キムコ レーシング 125Fi 試乗インプレ・レビュー

キムコ レーシング 125Fi
キムコ レーシング 125Fi

キムコ レーシング 125Fi

掲載日:2012年05月29日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/河合 宏介

国内外のサーキットで活躍する一方
ストリートでも扱いやすいスクーター

キムコは1963年に誕生した台湾のバイクメーカーで、設立後より世界市場を見据えた積極的な商品開発と販売展開をしてきたグローバルメーカーである。今では、その技術力とデザイン性が高く評価され、世界50カ国以上で愛されるメーカーへと成長している。もちろん、日本にも原付からビックスクーターまで、バリエーション豊かなモデルが上陸している。

 

そんなキムコがリリースした「レーシング125Fi」は、その名の通りスポーツ走行を意識し、スクーターの弱点であるバンク角の浅さを克服し、最大37°という深いバンク角を実現したモデルだ。登場以来、日本をはじめ各国のスクーターレースでめざましい活躍を見せている一方で、高い動力性能だけではなく、明るいヘッドライトや大容量のメットインスペースなど、都市部のコミューターとして必要な機能も兼ね備えている。そう、サーキットからストリートまで、シーンを選ばず活躍できるスクーターなのである。4色あるボディーカラーから、今回は落ち着いた雰囲気のガンメタリックを選んだ。ストリートで、その実力をチェックしてみよう。

キムコ レーシング 125Fi 特徴

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戦闘的でスタイリッシュな外観ながら
デイリーユースに便利な機能が充実

走りの魅力は後半の試乗インプレッションで記載するとして、まずは実用的な機能を紹介していこう。特長的なフロントマスクにある大きな2眼のヘッドライトは、戦闘的なイメージを作り出すだけではなく、光が散らずに左右を広く照らしてくれるので、夜間でも安心して走行ができる。重量のあるヘッドライトがフレームマウントになっていて、軽快で素直なハンドリングにも貢献していると感じた。

 

荷物の収納力についても配慮されているのが魅力のひとつ。フロントポケットの右側には、500ccのペットボトルが2本入れられる余裕のラゲッジスペースがある。荷かけフックは、そのポケットの中央とシート下の2カ所に設置されている。もしフックにかけたバッグ等がステップフロアに届いてしまっても、フロアはフルフラットなので安定して運ぶことができるはずだ。メインキーの操作でシートロックが解除でき、スプリングで持ち上がった状態を維持してくれる。シート下のメットインスペースは、ジェットヘルメットとレインウェアを収納しても余裕のある29.4リットルという大容量。スペースが荷物でいっぱいの時は、シートの蝶番の脇にヘルメットホルダーが2つある。

 

メーターパネルは、アナログとデジタルを組み合わせた表示方式。センターにあるカラフルなエンジン回転計は、アナログ式で大きく表示されるので見やすいが、速度計は単色で小さく、慣れもあるだろうが少し確認しにくく感じた。試乗車両は全体が落ち着いたガンメタだが、ハンドルグリップやリアサスペンション、そしてフロントブレーキのキャリパーとローターなどが赤にカラーリングされていて、乗り手をその気にさせる演出もうまいと感じる部分だ。

キムコ レーシング 125Fi 写真

キムコ レーシング 125Fi 写真

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キムコ レーシング 125Fi 試乗インプレッション

トルクフルで安定したライディング
動力性能と実用機能のバランスが絶妙

車名やエッジの効いたエクステリアから、尖がった走りをイメージするかもしれない。しかし、このレーシング125Fiは、パワフルさと素直なハンドリングという優れた動力性能が、運転のしやすさに見事に昇華されているモデルといえる。たとえば、エンジンパワーは全域でボリュームがあるのだが、強いてあげるなら低中速の加速が得意といえる。アクセルを開けた瞬間にドカンと加速するのではなく、背中を押されるようにトルクフルに加速するのである。そのため、信号からのゼロスタートや登り坂、そしてタンデム走行でも安定して運転することができる。時速20キロから40キロくらいが、アクセルを開ける右手にバシッとついてくる印象だ。そこから60キロくらいまで、ジェントルに加速してくれる。減速については、リアがドラムブレーキ採用となっているが、フロントと併用することで充分な減速力があると感じた。

 

リアサスペンションのプリロードを3段階の真ん中(初期値)にしてテスター(身長163cm)が座ると、両足の靴底中ほどくらいまで接地するシート高。バンク角を確保するためにフロア位置は比較的高く設定されているが、フルフラットなので窮屈感はなく、足の自由度は高い。37°という深いバンク角があるので、切り返しなどで思いっきりリーンアウトの体勢になって車体を倒しても、スタンドや車体を擦るという不安もなく旋回できる。ハンドルの切れ角も大きいので、取り回しで苦労することも少なそうだ。キャリアを兼ねたグラブバーも握りやすい形状をしている。使わない時には収納できるタンデムステップも便利だ。

 

レーシング125Fiは、スポーツ走行一辺倒ではなく、日常的なストリートでの走りでも充分に「走る喜び」を堪能できるスクーターだと感じた。走行性能と実用機能のバランスが見事なまでにちょうど良く、さらに、これだけキビキビと走って燃費は約28キロと申し分なかったことも加味すれば、間違いなく魅力ある一台と言わざる得ないだろう。

キムコ レーシング 125Fi 写真

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SPECIFICATIONS – KYMCO RACING 125Fi

キムコ レーシング 125Fi 写真

価格(消費税込み) = 27万9,300円

日常の使い勝手と走りを楽しむ要素のバランスが良い原付2種のスクーター。明るいヘッドライトと広いメットインスペース、タンデムでも余裕のパワーもが特徴だ。

■エンジン形式 = 空冷4ストローク単気筒

■総排気量 = 124.8cc

■最高出力 = 8.8kW/8,500rpm

■最大トルク = 10.4N・m/6,500rpm

■トランスミッション = CVT

■始動方式 = セルフ式

■点火方式 = CDI式

■サイズ = 全長1,920×全幅700×全高1,135mm

■シート高 = 750mm

■乾燥重量 = 108kg

■燃料タンク容量 = 7.5リットル

■Fタイヤサイズ = 110/70-12

■Rタイヤサイズ = 130/70-12

■Fブレーキ形式 = 油圧式ディスク

■Rブレーキ形式 = ドラム

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