ソケットツールのバリエーション その2

掲載日:2010年11月24日 バイク基本整備のイロハ工具の使い方実践    

ソケットツールのバリエーション その2

バイクに使われているビスやボルト、ナットを緩めたり締めたりする際に欠かせない工具。カスタムやレストアといった大がかりなバイクいじりだけでなく、日常的な整備やメンテナンス作業でも工具が必要となる場面は多いもの。ここでは、さまざまな工具の種類や使い方の紹介を通じて、楽しくバイクいじりを実践し、トラブルを未然に防ぐテクニックを解説しよう。

ハンドルとソケットのデザインによって
ソケットツールのバリエーションは大きく広がる

駆動工具であるラチェットレンチと先端工具であるソケットの組み合わせによって、はじめて工具として機能するのがソケットツールです。「要素を組み合わせて使用する」という点がドライバーやスパナとは異なりますが、一方ではメーカー違いのレンチとソケットを組み合わせても機能するという特徴もあります。

 

さらにソケットツールならではといえるのが、レンチ部分のデザインが多彩なことです。プラスやマイナスのデザインやサイズの違いはあっても、ドライバーはグリップと先端と両者をつなぐ軸部から構成されるのに対して、ソケットツールのレンチ部分には実に多彩なバリエーションが存在します。

 

最も一般的なソケットツールといえば、T型レンチハンドルとラチェットレンチですが、その2アイテムを挙げても差込角の違いや軸部の長さ、ヘッド部分の首振り機構など、使用環境や使いやすさにこだわった製品が数多くリリースされています。例えば右のTレンチソケットは、ハンドル幅と全長がとてもコンパクトな点が最大の特徴です。ソケットの差込角は1/4でそもそも小さめですが、ハンドル幅80mm、全長140mmとこの手の工具の中ではほぼ最小サイズです。

 

アストロプロダクツから発売されている「1/4DR 3WAY Tレンチソケット付き」は、クロームメッキ仕上げのハンドルとソケットのセットで、軸部先端とともにハンドルの両端にも1/4インチの差し込み部が設けられています。ハンドル幅は80mm、全長は100mmとコンパクトです。

アストロプロダクツから発売されている「1/4DR 3WAY Tレンチソケット付き」は、クロームメッキ仕上げのハンドルとソケットのセットで、軸部先端とともにハンドルの両端にも1/4インチの差し込み部が設けられています。ハンドル幅は80mm、全長は100mmとコンパクトです。

コンパクトな工具は収納性、携行性に優れ、車載工具として使っても便利ですが、ハンドルが短いと大きなトルクが掛けられないという弱点があります。そこでこのTレンチは、長軸側だけでなくハンドルの両端にも差し込み部分を設けて、きつく締まったボルトを緩める時にはハンドルを長くできるわけです。一度緩んでしまえば、あとはソケットを付け替えて本来のT型レンチのように早回しができます。

 

このT型ハンドルと同様に、ひとつの工具で2種類の働きをするソケットツールがあります。下の写真で紹介しているドライバーハンドルは、先端部分はソケットやビットを差し込める形状になっていると同時に、グリップ後部にはラチェットレンチが差し込める四角穴が開けられています。この四角穴にラチェットレンチやスピンナハンドルを差し込めば、ドライバーグリップだけでは回せないような固く締まったボルトやビスに強いトルクを与えることができます。また、早回ししたい時にはソケットを直接指で摘むよりも、ドライバーグリップを介する方が作業効率が良くなることもおわかりいただけるでしょう。

 

これら2つの工具はいずれもラチェット機構を持ってはいませんが、ラチェットレンチだけでは果たせない働きを見せてくれるもので、ソケットツールの利便性を広げてくれると言えるでしょう。

 

セットには8、10、12、13、14mmの5サイズのソケットと、電動工具などにも使用されるビットを使用できるビットホルダーが付属しており、ハンドル側にソケットをセットすれば締めも緩めも強いトルクを加えられます。

セットには8、10、12、13、14mmの5サイズのソケットと、電動工具などにも使用されるビットを使用できるビットホルダーが付属しており、ハンドル側にソケットをセットすれば締めも緩めも強いトルクを加えられます。

これらに対して、一見すると丸形ヘッドのラチェットレンチのように見えながらも特徴的な動きをするのが、下で紹介しているツイストレンチです。一般的なラチェットレンチはハンドルを振ることで差し込み部分のソケットを連続的に回転させますが、このレンチはグリップ部分を軸部に沿って回す、まるでバイクのスロットルを操作するような動作によって差し込み部分が回るのが大きな特徴です。作業環境によって、スパナやめがねレンチはもちろんハンドルを振ることができずラチェットレンチも使えないタイトな状況でこのレンチがあれば、レンチ本体を動かすことなくグリップ操作だけでソケットが回せるため、とても重宝するはずです。バイクのメンテナンスではラチェットレンチすら触れない場面はそれほど頻繁に現れませんが、クルマのエンジンルーム内で作業を行うような場合には活躍できることでしょう。

 

軽作業から重整備にまで使えるソケットツールは、国内外を問わず数多くの工具メーカーから趣向を凝らした製品がリリースされています。作業シーンや好みに応じていろんなメーカーのアイテムを使ってみると、それぞれの特徴が垣間見えてくることでしょう。

作業手順を見てみよう!

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