ヤマハ XJR400R
ヤマハ XJR400R

ヤマハ XJR400R – 唐突さがないジェントルなキャラクター

掲載日:2007年07月11日 試乗インプレ・レビュー    

ヤマハ XJR400Rの試乗インプレッション

ヤマハ XJR400Rの画像

唐突さがないジェントルなキャラクター
飛ばしても音を上げないサスペンション

いつも初めてのバイクに乗るのは緊張するもの。ビッグバイクに慣れた体とはいえ、400ccネイキッドといえども油断してはいけないと思い、慎重に試乗を始めた。しばらく走って感じたことは、とにかく“何も起こらない”ということ。この言い方は誤解を招くかもしれないが、それは決して特筆すべきことがないのではなく、こちらがびっくりさせられるようなことが起こらなかったということだ。初めてのバイクであれば、ブレーキが思いのほか効き過ぎたり、交差点で曲がるときにハンドルが切れ込んでグラッときたりと、ライダーの予想に反した挙動にびっくりさせられるもの。それがこのXJR400Rにはなかったのである。

クラッチをちゃんとミートさせれば、アイドリングからちょっと開けただけの1000回転ちょっとからでもたくましく加速していく。ちゃんとシートに腰を預けハンドルに不必要な力を加えなければ、曲がるときにはバイクが寝るのに合わせてスーッとハンドルが切れていく。エンジンも突然パワーが盛り上がるということもなく、極めて直線的にレッドゾーンまで吹け上がっていく。試乗インプレをするにあたって何か特徴的なことはないかとアラ探しをするのだが、書くことがないのではないかというくらいだ。ライダーの意に反するようなことは何も起こらない、素直なキャラクターなのである。

ヤマハ XJR400Rの画像

こう書くと、とても退屈なバイクに思えてくるかもしれない。しかし、そうではない。高速道路のランプウェイから本線に合流する際に2速でレッドゾーンまで引っ張れば、あっという間に法定速度を超えた状態で本線に飛び込んで行きそうな勢いも持っている。レッドゾーン手前の高回転域を使ってシフトアップしていくと、短い時間でスピードメーターが振り切るところまでたどり着いてしまう。また、おとなしいハンドリングも、決してダルなのではなく、強く曲がりたいときにはしっかり向きを変えてくれるスポーティさも持っている。こうしたところにXJR400Rの持つ“R”のキャラクターを垣間見たような気がした。

また、高い速度域になるとミドルクラスのバイクの足回りは役不足なことが多いのだが、XJR400Rのオーリンズは決して不安感を与えないタフな仕事を見せてくれる。ハンドルや車体が振られたりすることもなく、風圧に耐えることができれば、そのスピードを維持できる足回りなのである。確かに、これだけビシッと決まったサスペンションだと、よく“カタい”と表現されるように街乗りではハードなのではと思ったりもした。しかし、強くブレーキをかけてもフロントがカクンと沈み込まないなど、バイクが不必要に前後に揺れないという意味で、かえって街乗りがラクに感じられたほどだ。

実はXJR400Rのシート高は780mmと、現行400ccネイキッドの中ではやや高め。シートの前の方はカマボコ形状になってはいるが、事実、公称身長160cm弱のボクが跨ると、両足ではつま先で踏ん張る感じになる。小柄な女性ライダーなどには停車時にやや不安な感じもしなくもない。しかし、不必要に広すぎない&開きすぎないハンドルと相まって片足をしっかり下ろせば過剰に心配しなくてもいい範囲だ。それよりもたっぷりと厚みのあるシートのおかげで、長時間走ってもオシリが痛くならないメリットの方が大きいはず。ヤマハは早くからシートのウレタンや表皮の素材にこだわってきており、今回のXJR400Rも粘る感じのシートにその良さを感じた。

ヤマハ XJR400Rのオススメポイントは次ページにて

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