掲載日:2009年12月14日 特集記事 › 電気いじりはコワクナイ!
記事提供/2009年6月1日発行 モトメンテナンス No.83
「12V化」と同時に「CDI化&バッテリーレス」も実現!!ホンダの車体をヤマハの電装で走らせていたエルシノア
エルシノアのエンジンに取り付けられていた音叉マーク入りのフライホイール。当初はそこだけが流用されていると思っていた。しかしよくよく確かめてみると、このエルシノアは電装部品を全てヤマハ製にコンバートした12V化カスタムが施されていたのだった!
素性の分からない車両を手に入れ、各部をメンテする過程で「な、なんじゃこりゃ!」という状況に遭遇することはよくある。僕のエルシノアもそう。ちょうど一年前、エンジンカバーを外して偶然見つけたヤマハマーク入りのフライホイール。その時はただ単に、純正フライホイールの不具合で、しょうがなく使っているんだな、位にしか思っていなかった。しかし、エンジン全バラを機に、よくよく確めてみると、フライホイールはおろか、ステーター、メインハーネス、イグニッションコイルまで電装系は全てヤマハ製のパーツにコンバートされていた。しかもいつかやってやろうと思っていた「12V化&CDI点火」へのカスタムもとっくに終了している。エルシノアはヤマハの電気で動いていたのだ。旧い車両にありがちな頼りない6Vの電装を12V化したいと考えるサンメカ読者の方も多いと思うが、その方法のひとつとして、このエルシノアのようにシステム全体をゴッソリ入れ替えてしまうやり方は、もしかしたら一番手っ取り早い方法なのかもしれない。
例えば、同一メーカー他車種からの流用であれば、配線色も同じだから結線時の間違いも起こりにくい。しかし、新たに入れ替えた部品とオリジナルのメインハーネスを接続するにあたって、ドナーと移植対象車両の両方の配線図を十分理解したうえで行わないと、トラブルの原因となる。それが配線色の違う他メーカーの電装パーツとなると尚更紛らわしく、より間違いやすくなる。そんなとき『電装系のまるごと移殖』ならば、フィッティングでの苦労はあるとは思うが、そもそも一つのシステムとして確実に完成されているユニットだから、各パーツの相性が悪い事も無いし、カプラーもそのまま利用できるから、余計な手間がかからない。もちろん流用するならば、配線色を統一できる同一メーカーがベスト。現状では、メインハーネスに接続するヘッドライト、リア周りの配線のみがホンダ純正のままなため、二社の配線色が混在する状態になっているが、いまさら「オリジナルがどうのこうの・・・・・・」という車両でもないし、今後の整備性を考えて全部ヤマハの配線色にしようかとすら考えている。
DTの電装系移殖によってポイントレスのCDI点火となり、日常整備の手間は軽減されるし、今後の部品が心配な車両としては、CDI化は大いに意味のあるカスタムだ。ただせっかくの12V化も、現在はバッテリーレス仕様のため、灯火類の頼りなさは6V車と変わらない。システムを生かすべく、今後はきちんとバッテリーを搭載し、本来の12Vカスタムのメリットを存分に味わいたいと思う。(土山 亮)
DT用ユニット搭載により、STDのポイント点火からCDI仕様へ。ピックアップコイルはDT純正のステーターベースから切り離し、ケース内の不要ボスにタップを立てて固定。電装系の移植を行う場合には、一番頭を悩ませる部分かもしれないが、正しい点火タイミングを拾える位置で固定できればそれで良い。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!