カブ生活

第二十一回「積載拝見!」

掲載日:2013年10月30日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

旅先で出会った大容量のコンテナボックスを積載した旅カブ! 今回はその工夫を拝見いたします。

今年の秋は日本列島を大きな台風が通過しています。この原稿を書いているのは台風27号が目前に迫る10月後半ですが、先ごろ被災された大島の住民の方々はさぞ不安な日々を過ごされていることでしょう。いまだ捜索中の方が早く見つかりますように。大島に平和な日々が訪れることを心からお祈り申し上げます。

さて、話は変わりまして右の写真をご覧くださいませ。これはいまから3年前に旅先で出会ったカブを撮影したものです。このとき、わたしはまさか自分がカブオーナーになるとは思いもせず、大容量の荷物を上手にパッキングしている様子に心を動かされてシャッターを切りました。オーナー氏は会社を辞めて日本一周中という若い男性。彼は関東をスタートして最初はフェリーで北海道へ渡り、道内をゆっくり巡った後に航路で青森へ。それから自走で南下して静岡県へたどり着いたところでした。すでにかなりの距離を走っているはずなのに、旅の疲れを感じさせないすっきりとした旅姿。この方のお人柄がにじみ出ているのでしょうか。きっとご無事に旅を続けられたことでしょう。

そんな彼がカブに積んでいる樹脂製の箱は前後左右に5箱。写真ではわかりづらいけど、正面の小さなキャリアにはヘッドライトを遮らないよう浅底タイプの箱を積み、その下には2灯の補助ライトも付いておりました。それにしても110ccのカブに上手に積んだものですねぇ。荷重バランスが後ろに偏り気味とはいえ、すっきりと積めています。総重量はいったい何キロでしょう。ちなみにこのときのわたしは650ccのツアラー(奥に見えるカワサキのヴェルシス)にキャンプ道具を積んでいましたが、カブの積載能力にはとても敵わないと驚いたものです。

ところで、巷にはいろいろな樹脂製の箱が出回っています。バイクに積むのを目的にした専用設計の箱ならばキャリアからワンタッチで外れ、鍵付きはバイクを離れるときも安心です。なかにはフルフェイスのヘルメットが二つも入る大容量タイプや、デザインがスタイリッシュなものもあるので、お財布に余裕がある方にはオススメです。一方、自分で加工するのを楽しめる方ならホームセンターなどで売っているレジャー用ボックスを流用するのが一般的。箱の底に穴を空け、リアキャリアと箱をボルト締めするなど用途に合わせた工夫しだいで、世界にたったひとつのオリジナルボックスが完成します。

さて、このカブオーナー氏の場合は自作派。レジャー用ではなく、蓋が平らで重ねやすいコンテナボックスを使っています。実際に積載するところを見せていただくと、両サイドの箱は金属板を加工した受け具とU字ロックで簡単装着できるようになっていました。箱の中にはテントやシュラフ、着替えのほか、細々した道具が入っているそうで、荷物さえ箱に詰めてしまえば積載は楽チンという設計。中身が見えないのは防犯効果も高そうです。じつはこのカブくん、ほかにもシートの座り心地やらハンドル周りやら、じっくり拝見したいところもあったのですが撤収はあっという間に完了。長っ尻のわたしを残して軽やかに走り去っていきました。

★11月10日(日)は「カフェカブミーティングin青山」です。今年も地味ながら羽カブで参加します。会場でお会いしたら、ぜひ声をかけてくださいね。どうぞよろしくお願いします♪

「積み下ろしは簡単ですよ」と、カブオーナー氏がサイドボックスを下ろすと、加工した金属板とステーが現われました。こんな独創的な工夫を施して、世界でひとつのオリジナルボックスを作るのは達成感があります

箱にはU字ロックを通すための工夫が。それにしても頑丈な造りですねぇ。2010年9月「道の駅遠山郷」にて

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