『バイク乗りの勘所』

プロの姿勢が感じられるショップを選ぼう

掲載日:2011年07月11日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

パーツや用品の購入は、今や通販が当たり前。オークションにまで範囲を広げれば、たいていの物は手に入る。が、そこで気をつけたいのは、個人が趣味のレベルでやっている、ネットを介した物販やサービスの提供だ。問題は、規模ではなく姿勢である。彼らに欠けているのは経験と矜持。だから、メカニックでもプロでもないアマチュアが組み立て、テストもしていないエンジンその他のアッセンブリーや、素人が思いつきで作った安全性の検証不充分なパーツなどがまかり通る。

プロとアマの決定的な違いは、仕事に対する責任感ではないだろうか。プロは、仕事として責任を持ってマシンやパーツを送り出す。アマは、そこんところの姿勢が甘い。だからアマ? 冗談はさておき、それでメシを食ってるかどうかは、実はとても大切なこと。製品やサービスに責任を持つためには、相応の対価が必要であり、まともなプロは(とくにサービスに関して)決して安売りはしない。正規の工賃を取りながら繁盛しているショップは、信頼できると考えてよい。

本業の合間に遊び半分でやっているようなネット販売は、他の業種に例えれば、モグリの風俗業者や、闇金(違法な貸金業者)と変わらない。ショップなら法人名または屋号と所在地、個人なら本人名と住所を明示しているかどうかが、いかがわしい業者かどうかの、ひとつの判断材料となる。つけ加えるなら、ブログなどで、やたら能書きを垂れているのも要注意。専門家の目から見れば当たり前のことを、さもスゴいことのように自慢する手合いに惑わされてはいけない。

自分の安全や安心のためにプロにお金を払う。その当たり前の行為が、ちゃんとしたショップを守り育て、オートバイの世界を正しい方向に導いていくのである。安かろう悪かろう…と断じて悪ければ、安かろう…どうだろう? との不審が拭えないネットショップよりも、店を構え、身分を明かし、自信を持って正々堂々と商売をしているプロのショップを選び、つきあっていくことで、安全で安心、しかも楽しくためになるバイクライフを送りたいものだ。

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