掲載日:2010年04月14日 特集記事 › 絶版カスタム「今尚斬新」~VF1000R、RZ250ほか~
記事提供/2009年11月24日発行 絶版バイクス5
■取材協力/アニーズ Phone 052-504-1319
角タンクのZ1000Mk.IIに似たデサインでシャフトドライブを持つZ1000ST。このレア車にはカスタムベースとしての意外なポテンシャルがあった。
Mk.IIかと思いきや、シャフトのSTがベース。
値頃感のある車両価格とフレームの強さが魅力。
所有するZ1のカスタム車でTOT(テイストオブ筑波)に出てみたいけど、Z1をサーキットで走らせるのはもったいない。そんなオーナーが街乗り&ワインディング&サーキット用マシンとして購入、モディファイを行ったのがこのカワサキZ1000STだ。スタイルをみただけではZ1000MkIIそのものという感じだが、実はSTの駆動形式はシャフトドライブで、外着パーツもすべてMkIIとは互換性のない専用設計パーツだ。
そんな車両をわざわざ選んだ理由は、ズバリ値段が安かったから。コンディションによって幅があるものの、MkIIとは数十万円も差が付くこともある(もちろんSTの方が安い)。オーナーは自分でバイクいじりができるから、あえてシャフトドライブを選択したのだ。
STをチェーンドライブ化するには、アウトプットシャフトやチェンジ機構をMkIIから流用するなど大がかりな作業が必要だが、改造ベースとしての利点もある。それが「幅広スイングアームピボット」である。通常のZ用エンジンの左側にドライブシャフトの取り出し部があるSTのフレームは、スイングアームピボットが大幅に広い。それによって剛性の高いスイングアームや太いリアタイヤの装着もMkIIより容易にできるのだ。
現在では考えられないが、70年代から80年代にかけて1台のベースモデルからヨーロピアン、アメリカン、ツアラーなどいくつもの派生車種が生み出された時代があった。元がマイナー機種であっても、アイデアと実行力を駆使することでリーズナブルに魅力的な絶版カスタムが完成するという好列である。
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