【プジョー・ジャンゴ125試乗記事】 魅力はデザインだけじゃない! 走りも乗り味も満足の1台 試乗インプレ・レビュー

【プジョー・ジャンゴ125試乗記事】 魅力はデザインだけじゃない! 走りも乗り味も満足の1台

掲載日:2018年06月21日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/野岸“ねぎ”泰之  写真/野岸“ねぎ”泰之、バイクブロス・マガジンズ

【プジョー・ジャンゴ125試乗記事】デザイン優先だと思ったら大間違い!乗り心地も走りも上質な新世代125ccスクーターの画像

PEUGEOT DJANGO125 EVASION ABS

エレガントなボディに“猫足”を隠し持つ!?
華麗なるネオレトロ・スクーター

ライオンのシンボルマークで知られるフランスのプジョーは4輪メーカーのイメージが強いが、1898年にはすでにバイクを世に出しており、現存する世界最古のバイクメーカーでもある。そんなプジョーのスクーターが2018年春、日本に上陸した。今回紹介するのは、ジャンゴ125エバージョン ABS だ。エレガントなボディが目を引くこのスクーター、果たして装備や走りはどんなものだろうか。その実力をチェックしてみよう。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

プジョー ジャンゴ125エバージョン ABS 特徴

美しいスタイリングは1950年代の
伝説のスクーターからインスパイア

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

ジャンゴはプジョーが1950年代に販売していた伝説のスクーター「S55」「S57」にインスパイアされて復刻したネオレトロスクーターだ。やはり目を引くのは、そのクラシカルな外観。優美な曲線を描くボディラインは、50年代のようなスチールプレスボディではないが、深みのあるツートーンの塗装やメッキパーツをうまく使うことによって、樹脂ボディでも丸みを帯びたエレガントさをとてもよく表現している。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

ボディカウルの内側、つまり膝の前にあたる部分やフロアボード、ミラーなど、一般的な原付2種スクーターなら無塗装の黒い樹脂が使われるようなところも美しく塗装されているなど、細かい部分も手抜き感がない。さらに、ショートタイプのスクリーンや折り畳み式のフロントキャリア、ボディ前面で大きく主張するライオンマーク、優雅な曲線を描くタンデムグリップなど、小物類が作り出す世界観も秀逸。ひとことで言うと「とても高級感があっておしゃれ」なのだ。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

しかもただレトロなだけでなく、ヘッドライト以外の灯火類にLEDを使用したり、グローブボックスの中にはDC12Vのアクセサリーソケットを備えたりと、現代のコミューターに求められる要素もきちんと満たしている。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

ふっくらと大柄に見える車体
実は扱いやすいサイズなのだ

車体はボリューム感があり、ぱっと見はかなり大柄に思える。たとえば同じネオレトロ系125ccスクーターのPGO Jbubu125duosの全長は1,720mmなのに対し、このジャンゴは1,925mmとひと回り大きい。タイヤサイズではJbubu125duosが10インチなのに対して、ジャンゴが12インチを採用していることも大きく見える原因の一つかもしれない。ただ、この全長はホンダのPCXとまったく同じ。全幅もPCXのほうが35mm広いので、実はふっくらとグラマラスな車体が大きく見えるだけで、実際はそれほど気にするようなサイズでもない。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

乾燥重量129kgのボディに搭載されるエンジンは、空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒124.6ccで、最高出力は7.5kw(10.2PS)を発生する。ちなみに乾燥重量が130kgとほぼ同じのホンダPCXは9.0kw(12PS)、Jbubu125duosは乾燥重量103kgで8.3kw(11.3ps)なので、数値的にはやや不利となっている。では、実際の走りはどうだろうか。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

プジョー ジャンゴ125エバージョン ABS 試乗インプレッション

しなやかで快適な乗り心地
これはまさに“猫足”だ

ジャンゴのシート高は770mmで、PCXよりもわずか6mm高いだけだが、シート自体が幅広で、ボディサイドも丸みを帯びた形状のため、足つきは良い方ではない。しかし、いざ走り出すとその快適さに驚かされる。まず、厚めのシートのクッションは適度な弾力とやわらかさがあって絶妙な味付け。厚めで幅広なのはタンデムシートも同様なので、後ろに乗るパッセンジャーも快適なタンデムランが楽しめるはずだ。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

そして、サスペンションもしなやかで、路面のギャップを乗り越えた時にバタつく感じが一切なく、フワリとあしらってくれるため、乗り手は優雅な気分のままでいられるのだ。それでいて、適度なスピードでコーナーに進入した際にはしっかりと踏ん張って路面をとらえてくれる安心感がある。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

前後のディスクブレーキはコントローラブルで制動力に不満はないし、フロントブレーキにはABSも装備しているので、雨天やパニックブレーキの際の不安も少ない。4輪の世界ではよくプジョーの足周りは、しなやかなコーナリング性能と快適な乗り心地を両立させた“猫足”と呼ばれるが、スクーター、それもスポーツモデルではないジャンゴでもその片鱗を感じられる造りとなっているのはさすがだ。この乗り味は、国産スクーターとは明らかに方向性の違いを感じる。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

後ろから迫る「差し馬」タイプ
この加速はあなどれない

さて、気になる加速感はどうだろう。信号ダッシュなど、ゼロからの加速では、当初ちょっとだけもたつく感じはある。ところが40km/hを超えたあたりから、気が付くとやけにスピードの乗りが良く、あっという間に法定速度を超えてしまい、その後も伸び続けるという実力を持っている。

競走馬でいえば、レース後半からゴール前で猛然とダッシュをかます「まくりの得意な差し馬タイプ」なのだ。そして特筆すべきは、そのエンジンの回り方だ。あくまでシルキーでスムーズ。無理して頑張っている感じがしない。アクセルを全開にしても、エレガントさを失わないのである。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

ドカンとした加速感はJbubu125duos、全域でスムーズかつトルクフルな加速はPCXなど国産勢に分があるが、外観デザインとマッチした優雅な加速と走りという、1つの世界観をトータルで実現しているのは、他のスクーターにはない、このマシンならではの魅力といえる。

ちなみにジャンゴには今回取り上げた「エバージョン」のほか、ワントーンカラーの「ヘリテイジ」、スポーティなスタイルの「S」、ポップなカラーリングの「ID」、リアボックス装備の「アリュール」など、同じボディでテイストの違うシリーズが用意されているので、好みのタイプを探してみるのもいい。また、本国では150ccのラインナップもあることから、将来的にはそちらの日本導入も期待したいところだ。

プジョー ジャンゴ125 エバージョン ABSの試乗インプレッション

実用性と走行性能を高い次元でバランスさせ、うっとりと見入ってしまうようなおしゃれなデザインを併せ持つジャンゴ125エバージョンは、スーツ姿での街乗りから休日のツーリングまで似合う懐の深さがある。オーナーになれば所有する喜びを存分に実感でき、365日楽しめるマシンとなるだろう。

詳細写真

ボディにビルトインされたウインカーはLED。センターには導光パネルタイプのLEDポジションランプを装備。ヘッドライトはハロゲンバルブだが、黄色っぽい光がレトロイメージに合う。

小ぶりなショートスクリーンを装備。ヘッドライトのヒサシとともに、レトロかつおしゃれなイメージを演出している。

ボディ前面には折り畳みタイプのフロントキャリアを装備。薄手の荷物なら強力なバネで挟み込んで固定できる。

正面に堂々と鎮座するプジョーのライオンマークは、光り輝くメッキパーツ。周りを囲むポジションランプと共に、個性を際立たせるデザイン上のポイントになっている。

スイッチ類自体はは大型で押しやすいが、グリップから遠いためウインカーやホーン操作の際に親指が届きにくい。ヘッドライト上下切り替えのディマースイッチにはパッシング機能を備える。

右側はハザードとスターターボタンのみとシンプル。グリップは樽型で、メッキのグリップエンドを採用するなど細部までこだわっている。

フロントカウル内側には荷物用のフックを装備。ふだんはフラットに収納され、使う時だけクルッと反転させて引き出すしくみだ。下の鍵穴はグローブボックスの開閉用。

キーは持ち手の部分が大きく、立体のライオンマークが付くなど、まるで4輪車用のような高級感がある。

フロントカウルの内側やグローブボックスの蓋なども、光沢のある白い樹脂パーツを使用。一般的には無塗装の黒いパーツが多用される部分だけに、グッと高級感が増す。

中央のキーを左に回すと左側のグローブボックスが開く。内部には給油口があり、扉の内側には外した蓋をキープできるホルダーが設けられている。

右側のグローブボックスにはDC12Vのソケットを装備。スマホを立てて置けるホルダーがあるのはとても親切な設計だ。

前後で2分割されたシートはには、パイピングとタックロールが設けられている。分厚く幅広のため足つきは良くないが、クッションはやわらかめなのに適度な弾力があり、乗り心地は最高だ。

シート下の収納スペースはフラットで深めな形状。SHOEIのJ-FORCE4は収納可能だったが、フルフェイスはサイズによっては厳しいかもしれない。まだスペースには雨具などを入れる余裕がある。

白い樹脂を使ったフロアボードはフラットで、表面にはストライプ状の滑り止めが施されている。フロアボード前方につま先を滑り込ませるスペースを設けてあるのも、地味ながら使い勝手を考えた嬉しい配慮だ。

スピードメーターはアナログの針式。その中に液晶パネルが仕込まれていて、時計や外気温、トリップメーターや燃料計などを表示する。

幅広のタンデムシートはパッセンジャーに優しい造り。タンデムグリップはがっちりして握りやすく、造形も美しい。

タンデムステップはラバー付きで滑りにくい。畳んだ状態だと、上部のスリットと一体化したデザインでスマートに収納されている。

フロントのタイヤサイズは120/70-12インチ、ブランドはCST(チェンシン)を採用。ディスクブレーキはフロントのみABSを装備している。

リアタイヤのサイズもフロントと同じ120/70-12インチ。ディスクブレーキは左側に設置されている。ミッションケースカバーにもライオンマークが刻まれている。

フロントタイヤ右側にはABSのセンサーを装備。あたかもホイールデザインの一部のような造形が美しい。

マフラーはごく一般的なダウンタイプ。リアホイールは片持ちで、中央は鏡面仕上げとなっており、ここにもライオンマークがあしらわれている。

テールランプやウインカーはLEDを採用。デザインはボディと一体化しており美しい曲線を描いている。テールランプ上の丸いパーツはリフレクター。

メインスタンドを構成するスチールパイプは若干細めでエレガントな印象。サイドスタンドも標準で装備する。

テスターは身長170cmで足短め、体重72kg。シート高は770mmで両足、片足ともに足の裏が半分接地する程度。シートは幅広で足を降ろす部分のボディも幅があるので、足つきはそれほど良くはない。

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