【Page7】マフラーを外すだけでもエンジンチェックできる。

掲載日:2010年03月12日 特集記事KAWASAKI Z1/Z2 延命治療    

記事提供/2008年12月1日発行 モトメンテナンス No.80

マフラーを外すだけでもエンジンチェックできる。
排気ポート内コンディションがエンジン内部を物語る。

キャブレターや点火系の調子が悪いときに、マフラー排気口から黒煙が出ることがしばしばあるが、排気口の上流部分にあたる排気ボートのコンディションを確認することでも、おおよそのエンジンコンディションは確認することができる。覗き見してみましよう!!

 

絶版バイクを購入したときに、最初に取り掛かりたいのが洗車や磨き込みである。磨き込みは上っツラを拭き取るだけではなく、バラすことができるパーツはできる限り単体にバラしてから磨き込む。その後、組み上げることで「大切に乗っているんですね!!」なんて言われるようになる。絶版車こそ美しくありたいものだ。決してフルレストアがすべてではなく、徹底した磨き込みによって愛車の輝きは必ず増す。そんな意味でも、磨きの基本は「パーツのバラシから」と考えて良い。

そんなバラシ項目の筆頭として挙げられるのがマフラーだが、マフラーを取り外す際には「排気ポート内のコンディション」を点検してみよう。乗り込んだ空冷Zの中には、白煙を噴きながら走っている例が多い。煙が目に見えなくても、走り去った直後にオイルが焼けたような臭いがするケースも多々ある。そんなエンジンの排気ポートを点検すると、エンジンオイルでベトベトに湿っていることに気が付くはずだ。

 

Z1/Z2シリーズの場合は、ホンダのCB750シリーズとは異なり、エンジンを車載した状態でシリンダーやシリンダーヘッド周りの「腰上メンテナンス」が可能だ。これは空冷Zシリーズ共通した大きな特徴でもある。

 

オイル上がりや下がりは本当にカッコ悪い。また、周囲の仲間に迷惑を掛けるので、状況把握できた際には、迷わずメンテナンスに取り掛かりたい。

 

排気ポート内のコンディションは、マフラーを取り外せば簡単に確認することができる。走行中に白煙を噴いたり、アイドリング中に臭ったり、シフトダウン時に白煙が出ると友人に指摘されたりなどなど、そんな際はマフラーを外し排気ポート内部のコンディションを確認しよう。白煙が少しでも噴く際は、おそらく排気ポート内はエンジンオイルで湿っていたりベタベタになっているはずだ。シフトダウン時の白煙はオイル下がり=ステムシールが原因だ。

マフラーは1/2番、3/4番をバラさないで一体のまま取り外すのが良い。1本1本取り付けたりバラすのは実に面倒臭い。エキパイフランジには向きがあり、フランジ外周フィンの低い部分をフレームダンンチューブ側にセットする。エキパイフランジはスタットボルトに一度差し込み、固定用の割り部品を滑り込ませることでエキパイの固定が楽になる。オイルを噴いていたエンジンの排気ポートは、エンジンオイルで湿ってべトベトになっているはずだ。オイル上がりの原因は、主にピストンリングの磨耗やピストンクリアランスの拡大。オイル下がりはステムシールの磨耗やバルブガイドの拡大=ガタが原因だ。

 

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索