カワサキ バルカン1500

Thug Life STYLE CHOPPER

実際に見るとかなりの迫力である。一歩後ろに下がってやっと全体が見回せるほどのビッグサイズだ。しかしただ大きいだけではなく、三角形のシルエットはスッキリとし、バランスの良いフォルムに仕上げられていることが分かるだろう。

ジャパニーズアメリカンでのカスタムにおいては400ccベースのものがほとんどで、今回のように大排気量ベースのカスタム車は少ない。また、クラシックや純正オプションでまとめた俗に言う「キレイ」なものばかりである。そんなシーンにおいて新しい風を、と一石を投じたのが大分のイエンタウンだ。

近年日本でも認知されてきたニュースクールスタイルでまとめたバルカン1500は、エンジンの存在感をいかん無く主張するにはベストなもの。ビルダーの佐藤氏は言う。「カスタムパーツ自体が大排気量のものは少ない。だから、自然とユーザーのカスタムが少なくて、カスタムされていても”キレイ”なものばかりになっているんです。だけど、逆に捉えれば今までにないバイクを作れるということ。”オリジナリティ”と”イエンタウンスタイル”を見せれると思い、それをこの車両に注ぎ込みました」。

ストレッチされたフレームにフロント23、リア18インチの大径ホイールを装着。ジャパニーズアメリカンカスタムでは未だかつて見たことの無いような大きなフォルムを形成する。そして、ブラックにまとめた車体にクロームメッキとブラス、ピンストライプでゴールドリーフを艶やかに散りばめることで、かなりの存在感を保持。

お家芸ともいえるこの手のカスタムに広い見識を持つ佐藤氏ならではのアイデア、そして技術が光る一台である。

カワサキ バルカン1500 Machine Detail Check!

この車両の一番のポイントでありマストパーツでもある、RCコンポーネンツ製ビッグホイールはフロント23／リア18インチ。

ワンオフタンクには、四国のピンストライパーARIMANにより描かれた豪華絢爛のピンストライプが車体を彩っている。

高低差を演出するために極限まで低く、薄くまとめられたシート。ハンドル頂点からの距離を稼ぎ、圧巻のチョッパースタイルに。

塗装は基本的に自社で行うイエンタウン。第三者を挟まず、イメージしたものを具現化するにはやはりベストであると言える。

エンジンをより強調するためにサイドへ流したドラッグパイプ。サウンドは地面に共鳴し地響きを思わす低音を奏でる。

ショートボブフェンダーにもタンク同様ピンストが描かれ、強固に支えるシッシーバーも佐藤氏ならではの凝ったデザインだ。