カブ生活

ゆるカブ第百八十五回「角目カブの”肉たたき”スペシャル」

掲載日:2022年10月23日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

ゆるカブ第百八十五回「角目カブの

ややや、90カスタムのチェンジペダルにご注目!! これってキッチン道具の"肉たたき"ではありませんか!?

実用カスタムで"カブの走り"を追及する大先輩に出会う

虫の声が響く月夜の晩、国道20号を下って大垂水峠へと向かう途中のコンビニでカブに出会いました。このところ気になっていた角目のカブが二台連れで峠のほうからコンビニの駐車場に滑り込んできたのです。一人はオフロードのヘルメットとオフウエア、もう一人はライディングウエアを着こみ、きちんとブーツを履いています。どちらもメリハリの効いたクイックな身のこなしで「峠を走ってきたぞ」的なオーラが出まくっておりました。

ゆるカブ第百八十五回「角目カブの

ヘルメットを脱いでみればお二人とも大先輩(シルバー氏73歳、ブルー氏66歳)のお兄サマ。写真はNGなのでカブだけ撮らせていただきました。この日は2台で富士山をぐるりと一周&「滝沢林道」界わいを走ってきたそうです。カブのフロントバスケットは先輩格のシルバー氏がストックしていたもの。ほどよい大きさで白のコーティングがまぶしい純正品。

ゆるカブ第百八十五回「角目カブの

シルバー氏のハンドルにメモされた数字は燃費です。判読すると65km/lという高燃費を記録。メーター内の燃料計には給油や燃費計算のためのペイントマークが。「富士山を見ながら、のんびり走ってきたんだ」とシルバー氏は仰りますが、タイヤは縁近くまできっちり使い込んだ減り具合です。

ゆるカブ第百八十五回「角目カブの

こちらはブルー氏の"肉たたき"チェンジペダル。カブのチェンジペダルはつま先側と踵側にペダルが付いております。ペダルの踏み方は前後ともつま先を使ったり、つま先と踵で踏み分けたりなど個性いろいろです。この2台の場合はリア側を踵で踏み込むのに具合がいいようにとシルバー氏がカスタマイズ。最初は100均の「肉たたき」を見ていて閃いたとか。ところが実際に加工してペダルに組み付けたら精度に納得がいかず、けっきょく無垢の円柱棒を削り、踵で踏む部分は滑らないようにと「ローレット加工」まで施しちゃったという拘りのカスタムです。

ゆるカブ第百八十五回「角目カブの

ゆるカブ第百八十五回「角目カブの

ところで、ブルー氏の90カスタムはコンディションが美麗です。聞けば中古で手に入れた後、前後輪のスポークをすべて新品に張り替えたとか(諭吉2枚強のお値段ですって)。ミラーポストには自作ステーを噛ませて時計を装着。乗車時に文字盤がしっかりと見える角度になっています。

ゆるカブ第百八十五回「角目カブの

シルバー氏のオドメーターは89,000km弱。元は新聞店で使われていたカブを譲り受けパワースタンドはそのまま流用。よく使い込まれております。

今回出会った2台の角目カブ、パッと見た感じは実用のビジネスカブ然としていましたが、じつはけっこうハードに走ってこられた気配の大先輩。大垂水峠の下りはさぞ速いことでしょう。"肉たたきスペシャル"(松本が勝手に命名)の華麗なチェンジをナマで見てみたかったし、お二人のお姿を撮影できなかったのはとても残念だけど、カブで走り続けていればまた再会できるかもしれません。じつはもしかして、名のあるバイクの大先輩だったのかもしれないと、密かにドキドキしております。

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