掲載日:2008年06月03日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
DR-Z400S最大の特徴は、レーサーであるDR-Z400と並行で開発された水冷DOHC単気筒エンジンだ。基本的にレーサーと同一のテクノロジーを使用してハイパワー化を追求し、鍛造ピストンやスズキ独自のSCEMメッキシリンダーを採用。一方、バルブまわりも高張力材製のスプリングと軽量なアルミリテーナーを組み合わせ、高い信頼性も確保している。実現した最高出力は29kw(40PS)/7,500rpmで、これは国内のオフロード/モタードモデルの中ではもっともパワーのある数値だ。また、運動性を高めるため車両自体の軽量化が積極的に行われており、エンジンはアルミ合金製のパーツを多用するだけでなく、エンジンカバーとヘッドカバーに軽量なマグネシウム合金を使用している。足回り部分ではアルミリム、ホイールハブ、スポークまで徹底した軽量化が行われており、バネ下重量の低減によって運動性を高める設計となっているのも競技車両を出自とするDR-Z400Sならでは。その他では、リアフレームをレーサー同様に分割式とし、アルミフレームとすることでさらにリアまわりを軽量化。セルとバッテリー、保安部品を装着した公道仕様でありながら乾燥重量を129kgに抑えたことで、運動性はもちろん取り回しなど日常の使い勝手でもメリットが生じている。
また、足回りは基本的には街乗り向けにセッティングされているがレーサーをベースとしたもので、前後共に伸び側・圧側の減衰力を細かく設定可能。リア側はイニシャルを無段階調整とし、ライダーに合わせた微妙なセッティングを行うことができるのも特徴だ。装備面では、エンジン底部を守るアルミ製ガードを標準装備する他、転倒時に損傷しにくいアルミブレーキペダルなど本格的なオフロード用パーツを投入。その一方で工具や小物の入るテールバッグ、ツーリングに便利なツイントリップメーター等がついた多機能デジタルメーターを採用しており、基本性能だけでなく利便性においても十分なアドバンテージを確保している。