ドライバーの種類と使い方 その5

掲載日:2011年03月08日 バイク基本整備のイロハ工具の使い方実践    

ドライバーの種類と使い方 その1

ねじを外すという単純な作業を行うために、ドライバーには多様なデザインと膨大なサイズが存在する。キャップボルトやトルクスボルト用のドライバーなど、バイクいじりが好きな人なら1本や2本は持っているものから、いつ、どこで使うんだろうというものまで、ドライバーは見ているだけで楽しめる工具です。

FRPカウルの接合面には
それ相応のドライバーがある

カスタムバイクなどに用いられるFRP製のフルカウル。その取り付け部分やアッパーカウルとサイドカウルの合わせ面などに用いられているねじやファスナーには、ねじ溝が浅いものが多い。中でもザス、ズース(綴りはDZUS)などと呼ばれるクイックリリース式のファスナーは、簡単に着脱できる機能性の高さと、本格的なレーシングムードを盛り上げてくれるアイテムとして重宝されている。

 

このファスナーに刻まれたマイナス溝は浅く、なおかつ溝の底部が緩く円弧を描いているため、通常の幅広ドライバーでは底付きするか、溝を傷つけることが多いことでもよく知られています。そうしたねじやファスナーに適しているのがズースドライバーです。

 

このドライバーはコインドライバーに類する平らで緩やかなアールがついた先端形状が特徴で、これがファスナーのねじ溝の形状にフィットします。同時に、開放型バッテリーのねじ込みしきキャップの着脱にも使えます。有名どころではスナップオン社製がありますが、同様の機能を持ったドライバーはコーケンやファクトリーギアのDEENブランドでも取り扱われています。

 

ストレート社のパイロットスクリュー調整ドライバーは、両端に刃幅の異なるマイナスを持ち、それぞれの先端部は平行に仕上げられています。これがネジ溝にフィットすることで、柔らかい真鍮製ジェットを傷めることなく着脱を可能にしているのです。

ストレート社のパイロットスクリュー調整ドライバーは、両端に刃幅の異なるマイナスを持ち、それぞれの先端部は平行に仕上げられています。これがネジ溝にフィットすることで、柔らかい真鍮製ジェットを傷めることなく着脱を可能にしているのです。

また、スタビタイプのドライバーでも入らないようなクリアランスの狭い場所にあるねじを回すには、クランク形状のオフセットドライバーを用いると便利です。グリップ部がなく、クランク状に曲げられた軸を直接回すため、軸部からのオフセット量が30mmほどしかない製品もあります。ただし、刃先とグリップ部が同一軸状にないため、「押さえながら回す」というドライバーの基本作法が使えないのが弱点で、その結果ガッチリ締め付けられたねじは緩めづらいのですが、これしか使えないという時には絶大な効果を発揮します。

 

一方、ドライバーの中には特定の作業のみに特性を絞った製品も存在します。その一例がストレート社から発売されているパイロットスクリュー調整ドライバーです。この製品はキャブレター内部のジェットの着脱や、エアスクリュー、パイロットスクリューの調整を目的に製品化されたものです。このドライバーの特徴としては、一般的に普及したジェットのマイナス溝に合わせてマイナスの刃先を平行にして、柔らかいジェットの素材にダメージを与えづらくしていることが挙げられます。また、軸を差し替えることで刃先の幅が3.5mmと5mmで使い分けられるのも特徴です。

 

こうしたドライバーは通常のプラスやマイナスに比べて登場の機会は少ないですが、自分のバイクのねじを見回してみて、必要があればあらかじめ揃えておくと良いでしょう。

細めのマイナスドライバーでも対応できるが、ジェット専用に作られたドライバーはフィット感が良い。キャブレター調整を頻繁に行う人なら、是非とも持っておきたい。

細めのマイナスドライバーでも対応できるが、ジェット専用に作られたドライバーはフィット感が良い。キャブレター調整を頻繁に行う人なら、是非とも持っておきたい。

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