ポンコツオフ車再生プロジェクト

【Vol.11】リム組みに挑戦したい~後編~

掲載日:2009年10月28日 ポンコツオフ車再生プロジェクト    

ボロボロ&安価になった2ストマシンに手を加え、思いっきりダートを走り倒そう! というのがこのコーナーの提案する2ストマシンの楽しみ方。ガルル編集スタッフのクラモチが所有するカワサキの名車KDX200SRをレストアし、最終的にはなにかしらのレースに出場することを目指す。それが『パンパン2ストリバイバル』なのだ!

再生への道のり

詳細写真やってみなけりゃ気付かないことも…とりあえずはカタチになりました

世の中には2種類のスポークしかない。ハブの外から刺すものか、内側から刺すものかだ。もしこんな台詞をどこかで耳にしていれば、あれだけの苦労をしなくて済んだのに…。

前回からリム組み作業を続けています。固着したニップルはどうしようもなさそうだったので、ディスクグラインダーでスポークを切断。ようやくリム、ハブ、スポーク(新品)という「いかにもリム組み」なセットがそろいました。あとはこれらをハメるだけか。ぶっちゃけプラモデルみたいなもんでしょ。

なーんてタカをくくっていたのが大間違い。正直、超・悩んじゃいました。スポークが2種類あるのに気づかずに、手に触れたものからテキトーにサクサク穴に入た結果、いざリムをあてがう段階になってから、スポークとリムの穴があまりに対応しないので頭の中は「?」マークのお花畑状態。

「やっぱりシロートが手を出しちゃいけなかったんだ…」とガックシ肩を落としながらスポークを抜き抜き。ところが、それらをよく見ていると、なんと、微妙に長さが違うじゃないか! 色も微妙だけどちょっと違う。「そーんなのぉ常識~♪」と歌われるかもしれないけど、これに気がついたときはもうウロコ from 目!

その後は迷うことなく作業も進み、あっという間にリム組み完成! はじめての作業にしてはけっこうしっかり出来た感触がある。あとはプロのバイクショップでバランス取りをしてもらい、どのくらいの精度に仕上がっているかチェックしてもらおうと思います。

今回の再生作業

刺して抜いて、また刺して…挑戦することに意味がある!?

慣れないディスクグラインダーを使ってサビついたスポークをチュインチュインと切り落とします。切断専用のディスクじゃなくてもなんとかなるものなんですね。火花がすごい。

慣れないディスクグラインダーを使ってサビついたスポークをチュインチュインと切り落とします。切断専用のディスクじゃなくてもなんとかなるものなんですね。火花がすごい。

これがそのサビサビスポーク。多少手荒なことをしてしまったので残骸は見るも無惨。それにしても、この段階でアレに気がついていれば、後であんなに苦労しなくてすんだのに…。なんのことかは後でわかります。

これがそのサビサビスポーク。多少手荒なことをしてしまったので残骸は見るも無惨。それにしても、この段階でアレに気がついていれば、後であんなに苦労しなくてすんだのに…。なんのことかは後でわかります。

ようやくリム、ハブ、スポーク&ニップル(ともに新品)の準備が整いました。そうです、リム組みってここからの作業のことを言うんです。古いバイクって余計なことに時間とられちゃったりするものです。

ようやくリム、ハブ、スポーク&ニップル(ともに新品)の準備が整いました。そうです、リム組みってここからの作業のことを言うんです。古いバイクって余計なことに時間とられちゃったりするものです。

この機会にリムをぴかぴかに、なんて洒落たことはしません。表面のサビも見て見られぬほどひどい状態でもないしさっ♪

この機会にリムをぴかぴかに、なんて洒落たことはしません。表面のサビも見て見られぬほどひどい状態でもないしさっ♪

ディスクローターを外そうとするも、劣化したボルトのネジ山はやわらかく、プラスドライバーでは簡単にナメてしまった(左側)。インパクトドライバーの登場を待たずともリム組み作業は出来るので、とりあえずこのまま作業を続ける。

ディスクローターを外そうとするも、劣化したボルトのネジ山はやわらかく、プラスドライバーでは簡単にナメてしまった(左側)。インパクトドライバーの登場を待たずともリム組み作業は出来るので、とりあえずこのまま作業を続ける。

リム組みの手順もわからないまま「スポークはめてきゃいいんでしょ」と軽いノリでスタート。穴に棒を入れるだけのシンプル作業なのでなんの苦戦もしません。鼻歌は安室奈美恵の『Body Feels EXIT』

リム組みの手順もわからないまま「スポークはめてきゃいいんでしょ」と軽いノリでスタート。穴に棒を入れるだけのシンプル作業なのでなんの苦戦もしません。鼻歌は安室奈美恵の『Body Feels EXIT』

ハブの両側にそれぞれ18本ずつスポークをはめた状態。ここまではとてもあっさり。「リム組みはやってみたら意外とカンタン」ってどこかで読んだ記事に納得。鼻歌はSPEEDの『ALL MY TRUE LOVE』

ハブの両側にそれぞれ18本ずつスポークをはめた状態。ここまではとてもあっさり。「リム組みはやってみたら意外とカンタン」ってどこかで読んだ記事に納得。鼻歌はSPEEDの『ALL MY TRUE LOVE』

あとはリムに空いた穴にスポークの位置を合わせるだけ。しかしこれがてんでうまくいかない。中には、同じリムの穴に向かって2本のスポークが伸びるなんて事態も。鼻歌はさだまさし『北の国から』

あとはリムに空いた穴にスポークの位置を合わせるだけ。しかしこれがてんでうまくいかない。中には、同じリムの穴に向かって2本のスポークが伸びるなんて事態も。鼻歌はさだまさし『北の国から』

ひっちゃかめっちゃかに差し込んだスポークをいったんすべて外し、冷静になって考えてみる。なにがおかしいのか理由がわからない。いろいろ手を動かしているうちに、ようやくある事実に気がつきました! それは…

ひっちゃかめっちゃかに差し込んだスポークをいったんすべて外し、冷静になって考えてみる。なにがおかしいのか理由がわからない。いろいろ手を動かしているうちに、ようやくある事実に気がつきました! それは…

「このスポークって2種類あるんじゃないの?」作業前に注文した品物を全部床に広げたから気づきませんでした。両者のあいだには長さ2ミリくらいの差があります。さらによく見ると、スポーク表面の色・輝きもシルバー系とゴールド系で区別されているようです。鼻歌は『世界ふしぎ発見!』のオープニングテーマ

「このスポークって2種類あるんじゃないの?」作業前に注文した品物を全部床に広げたから気づきませんでした。両者のあいだには長さ2ミリくらいの差があります。さらによく見ると、スポーク表面の色・輝きもシルバー系とゴールド系で区別されているようです。鼻歌は『世界ふしぎ発見!』のオープニングテーマ

そーいやニップルも2種類あったのでした。アタマのかたちが違い、やはり表面の色が違います。ここは無難にシルバーのスポークとニップル、ゴールドのスポークとニップル、それぞれが対応してると読み、作業を再開。

そーいやニップルも2種類あったのでした。アタマのかたちが違い、やはり表面の色が違います。ここは無難にシルバーのスポークとニップル、ゴールドのスポークとニップル、それぞれが対応してると読み、作業を再開。

それからは本当にあっという間に組み上げることが出来ました。正しいものを正しい場所に組むときは、ちょっとした違和感とか抵抗が一切無いんですね。全体を見つつニップルを締めていったつもりですが、なんせ初めての作業なのでバランス取りのチェックはプロにお願いすることにしましょう。とりあえず、リム組み完成~!

それからは本当にあっという間に組み上げることが出来ました。正しいものを正しい場所に組むときは、ちょっとした違和感とか抵抗が一切無いんですね。全体を見つつニップルを締めていったつもりですが、なんせ初めての作業なのでバランス取りのチェックはプロにお願いすることにしましょう。とりあえず、リム組み完成~!

エンデューロレーサーKDX200Rの公道バージョンとして1989年に発売されたKDX200SR。水冷2ストロークエンジン・排気デバイスKIPSを装備し、35PSを発揮するパワフルかつ従順なエンジンが当時のオフロードライダーを魅了した。89年の初期型モデルのみ正立フォークを採用しており、リアには現代のモトクロッサーと同じ19インチタイヤを履く。現在、中古市場ではタマ数少なめの稀少車種となっている。
スペック

■エンジン形式 = 水冷2ストローク ピストンリードバルブ単気筒

■ボア×ストローク = 66×58mm

■最大トルク = 3.2kgf・m/7,500rpm

■変速機形式 = 6段リターン

■サイズ(全長×全幅×全高) = 2,175×855×1,225mm

■燃料タンク容量 = 9.5L

■ブレーキ = 油圧式シングルディスク(前後)

■タイヤサイズ = フロント80/100-21 リア100/90-19

■総排気量 = 198cc

■最高出力 = 35PS/8,000rpm

■キャブレター = KEIHIN PE28

■ホイールベース = 1,445mm

■シート高 = 885mm

■乾燥重量 = 107kg

■新車時本体価格 = 38万9,000円

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