が乗る郊外では原ツースクーターとしてはしっかりとしたシャシーで優雅にクルーズを楽しめる。時速60キロ前後では雲の上にいるかのように気持ちが良い。

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アヴェニス125とアドレス125では10インチサイズのリアタイヤを採用しているのに対し、バーグマンストリート 125EXは前後12インチのタイヤをセットしている。これがワンランク上の乗り心地を演出するのに結構効いており、スピードの乗る幹線道路でも快適に走ることができる。一方で車体サイズ的にはコンパクトであるからして、狭い路地でもどんどん分け入る気にさせるし、公共駐輪場でもジャストに収めることができる。

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フル液晶ディスプレイは様々なインフォメーションを伝えてくれるし、良く見てみるとブレーキレバーも塗装されているなど、所有欲を満たすような細かいスパイスもあちこちにみられる。アドレス125が27万3900円、アヴェニス125は28万4900円なのに対し、バーグマンストリート 125EXは31万7900円と多少値が張る。しかし、この価格差であれば、むしろお買い得にさえ思えるという完成度の高さと高級感が持たされている。いま私が数ある原ツースクーターの中から一台を選ぶならバーグマンストリート 125EXを推すだろう。

スズキ バーグマンストリート 125EX 詳細写真

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スポーティではありながらもエレガントさが漂うフロントマスク。ヘッドライト、ウインカー、スクリーンの形状など、デザインへのこだわりが感じられる。

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90/90-12サイズのフロントタイヤ。フロントブレーキはシングルディスク。なお前後連動ブレーキが装備されており、左レバーを操作するとリアとフロントのブレーキが同時に作動する。

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センタースタンドとサイドスタンド、どちらも標準で装備する。日常的に使用すると、併設されていることの利便性の高さが良く分かる。タンデムステップは折り畳み式。

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排気量124ccの強制空冷式4サイクルSOHC2バルブシングルエンジンを搭載。最高出力は8.3馬力と十分なパワーを備え、駆動系のセッティングも良いので、低速から高速まで快適。キックスタートも装備している。

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リアタイヤサイズは100/80-12。12インチを採用していることは大きなポイントで、速度を出した時やタンデムライドでその恩恵を感じられた。クイックでありながらしっとりした乗り心地で印象が良い。

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フル液晶ディスプレイは速度計をメインとしながら時計、残燃料計、ODO&トリップ、エンジン温度計、さらにアイドリングストップインジケーターやエコドライブインジケーターなど多岐に渡りインフォメーションをする。

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スズキの二輪車で初となるサイレントスターターシステムを採用。セルモーターを持たずジェネレーターで始動するため、スムーズな始動を実現。ブレーキレバーも塗装するなどディテールもこだわっている。

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左側にはUSBソケットを備える蓋付きインナーボックスを、右側には500ccペットボトルサイズのオープンインナーラックを、さらにセンターにはコンビニフックを備えており、使い勝手は抜群に良い。

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インナーアーチ部分を持たず、フラットなフットボードなので足元の自由度が高く快適。フロントカウル部分とシート間の開きも十分なので、長時間乗っても疲れにくい。

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シート高は780mmで、多くの原ツースクーターと同等と言える高さだ。シート全体のクッション性が良く乗り心地は快適。タンデムではパッセンジャーから楽だという感想を聞いた。キャリアも標準で装備する。

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シート下のトランクスペースは21.5リットルと大容量。前方の左右にヘルメットホルダーを装備する他、ジェット型ヘルメットは難なく収まった。給油口もシート下で、燃料容量は5.5リットルとなっている。

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シート前方にもフックが備わっている。落下を防ぐストッパーが付いているので安心して使うことができる。

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リアサスペンションはモノショックタイプ。プリロード調整機構などは備えていないが、ソロライドでもタンデムでも乗り心地、ハンドリング共に良い印象を受けた。

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