『バイク乗りの勘所』

スポーティ・バイアスの空気圧は高めに

掲載日:2011年07月19日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

フロントに90~110、リアに120~140といったサイズのタイヤを履いているバイクたち。代表的なのは、旧世代の空冷4発や、ハーレーのスポーツスターなど。一時期、これらのバイクに適合するサイズのタイヤは、選択肢が少なく、やがてなくなるのではないかと心配だった。ところがその後、各社から相次いで “スポーツ・ツーリング” のカテゴリーとして新製品が登場し、今なおラインアップの拡充が続いている。新製品が選択肢に加わるのは、まことに喜ばしい。

ところが、それらの新しい、スポーティなバイアスタイヤは、昔のバイアスとは異なり、今どきのラジアルタイヤの開発で得たノウハウを生かして作られている。乱暴な言い方をすると、ハイグリップで柔らかい(変形しやすい)のだ。このため、昔のバイアスを基準に決められた指定空気圧では、変形が大きく、発熱も多い。これにより、グリップはともかく、ハンドリングが重い、直進時に振れる、摩耗や段減りが早い…といった、良くない印象を受けることがある。

旧世代の空冷4発乗りの一員である私も、今どきのスポーティ・バイアスがとても気に入っているのだが、同じタイヤを使っているユーザーに話を聞いてみると、重い・鈍い・振れる…といったネガティブなフィーリングに悩まされている人と、乗り心地が良い・グリップが良い・ハンドリングがシャープ…と絶賛する人の2グループに分かれる。不可解だったので、よくよく話を聞いてみると、良くない評価をした人の多くが、低めの空気圧で使っていることがわかった。

1970~80年代に造られたバイクの指定空気圧は、その当時のタイヤ(もちろん古いバイアス)を履いた場合の “指定” であり、どんなタイヤを履いてもそのバイクに合う…といった数値ではない。そこんところを考えて、今どきのスポーティ・バイアスを履いたなら、前後とも、古い指定空気圧の1割~2割増しあたりの範囲で増減させてみて、好ましいフィーリングの得られる “パーソナル空気圧” を探してみてほしい。タイヤに対する評価が変わること、うけあいだ。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索