【バーグマン400 ABS】400ccのビッグスクーターを選ぶ意味 試乗インプレ・レビュー

【バーグマン400 ABS】400ccのビッグスクーターを選ぶ意味

掲載日:2018年05月25日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/田宮 徹

【バーグマン400 ABS】400ccのビッグスクーターを選ぶ意味

BURGMAN400 ABS

これまでのスカイウェイブから
車名を世界基準のバーグマンに

初代が1998年秋に新登場して以降、20年間にわたって販売が続けられてきたスカイウェイブ400シリーズが、2017年夏に国内排出ガス規制の変更により生産終了。その後継として2017年8月に発売が開始されたのが、このバーグマン400 ABSだ。

スズキは、欧州をはじめとする海外市場ではこれまでも、大中排気量帯のスクーターをバーグマンとして展開してきた。今回のモデルチェンジでは、車名もこれに統一。すでに欧州市場に導入されていた2017年型を、少し遅れて日本市場にも投入するカタチで、大幅刷新を図ってきた。

スズキ バーグマン400 ABS 特徴

LEDヘッドライトが質感を高め
コンパクトな車体が軽快性を感じさせる

先代スカイウェイブ400シリーズから大きく刷新を受けたバーグマン400 ABSは、スチール製フレームから見直され、大口径薄肉パイプの採用で軽量化を実現。これに、新型エアクリーナーボックスの採用をはじめとする吸排気系の見直しで環境性能向上と走行性能アップを両立させたDOHC4バルブエンジンと、ニューデザインでシャープな雰囲気が増された外装類を組み合わせる。

フロントホイールは、先代より1インチ大径で走行安定性に優れる15インチ。トランク容量は、シート下とフロントインナー部ともに先代比で6~7割程度の容量に縮小されたが、そのぶん車体はスリムとなった。車重は、ショートスクリーンでカバーレスハンドルのスカイウェイブ400タイプS ABSと比べても8kgの軽量化。スカイウェイブ400時代は大柄なラグジュアリーセダンという印象だったが、バーグマン400はスポーティクーペに近いイメージだ。

ヘッドライトはLED仕様となり、リアのシャープなLEDコンビネーションランプとともに、質感向上にも一役買っている。極めて豪華な装備は持たないが、要所は押さえているという印象である。

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

スズキ バーグマン400 ABS 試乗インプレッション

ルックスから想像する以上に
俊敏な走行性能が与えられている

シート高は755mmで、先代スカイウェイブ400より45mmアップ。バーグマン400が海外仕様由来であることを感じさせる。ただし、シートの前側はスリムで、なおかつ足元の左右が大きくえぐられたカットフロアボードを採用していることから、シート前端に座れば意外と足着き性はよい。身長167cmの筆者でも、同時に両足の裏をほぼ接地させられる。さすがに、シートの後ろ側に座ったままだと、両つま先が辛うじて着く程度になるが、足着き性に関してよく考慮された設計である。

ライダー用バックレストは、3段階に位置を調整できるため、さまざまな体格のライダーにライディングポジションがマッチしやすい。シートは、幅広だった先代と比べればスリムで、クッション厚は増されているが、スポーティな乗り味を大切にした設計となっている。

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

またがってまず感じるのは、先代スカイウェイブ400に対して明らかにコンパクトなボディサイズ。スカイウェイブ時代は、車体後半の大きさが市街地などの狭い場所で気になることもあったが、バーグマン400にそのような心配は無用だ。ちなみに、ロングスクリーンを装備した冬仕様のスカイウェイブ400リミテッドABSと比べて、全長と全高はそれぞれ35mm短縮されている。

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

そして好印象のまま走りだすと、まずはその加速性能に驚かされる。スカイウェイブは、高回転高速域で伸びる特性だったが、バーグマンは低回転域で明らかに力強い。停止から100km/hに到達するのはごく短時間。大きな山や谷がないフラットでパワフルな加速が、この領域プラスαまで持続する。

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

加速力アップにまず貢献しているのは、吸排気系などが見直されたパワーユニット。最高出力こそ31馬力で同数値だが、その発生回転数は700回転引き下げられ、6300回転となっている。さらに、最大トルクは0.3kgmアップとなり、なおかつ200回転低い4800回転で発揮できるようになった。これに加えて、車体は先代スカイウェイブ400と比べて8~12kgも軽い。エンジン特性の改善と車体の軽量化というふたつの要素が、加速のよさに大きく効いている。

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

従来型よりも格段にスポーティ

加速力が優れていると、郊外のワインディングなどではついスポーティに走らせてみたくなるが、バーグマン400はそのような走りにも応えてくれる。前輪大径化などの恩恵からか、操縦安定性は高めだが、鈍重なイメージは皆無。ライダーの着座位置が高くなり、車重が削減されたことで、スカイウェイブ400よりもはるかにキビキビと操れる。穏やさが魅力だったスカイウェイブとは方向性がだいぶ異なるが、欧州市場をターゲットとしたモデルらしさがあり、そして日本で乗っても気持ちよい。

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

前後のサスペンションは、スカイウェイブと比べてハードな傾向。首都高速などでは、路面の継ぎ目から受ける衝撃が大きめだが、動きが悪いわけではなく、これもスポーツ性の演出と考えれば十分に許容範囲だ。最低地上高値は同じだが、サスペンションがハードになったことで沈み込みが浅いためか、センタースタンドが接地するまでのバンク角は、スカイウェイブよりも増えている印象がある。

ブレーキは、アンチロックシステムを標準装備。レバーのタッチは前後ともカチッとしている。ABSの制御は秀逸で、ドライ路面かつ車体が直立に近い状態であれば、タイヤがスキール音を上げながらもロックしない状態をキープしてくれる。残念ながらウェット路面での試乗はできなかったが、日常ユースやツーリングにおいて頼れる存在となるだろう。

タンデムシートは、後端を盛り上げることで安心感を高めながら、大きな座面やグラブバーの装備で居住性を高めてあり、二人乗りも快適。高速巡航時に、胸元などに走行風の巻き込みがやや強めに感じられるところは残念だが、これはライダーの座高によって状況が変わる可能性もあり、さらに社外品のスクリーンが多く発売されれば、それらで改善することもできるだろう。

スズキ バーグマン400 ABSの試乗インプレッション

これまでのスカイウェイブ400と比べて、大幅にスポーツ性が増したところが最大のアピールポイント。車検がない軽二輪クラスの低めな維持費も魅力だが、バーグマン400 ABSに乗ってしまうと、「やっぱりビッグスクーターにはこれくらいの動力性能が欲しいよねえ!」と思ってしまう。

詳細写真

フロントホイールは、先代スカイウェイブ400シリーズより1インチ大径となる15インチ。ブレーキは260mm径のダブルディスク仕様で、片押し2ピストンキャリパーが組み合わされ、アンチロック機構を備えている。

リアブレーキも当然ながら油圧ディスク式で、210mm径のディスクに、パーキングブレーキ機構が一体化された片押し2ピストンキャリパーを組み合わせる。リアホイールは、従来型を踏襲する13インチ径となる。

ウインドスクリーンはロングタイプながら、極端に大きくせず、良好な視界確保やスリムなルックスにつなげてある。カウルとの境界線中央付近にエアダクトを設けることで、走行風の巻き込みなどを軽減している。

シャープなデザインの2眼式ヘッドライトはLED仕様。ロービーム時には上側、ハイビーム時は上下両方が点灯する。ポジションランプと導光タイプのラインガイドが一体化され、高級感あるフロントマスクを確立する。

メーターはシンプルな構成。左側に指針式の速度計、右側に同じく指針式の回転計を配置し、中央に時刻や残燃料、燃費や外気温などを表示できる液晶パネルを備える。低燃費走行時に点灯するインジケーターも搭載。

メインキーシリンダーはシャッター付きで、オフの状態からカギを押し込みながら右に回すと、シート下トランクを解錠できる。キーシリンダーの左側には、大型ノブで操作がしやすいパーキングブレーキを備えている。

フロントインナーボックスは左右分割式。左側は2.8L容量で、より奥行きがある右側は3.5L容量。右側には500mlサイズのペットボトルが余裕で入り、内部にDC12V電源ソケットを装備する。左右ともロック機構はない。

シートは、先代スカイウェイブ400シリーズより20mm厚いクッションとしながら、スリムなデザイン。ダブルステッチ仕上げで質感を高めてある。ライダー側のバックレストや、タンデムライダー用のグラブバーも標準装備する。

ライダー用のバックレストは、15mm幅で3段階からポジションを選べる。位置調整には、シート裏側にアクセスして、ヘキサゴンレンチで2本のボルトを一度抜かなければならないが、それほど難しい作業ではない。

先代スカイウェイブ400シリーズのシート下トランクはクラス最大級の63L容量を誇っていたが、新型バーグマン400は42L容量。フルフェイスヘルメット1個と、帽体が小さめのオープンフェイスヘルメットが同時収納できる。

フロアボードは、ライダーの足着き性を向上するため、左右の足元付近を大きく絞り込んだデザイン。一方で、前側のスペースは広く取り、足を投げ出して乗るようなリラックスできるライディングポジションにも対応する。

タンデムライダー用フットレストは、ワンプッシュ式ではない折りたたみ式のペグタイプ。ボードタイプとしないことでボディデザインをスリム化することが可能で、さまざまな靴底形状にフィットしやすいというメリットも生まれる。

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