【Page8】コイルの巻き数アップで安定感のある12V化を実現!

掲載日:2009年12月14日 特集記事電気いじりはコワクナイ!    

記事提供/2009年6月1日発行 モトメンテナンス No.83

コイルの巻き数アップで安定感のある12V化を実現!
  • これまでに何台もの12Vコイルを作っているだけあって、ポリウレタン線に緩みや隙間もなく見事に300回以上巻き終えた。これで6Vとおさらばできるなんて最高だ。

    これまでに何台もの12Vコイルを作っているだけあって、ポリウレタン線に緩みや隙間もなく見事に300回以上巻き終えた。これで6Vとおさらばできるなんて最高だ。

  • コイルに巻く線は、かつては茶褐色のエナメル線が主流だったが、現在はポリエチレンやポリウレタン樹脂の被膜の方がポピュラー。樹脂色が無色のため、明るい銅線色に見えるのが特徴。

    コイルに巻く線は、かつては茶褐色のエナメル線が主流だったが、現在はポリエチレンやポリウレタン樹脂の被膜の方がポピュラー。樹脂色が無色のため、明るい銅線色に見えるのが特徴。

  • コイルのほぐれを防止するために緩み止めを施す。本格的な製品として考えたら樹脂コーティングなどを行うのだろうが、一品仕事なのでどんな方法でも構わない、と笹崎さん。

    コイルのほぐれを防止するために緩み止めを施す。本格的な製品として考えたら樹脂コーティングなどを行うのだろうが、一品仕事なのでどんな方法でも構わない、と笹崎さん。

  • ある程度の伸縮性と耐熱性があるテープとして利用しているのが、運動時の突き指防止用などで使うテーピング用テープ。キャンバス地に粘着剤が塗布してあり、具合がいいのだ。

    ある程度の伸縮性と耐熱性があるテープとして利用しているのが、運動時の突き指防止用などで使うテーピング用テープ。キャンバス地に粘着剤が塗布してあり、具合がいいのだ。

  • 巻き始め部分と同じように、コイルの一番外側で巻き終わる部分のポリウレタン線にも保護チューブをかぶせて完成。テーピング用テープを巻くと、どことなくクラシックな見た目になる。

    巻き始め部分と同じように、コイルの一番外側で巻き終わる部分のポリウレタン線にも保護チューブをかぶせて完成。テーピング用テープを巻くと、どことなくクラシックな見た目になる。

  • コイルベースの配線とつなぐため、先端の被覆を剥く。エナメル線の場合、カッターの刃先や目の細かいサンドペーパーで擦るが、ポリウレタン線はハンダごてを軽く当てると溶けるので楽。

    コイルベースの配線とつなぐため、先端の被覆を剥く。エナメル線の場合、カッターの刃先や目の細かいサンドペーパーで擦るが、ポリウレタン線はハンダごてを軽く当てると溶けるので楽。

  • コイルをコイルベースから外す時に切断した配線をつなぎ直しておく。このコイルでは、CDI用のソースコイルからの一端がチャージコイル側にハンダ付けされていた。

    コイルをコイルベースから外す時に切断した配線をつなぎ直しておく。このコイルでは、CDI用のソースコイルからの一端がチャージコイル側にハンダ付けされていた。

  • リングスリーブという金具を使って、コイルと車体側の配線を圧着固定する。2本の線がしっかりつながったことを確認したら、補強のためにちょっとだけハンダを落としておく。

    リングスリーブという金具を使って、コイルと車体側の配線を圧着固定する。2本の線がしっかりつながったことを確認したら、補強のためにちょっとだけハンダを落としておく。

  • クランクシャフトに擦ったり、クランクケースとの間に線を挟まないように注意しながらコイルベースを復元する。テープが白い以外は、分解前と変わらないさり気ない見た目がいい。

    クランクシャフトに擦ったり、クランクケースとの間に線を挟まないように注意しながらコイルベースを復元する。テープが白い以外は、分解前と変わらないさり気ない見た目がいい。

  • スタンダードな6V電装の場合、チャージコイルとライティングコイルの一端はクランクケースにボディアースされている。そうした機種では、クランクケースのアーシングが効果的なのだ。

    スタンダードな6V電装の場合、チャージコイルとライティングコイルの一端はクランクケースにボディアースされている。そうした機種では、クランクケースのアーシングが効果的なのだ。

  • 笹崎さんのポッケは大改造車なので、12V-3Ahのバッテリーはステンレス板でケースから自作して搭載。それでもサイドカバーは装着できるようになっている。

    笹崎さんのポッケは大改造車なので、12V-3Ahのバッテリーはステンレス板でケースから自作して搭載。それでもサイドカバーは装着できるようになっている。

  • レギュレートレクチファイアはカワサキGPZ250用。整流&制御された12Vの出力は、ヒューズを介してバッテリーにつなぐ。三相交流発電用の部品なら、入力線3本のうち2本を使う。

    レギュレートレクチファイアはカワサキGPZ250用。整流&制御された12Vの出力は、ヒューズを介してバッテリーにつなぐ。三相交流発電用の部品なら、入力線3本のうち2本を使う。

 

巻き直しによってコイルの発生電圧を上げる方法で6V車を12V化する笹崎さん。細いポリウレタン線を300回も巻き付けるのは「慣れてしまえば、そんなに面倒ではないですよ」とのことだが、配線をつなぎ替えたり、何かのパーツをポン付けするような手軽さはない。では、そうした手間を掛けてまでどうして12V化したいのか。

 

笹崎さんにとっての12V化の第一の利点は、6Vよりも12Vの方がバッテリーの選択肢が広いことだそう。確かに、60~80年代には6Vでもさまざまな容量と形状があったが、現在市場で流通している6Vバッテリーは標準的なものに統合されつつあって、ちょっと変わったサイズだと突然値段が高くなってしまう。バッテリーケースの改造など朝飯前の笹崎さんだが、わざわざサイズ違いの6Vを収めるための改造をするなら、形状や容量を幅広い中から選べる12Vバッテリーの方が良いというわけだ。

 

また、レギュレータを持たない6V車の充電の不安定さを解消し、バッテリーメンテナンスの手間を省けるのもメリットである。笹崎さんはメンテナンスフリーバッテリーを搭載しているから、なおさら楽だ。すべての発電電圧をバッテリー充電に回し、ヘッドライトやテールライトもバッテリーで点灯する方式では、エンジンを掛けなくてもヘッドライトが点灯する。うっかりすると放電過多に陥りそうで心配かもしれないが、30分ぐらい点けっぱなしでも上がらない容量のバッテリーを選択しているという。なお、新規で追加するレギュレートレクチファイアは250ccクラスの三相交流発電車用、笹崎さんはカワサキGPZ250のものを好んで用いている。アイドリングから高回転域までヘッドライトやウインカーが安定して作動する様子を見ると、やっぱり6Vより12Vの方が断然イイ!! と実感するはずだ。

 

 

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