【Page4】YAMAHA RZ250

掲載日:2010年04月14日 特集記事絶版カスタム「今尚斬新」~VF1000R、RZ250ほか~    

記事提供/2009年11月24日発行 絶版バイクス5
■取材協力/ランナー Phone 047-444-8939

Runner

YAMAHA RZ250

RZに高年式車の足周りを流用するチューンは古くから定番のカスタムである。しかし、やり尽くされた感のあるカスタムでも、専門店の作る車両には独自のノウハウが凝縮されている。

 

膨大な数のカスタム車を作ってきた
専門店が辿り着いた、定番カスタムの極み。

悲しいことに2ストロークのスポーツ車がカタログから消えて、もうすぐ10年になろうとしている。しかし4ストロークエンジンとは全く異なるフィーリングに未だ魅了される人も多い。エンジンのサウンドが賑やかな空冷、長時間のライディングにも熱ダレしにくい水冷、小排気量車やオフ車に多い単気筒、数多くの名車を生み出したマルチと、様々なエンジンバリエーションが存在し、そのどれもが個性的な魅力に溢れている。

 

とにかく2ストロークはエンジンが面白い。特にスロットルを開けた瞬間といったら最高だ。目が追いつかないほど激しく踊るタコメーターの針、景色が流れる様な加速感、そして緊張感と興奮を一気に高める甲高い排気音。誰でも一度乗れば忘れられない経験ができるのが2ストロークマシンの魅力なのだ。

 

 

足周りの流用カスタムはRZでも数多く行われるカスタムメニューのひとつだ。一度やったら元には戻れない部分だけに、どのような手法を取るかは誰もか頭を悩ませるところ。ランナーでは3MA(後方排気のTZR)の足周り流用が定番メニューだ。適度な剛性アップと、同一メーカーのパーツ流用ならではのバランスの良さ。専門店ならではのクリーンなフィニッシュだ。

 

ヤマハRZは、数ある2ストマシンの中でも特に人気の高い車両だ。そのスタイルやデビューの鮮烈さは言うに及ばず、少し手を入れれば未だに第一線級のポテンシャルを弾き出すキャラクターも大きな人気の秘密である。

 

RZ専門店のランナーが手がけた車両は、定番ながらもRZの良さを最大限に引き出すカスタムが施されている。20年RZ一筋でやってきたからこそ到達できる究極の定番改。試乗こそ叶わなかったが、ブリッピングしただけでゾクゾクする感覚を覚えたのは確かだ。RZが登場してもうすぐ30年。これまで様々なカスタムマシンが生み出されてきたが、いつ見ても安心感があるのはやはり専門店が手がける車両だ。たとえ定番であっても、そこには見えないノウハウがふんだんに盛り込まれているのだ。

 


 

キャブはSTDのミクニVMからランナーのケイヒンPWKキット(5万400円)にコンバート。大幅なパワーアップが期待できるが、ストリー卜ならエアクリーナーは必須。

リアのスイングアームもフロント同様に3MAからの流用で、これもRZ力スタムでは定番中の定番。しかしチェーンラインをきちんと出すためには、ノウハウが必要である。

3MAのスイングアームを流用したことで、サスペンションもアップグレードできる。3MAのリアサスはリザーブタンク付で、調整機能付のため走り好きには嬉しい装備となる。

簡単に足周り流用と言ってもリアエンドは大幅な変更が必要になる。スタンダードのRZはリンクを持たないからだ。ランナーでは写真のように新たなアッパーマウントを製作して対応する。ここにノウハウが凝縮されているのだ。

 

 

リアセクションの大幅な変更をせずに、
足周りのグレードUPを図るお手本。

フレームの大掛かりな変更を伴うリアセクションのカスタムには中々手が出ないという人も多いだろう。しかし、リンクを持たないカンチレバータイプのノーマルサスペンションも、そのレイアウトを生かしてグレードアップ可能なスイングアームも販売されている。それらを利用すればアルミ化による軽量化ができる。また、それらの製品は、大抵の場合リアのディスク化も実現できるため、一石二鳥なのだ。

 

カスタムは好きだが、フレームに手を加えたくないというオーナーや、ノーマルから大きくかけ離れないスタイルを望むオーナーも少なくない。そんな時こそスペシャルショップの出番だ。納得行く答えを返してくれる。

 

 

チャンバーにはランナーオリジナルのクロスタイプ(6万2790円)をチョイス。RZはクロスに限る、といった人にはオススメ。


 

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