CRF直系! 異例のストリートモデル「ホンダCRF450L」徹底解剖/その2 車体各部を徹底解説! フォトTOPICS

CRF直系! 異例のストリートモデル「ホンダCRF450L」徹底解剖/その2 車体各部を徹底解説!

掲載日:2018年09月14日 フォトTOPICS    

取材協力/本田技研工業株式会社
Text / Ryo Tsuchiyama  Photo / Honda,Ryo Tsuchiyama

CRF450Lの各部をじっくり解説

2018年9月20日に発売されるホンダCRF450Lは、モトクロッサーのCRF450Rをベースとして公道走行に必要な保安部品等を追加した本格オフロードモデルだ。

<CRF直系! 異例のストリートモデル「ホンダCRF450L」徹底解剖>特集の第一弾では、開発責任者のインタビューを交えてCRF450Lの概要をお伝えしたが、第二弾となる今回はエンジンや足周りなど各部を細かく解説していこう。

ホンダCRF450Lの詳細写真:フロント周り、エンジン、冷却関係

あらためてスタイリングをチェック。基本骨格はCRF450Rそのままだが、フロントとリアには灯火類を装備して公道走行に備える。

装備品の追加は必要最小限に留められており、競技専用車CRF450Rのシャープなフォルムはキープされている。販売価格は129万6,000円(税込)で、2018年9月20日発売。

フロントホイールは21インチで、リムは前後ともにD.I.D(大同工業)製のDirt Star(ダートスター)を履く。ブラックアルマイト仕上げのリムで足元は引き締まった印象だ。OEMタイヤはIRCのTRAIL STAR GPで、サイズは80/120-21。

SHOWA製倒立フロントフォークのインナーチューブをガードするプロテクターは、スリットが設けられたCRF450L専用品となる。

フロントハブはCRF450Rと共通。ハブ外側に見えるダストシール(黒い樹脂部品)もCRF450Rと同じものだ。

SHOWA製のフロントフォークにはCRF450R同様に調整機構も装備している。フォークは左右ともにスプリング式となる。

こちらはトップブリッジ側の調整。基本的にCRF450Rと同じサスペンションユニットだが、CRF450L用はセッティングが異なっている。

ブレーキローターには樹脂製のカバーが装着されている。ローターについてはCRF450Rよりも厚みを5mm増やした専用品を採用している。

キャリパーはNISSIN製。CRF450R用と同じようにも見えるが、CRF450Lは公道用ということもあり、熱容量を考慮して専用品をセットしている。また、マスターシリンダーについてもフルード容量を拡大している。ブレーキライン脇に見える黒い配線はスピードメーター用のもの。

CRF伝統のUNICAM式バルブ駆動を用いるエンジンは、CRF450Lでは最大出力18kW(24ps)/7,500rpm、最大トルク32Nm(3.3kgf)/3,500rpmを発生する。公道用モデルとしての耐久性も考慮してCRF450Lのピストンは3本リング仕様。燃焼室は形状が変更されており、CRF450Rでは13.5:1だった圧縮比はCRF450Lでは12.0:1へと落とされている。ただ、ガソリンは無鉛プレミアム(ハイオク)指定で変わらず。

CRF450Lではラジエーターに電動ファンが追加されている関係で、シリンダーヘッド脇には冷却水のサーモスタットと制御弁が設けられている。連続走行や信号待ちなど水温が一定ラインを超えると電動ファンが作動する。CRF450Rにはない装備だ。

こちらはウォーターラインのみのCRF450Rのシリンダー。シリンダー含め多くのパーツを共用しているだけあって、わずかな追加工でCRF450L用の補機類が装着できるような鋳物にも見える。

エンジン全体図の比較。左がCRF450Lで右がCRF450Rだ。前述したサーモスタット周辺に加えて、エンジン右前のウォーターポンプにも違いがあり、CRF450Lではポンプから3本のウォーターラインが出ている。また、CRF450Rではクラッチハウジングだけを覆う樹脂カバーは、CRF450Lではクランクケース全体を覆っている。開発責任者の内山さんの話によれば、これは主に騒音対策だという。CRF450Lの開発にあたって騒音対策はとても苦労した部分だとか。

エキゾーストパイプの根元には、O2センサーが装着されている。排ガス規制をクリアするためには欠かせない装備のひとつ。なお、CRF450Lはユーロ4の排ガス規制に適合している。

アルミフレームの下部には大型の樹脂製スキッドガードを装備している。少し見辛いが、CRF450RとCRF450Lではエンジンハンガーの形状を微妙に変更しているそう。

こちらはエンジン左側。エンジン右側同様にクランクケースには騒音対策として大型の樹脂カバーが装着されている。ドライブスプロケットガードもCRF450Rとは違ってフルカバータイプ。CRF450Lでは専用開発の6速ミッションを採用しているが、CRF450Rより1速多いミッションを収めるに当たってクランクケースを新造。ケース幅がわずかに拡大したため、フレーム内側をわずかに削ってエンジンを搭載したとのこと。また、フレームのスイングアームピボット周辺には内部にウレタンを注入し、騒音を軽減する工夫を施している。

公道用の装備として、シリンダーの後方にはチャコールキャニスター(大気汚染防止装置)を配置している。

ドライブスプロケットカバーにはエンジンオイルに関するコーションデカールが貼られている。ホンダが発表したメンテナンスサイクルでは「1,000kmまたは4ヶ月毎に交換」と指定されているエンジンオイルは、ホンダウルトラG1が推奨されている。以下はデカール記載内容。・エンジンオイル全容量1.45L ・オイルフィルター交換時1.15L ・オイル交換時1.10L

ラジエーターは車体左右に1枚ずつレイアウトされている。

車体左側のラジエーターは右側のラジエーターよりも容量が大きい。上部にはホーンがセットされている。

容量の大きな左側のラジエーターにのみ、電動ファンが装着されている。CRF450L専用装備。

左側のラジエーター下には冷却水の注入口がある。冷却水は3年毎の交換が推奨されている。

ラジエーターキャップは右側ラジエーターの上部にある。圧力は1.1kg/cm2。

ホンダCRF450Lの詳細写真:リア周り、外装、灯火類、コクピット他

アジャスタブル式のリアサスペンションもCRF450Rと共通だがセッティングは異なる。

リアサスペンションの圧側調整用のネジは車体左側に。

CRF450Lのリアサスリンク部。もちろんプロリンク式だ。

こちらはCRF450Rのリアサスリンク部。見た目にはCRF450Lとほぼ同じと言って良いだろう。リンク部含めCRF450R用のアフターパーツも数多く流用できそうだ。

ステップはワイドペグを採用しており、オフロードブーツを履いてもしっかりとグリップしてくれそう。

CRF450Rではリアタイヤサイズは120/80-19と19インチを採用しているが、CRF450LではエンデューロモデルCRF450RXと同じリア18インチとなる。タイヤサイズもCRF450RXと同じ120/80-18となる。

CRF450Lの前後リムにはエアバルブから120度の位置に2ヶ所ビードストッパー取り付け用の穴が設けられているが、新車の状態ではゴム製のグロメットで塞いである。

スイングアームにはタイヤ空気圧・チェーン遊びに関するコーションデカールが貼られている。タイヤの指定空気圧は150kPa(1.50kgf/cm2)。CRF450Lはもちろん一人乗り仕様である。チェーン遊び最大幅は30mm。

ユーロ4の排気ガス・騒音規制に適合したサイレンサー。CRF450Rでは左右2本出しだが、CRF450Lでは右1本出しとなる。開発の段階では排気音と同様に、吸気音の低減にもかなり苦労したという。

リアフェンダー裏全体には樹脂製のインナーフェンダーが装着されている。また、アルミシートレールはCRF450Lの専用品だ。

ナンバープレートステーはアルミ製。重量増を極力抑えるため、肉厚の薄いアルミ材を使用している。

テールランプ、ウインカーともにLED灯を採用している。テールランプユニットはグロムからの流用だ。

テールランプのハウジングから直接伸びるウインカー。前後のウインカーは転倒しても折れないようにフレキシブルなステーを採用している。写真のように90度近く曲げてもステーは折れない。オフロードバイクとしては嬉しい装備だ。

チェーンカバー、ガード、スライダーはCRF450Lの専用品。チェーン周りの騒音対策にもかなり苦労したそうで、CRF450Lに使われているチェーンスライダーの樹脂はCRF450Rよりも硬い材質をチョイスしたそう。さらにスイングアームとスライダーの間にはスポンジを貼り込んで騒音を軽減している。CRF450Rと共通のリアハブはハブダンパーレスとなる。開発責任者の内山さん曰く、スロットルを開けた時のダイレクト感を重視した結果だとか。

シートベースはCRF450Rと共通だが、CRF450Lでは座面がわずかにえぐれている。シートを取り外す時は、シート後端の左右のナットを緩める。

バッテリーはCRF450R同様に、軽量コンパクトなリチウムイオンバッテリーを使用する。

アルミ鍛造製のサイドスタンドはしっかりした作り。CRF450Lはナンバー付きモデルのため、サイドスタンドスイッチも搭載されている。

スタンドを払うとここまで跳ね上がる。海外製のオフロード&エンデューロモデルでは、スタンド接地面が離れた瞬間にスタンドが跳ね上がるオート式を採用するモデルも多いが、CRF450Lではオート式ではなく、一般的な跳ね上げ式としている。

CRF450Lのために新たに設計されたチタン製ガソリンタンク。容量は7.6Lまで拡大されている。

CRF450RとCRF450Lのガソリンタンクを同じ角度から比較してみる。こちらはCRF450Lのガソリンタンク。容量を増やしてはいるものの、左右シュラウドの幅はエンデューロモデルのCRF450RXと同じ幅に抑えてあるという。

こちらは容量6.3LのCRF450Rのタンク。CRF450Lとの違いがよくわかるはずだ。

極めてシンプルなメーターは速度、時刻、トリップを表示できる。もちろんタコメーターはない。

キーシリンダーの増設やメーターマウントの追加のために新規で設計されたトップブリッジ。上面に入るHRCロゴはレーサー直系の証。ナンバー付きモデルでHRCロゴが入るモデルは数少ない。

左側スイッチボックスは、上からハイビーム・ロービーム切り替え/ホーン/ウインカーと極めてシンプルな作り。ハザードの設定はない。

右側スイッチボックスはキルスイッチとセルボタンのみとこちらもシンプル。フロントブレーキのマスターシリンダーはCR450Rよりもフルード容量を増やしているという。

ナンバー灯を含めてすべての灯火類にLED灯を採用している。ヘッドライトのLEDは高輝度の1枚タイプを使用しているが、これもヘッドライトの幅を最小限に抑えるためだという。明るいヘッドライトは薄暗い林道でも威力を発揮してくれそうだ。

外装グラフィックにはインサートフィルム成型と呼ばれる方式を採用し、キズに強い仕様としている。

多くのオフロードバイクファンの期待を一身に背負って登場するCRF450L。モトクロッサー直系のテクノロジーを公道で堪能できる稀有な存在だ。実際の乗り味については10月5日発売のオフロード専門誌「GARRRR」をはじめ、ここでもあらためてご紹介する予定だ。乞うご期待!

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