ポンコツオフ車再生プロジェクト

【Vol.02】かかる?かからない?エンジン始動までの序章

掲載日:2009年01月27日 ポンコツオフ車再生プロジェクト    

ボロボロ&安価になった2ストマシンに手を加え、思いっきりダートを走り倒そう! というのがこのコーナーの提案する2ストマシンの楽しみ方。ガルル編集スタッフのクラモチが所有するカワサキの名車KDX200SRをレストアし、最終的にはなにかしらのレースに出場することを目指す。それが『パンパン2ストリバイバル』なのだ!

再生への道のり

かかる? かからない?エンジン始動までの序章

今回で2回目となります当プロジェクトですが、約5年放置、そして約20年落ちの2ストバイクをいじってます。なんとか復活させて、現役のバイクたちといっしょにレースで走らせてあげたいのですが、なかなか現実は厳しいものです。

さて、今回は先月見つけてしまったキャブレターの腐ったガソリン事情のあたりを掘り下げてみました。前回は簡単なチェックのために中をのぞいてみたキャブでしたが、やはり、というか、内部にはガソリンが腐ったものがドス黒く居座っていたのでした。燃料が通る箇所ですから、これではまずいということになりまして、今回はしっかり全部バラし、ていねいにクリーナーで吹きました。

と、その中で驚くべき発見が。前述のドス黒い部分、何度クリーナーを吹いても一向に落ちる気配がなかったため、マイナスドライバーですくい取ろうとしたんです。ところが、ドライバーの先端がとらえた感触は意外にも、「ガシッ」。ガソリンをそのまま放置していると腐る、という話はよく聞きますが、こんなに硬いものに変質してしまうなんて。ちなみにドス黒は繊維質のようなボソボソとした感じでした。ヌメッとした印象を受けていたのですが。

さらに今回は、外装系にもちょっと触れました。古いバイクらしく日に焼けて白くなってしまったプラスチック外装ですが、ふと「これって中は昔のままの色なのかな」という疑問がわいてきたんです。ものは試しとサンドペーパーで削ってみました。まずは粗めのペーパーでゴシゴシ。けっこう深く削れまして、中からは、このバイクが発売された当時はこの色だったんだろうなあ、と思わせる鮮やかなカラーが顔をのぞかせました。ただ、粗めのペーパーを使ってやすっているため、外装の表面はザクザク。これを目の細かいペーパーでならしていきます。こだわり派の人はコンパウンドでていねいに仕上げるのがいいかもしれません。なかなかに根気のいる作業です。

ほかにも保安部品を取っ掃っちゃったり、こまごまと作業を進めていますが、やっぱりエンジンがかからないことにはどうにも。次回、なんとかしてみなさんにパンパンという音をお届けしたいと思います。

今回の再生作業

ヌメヌメはヌメヌメではなかった!キャブのオーバーホールで燃料の通路を確保する

前回、日本全国を震撼させたキャブ内の腐ったガソリン。その見た目から「ヌメヌメ」と判断してしまったが、実際はドライバーでようやくそぎ落とせるくらいのコチコチ具合!

前回、日本全国を震撼させたキャブ内の腐ったガソリン。その見た目から「ヌメヌメ」と判断してしまったが、実際はドライバーでようやくそぎ落とせるくらいのコチコチ具合!

キャブのオーバーホールって久しぶりにやるから、念のためサービスマニュアル片手に作業しました。KDXの場合はレーサーのRと共通事項が多いです

キャブのオーバーホールって久しぶりにやるから、念のためサービスマニュアル片手に作業しました。KDXの場合はレーサーのRと共通事項が多いです

各部品にくまなくキャブレタークリーナーを吹く。フロート室のガソリンが腐って固まっている部分をのぞいて、特に目詰まりしているような箇所はなかった

各部品にくまなくキャブレタークリーナーを吹く。フロート室のガソリンが腐って固まっている部分をのぞいて、特に目詰まりしているような箇所はなかった

エンジン始動のための重要なキーとなるキャブレター。今回は全バラにして診察しました。モットーは、「不安要素を残さない!」です

エンジン始動のための重要なキーとなるキャブレター。今回は全バラにして診察しました。モットーは、「不安要素を残さない!」です

腐ったガソリンがヌメヌメ…

プラスチック外装が日に焼けて白っぽくなっていたので、サンドペーパーをかけてみた。最初は粗めのペーパーで、じょじょに細かいペーパーで……と繰り返した結果、外装パーツ本来の色ツヤを取り戻した! ただし全部分やるとなると根気が必要だね

今回はフロントフェンダーの部分でトライしてみた。ここには、以前ステッカーが貼ってあったと見られ、日焼けした部分との差がわかりやすい。さて、実際にペーパーをかけた部分だが、中から本来の素材の色があらわれてきて、色あざやか。ただし、その粗く削れた部分をなめらかに戻すため、細かいペーパーで繰り返しやするのがちょい面倒かも

レースに向けて保安部品は取っちゃえ!レースに向けて保安部品は取っちゃえ!

この企画の最終目標は、レース参戦。なら、保安部品は取っ払っちゃおうか! ということで、フロントライト、テールライト、ウインカー、ミラー、ホーンなどを外しました。身軽になったKDXクン。これで機嫌直してくれて、エンジンがかかるようになればいいんだけど…

次回予告

次回予告ようやくエンジン始動か?

正直、もうエンジン始動のネタでひっぱるのはイヤです。でもやってみるとわかるんですけど、これが一番大変なことなのかもしれないです。エンジンさえかかっちゃえば、あとはこっちのものなんだけどな~。

エンデューロレーサーKDX200Rの公道バージョンとして1989年に発売されたKDX200SR。水冷2ストロークエンジン・排気デバイスKIPSを装備し、35PSを発揮するパワフルかつ従順なエンジンが当時のオフロードライダーを魅了した。89年の初期型モデルのみ正立フォークを採用しており、リアには現代のモトクロッサーと同じ19インチタイヤを履く。現在、中古市場ではタマ数少なめの稀少車種となっている。
スペック

■エンジン形式 = 水冷2ストローク ピストンリードバルブ単気筒

■ボア×ストローク = 66×58mm

■最大トルク = 3.2kgf・m/7,500rpm

■変速機形式 = 6段リターン

■サイズ(全長×全幅×全高) = 2,175×855×1,225mm

■燃料タンク容量 = 9.5L

■ブレーキ = 油圧式シングルディスク(前後)

■タイヤサイズ = フロント80/100-21 リア100/90-19

■総排気量 = 198cc

■最高出力 = 35PS/8,000rpm

■キャブレター = KEIHIN PE28

■ホイールベース = 1,445mm

■シート高 = 885mm

■乾燥重量 = 107kg

■新車時本体価格 = 38万9,000円

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