新規制にいち早く対応した250ccスクーター キムコ G-Dink250iをインプレッション 試乗インプレ・レビュー

キムコ ジーディンク250i

G-Dink250i
KYMCO

新規制にいち早く対応した250ccスクーター キムコ G-Dink250iをインプレッション

掲載日:2017年12月27日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/西野鉄兵

250ccスクーター新時代に先頭を切って登場!
スクーターならではの利便性を徹底的に追及している

2017年10月、新たな排ガス規制により、各社さまざまな名車が生産終了となった。なかでも国内メーカーの250ccスクーターはほとんどが姿を消すことに。ヤマハのマジェスティやホンダのフォルツァなどビッグスクーターブームを牽引したモデルがラインナップ落ちとなってしまったのだ。

そんなスクーターファンを脅かす事態のなか、台湾メーカーのキムコは2017年11月1日にニューモデルを販売開始した。それがこのG-Dink250iである。最新の排ガス規制「EURO4」の基準をHCやNOXにおいて約60%も下回るクリーンなエンジンを搭載している。

スタイリングで最大の特徴は、250ccスクーター唯一のフラットフロアの採用だ。これにより足元に大きめのバッグなどを置くこともできる。また、電源ソケットを2カ所に配備するなど最新モデルならでは装備が嬉しい。

ABSを前後に標準搭載しながら、43万2,000円という価格も非常に魅力的だ。

キムコ ジーディンク250i 特徴

所有者の年代を問わない洗練されたスタイリングに
ヨーロッパでの人気ぶりを実感!

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

ビッグスクーターとして存在感のあるフォルムでありながら、フットボードは125cc以下のスクーターのように便利なフルフラット。これが斬新なルックスにつながっている。

車体は全長がフォルツァやマジェスティと比べると6cmほど短く、そのコンパクトさは市街地の走行に適している。また全長が短いからといって、ライダーやパッセンジャーが窮屈な思いをするかというと、どちらも充分すぎるほどのスペースがある。

車体色はこのホワイトのほか、マットレッドとディープパープルがある。ホワイトは白を基調に赤がアクセントとなっており、よく見るとブレーキディスクの赤い部分も、見事にマッチしている。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

フロントマスクやグラブバーの突端など、尖ったデザインからはシャープな印象を受ける。キムコは台湾のメーカーだが、ヨーロッパ、とくにイタリアで人気がある。それはお手ごろな価格もさることながら、デザイン性の高さも認められているという証なのだろう。バックミラーのステー部分やセンタースタンドの形状、前後のウインカーの位置などディテールへのこだわりがうかがえる。オジサンっぽさがまるでないから驚きだ。

全高は大型のスクリーンが備わっている分、フォルツァやマジェスティよりも高い。全幅は他のビッグスクーターと同程度かやや幅広な数値となっている。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

エンジンは、グランドディンクなどで定評のあった水冷4ストローク単気筒2バルブエンジンをフューエルインジェクション化したもの。前述の通り、最新の排ガス基準を大きく下回るクリーンな仕様で、今後も使われていくだろう。

駆動はベルトドライブで、外からは見ることができない。10,000kmの走行を目安に交換すると安全だろう。

欧州市場をメインターゲットとしているため、サイドリフレクターがフロントマスクの両側面に標準装備されている。これが備わっているだけで「外車感」の印象を受けるから不思議だ。

キムコ ジーディンク250i 試乗インプレッション

コンパクトな車体と広いハンドル切れ角
街中をスイスイ走れるスピードスター!

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

日本以外の市場をメインとしたスクーターは未舗装路の走行を考慮しているため、最低地上高が高く、シート高が高いこともしばしば。さてこのバイクはどうかな? と跨ってみると、両足が地面にべったり着いて安心感がある。ハンドルやフットボードの位置も身長175cmにはちょうど良い。窮屈でもなく大き過ぎることもなく、極めてニュートラルなポジションで走行できそうだ。

それではいざ、イグニッションをオン! するとミラーが揺れるくらいの少し強めの振動を感じた。やや不安に思いながら走り出すと、スピードが上がるにつれて振動は収まり、鼓動感は皆無。好みはあるだろうが、スクーターに鼓動感を求めるのは少数派だろう。まるで電動バイクかと思うほど穏やかなエンジンだ。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

このモデルはスタートダッシュがとくに得意なようだ。跨った状態で感じるイメージよりも軽々と発進した。スロットルの開き具合に対して「こんなに進むの!?」と、はじめは戸惑うほどだ。しかしそれもすぐに慣れる。信号待ちで先頭になれば、誰よりも素早く発進できそうだ。

その秘密は車体の軽さにもある。フォルツァが車重200kgを超えるのに対して、ABS付きながらG-Dink250iは182kgと軽量だ。スタートダッシュの良さは、通勤通学やシティユースで非常にありがたい。ちなみにこの軽さは取り回しにも大きく貢献している。跨ったまま前進も後退もラクラクできる。

街中での細かいコーナリングも軽快にこなしてくれる。ハンドルの切れ角が広く、路地裏の走行やUターンも気軽に行なえた。実際に乗ってみると見た目のサイズより小さく感じ、街中での走行にストレスを感じることはなかった。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

さらにスピードを上げて走ると違和感が生まれた。足元がスカスカということだ。フラットフロアのフットボードは荷物を置けて便利だが、このタイプで高速道路に乗ったことはこれまでなかった。そのため時速80kmを超えるとやや不安な感じがある。ただ、それはこれまでの経験からの話で、はじめて乗るのがこのモデルなら、何とも思わないかもしれない。

エンジンの性能的には時速100kmまでスムーズに加速し、その速度域での巡航もまるで問題はなかった。むしろまだまだ余裕がある感じで、今回は試せていないが、タンデム走行でも時速100km巡航は苦にならないだろう。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

ハイスピードでのコーナリングでは、他のビッグスクーター同様にコツがいる。フレームがフットボードの下部に備わっているスクーターは当然だがニーグリップできないため、安定感の確保が難しい。そこで自分の足をフレームにするイメージで走る。少しかかとに力を入れて踏ん張って走ると安定感が得られ、バンクさせやすくなる。タイヤが小さくて曲がりやすく見えそうだがホイールベースが長いビッグスクーターは、峠道などで速く走ろうと思うと、結構難しい。

街中でも長い直線でも、足は椅子に座るように真っ直ぐ下ろすのではなく、フォワードコントロールのクルーザーモデルのように前へ投げ出して、軽く力を入れると車体と身体に一体感が生まれ走りやすくなるはずだ。他のスクーターに乗っている方もぜひ試してみてほしい。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

ブレーキは多くのビッグスクーターや自転車と同様、右レバーが前輪、左レバーが後輪だ。コンビネーションブレーキではないため、両方同時に適度な強さで握る必要がある。モーターサイクルの制動配分は前輪重視が一般的だが、G-Dink250iのブレーキは前輪に対して後輪の効きが強い印象。意図的に前を強めにかけた方がよさそうだ。

さて、まとめると、街中ではビッグスクーターとは思えないほど俊敏に走り、速度を上げれば250ccならではの充分なパワーを発揮してくれるこのモデルは、日常のオンロードで使うシーンを問わない。通勤通学に使いながら、週末はちょっと遠出もしたいと思っている「1台主義」の方にはおすすめだろう。そして便利な最新ユーティリティが満載されており、充実の装備でメーカー希望小売価格43万2,000円(税込)はお買い得だ!

詳細写真

ハンドルはきわめてニュートラルな形状と幅。ミラーの形状はステーもミラー本体も凝っている。キーはハンドルの右下に差込口がある。シート下ラゲッジもこの穴に差し込んで開けるので便利。ちなみにキーシリンダーへのいたずらや雨・ほこりの浸入を防ぐフタが備わっている。

アナログ式のタコメーターとデジタルのスピードメーター、燃料計、水温系、時計、オドメーターが備わっている。オドはトリップメーター表示の変更ができる。シンプルで誰でも分かりやすいだろう。ちなみに海外でも販売されているため、マイル表示に切り替えることも可能。日本では使わないが、外車感をここでも感じられる。

これが現代のライダーにはもっとも嬉しい装備かも。左側のグローブポケットの内部に電源ソケットが配備されている。しかもよくあるシガーソケットタイプではなく、端子はUSBだ。6インチの一般的なスマートフォンなら中に入れてフタを閉じることができる。

フラットフロアのフットボード。原付よりもスペースが広いため、スポーツバッグなど大きめのバッグも置きやすい。足は斜めになった前方のフットボードに置けばいいから、キャンプツーリングのときはここにテントやマットなどをパッキングすることもできるだろう。

燃料給油口は斜めになったフットボードの中央部にある。カバーを開けたらキャップが現れる。キャップは鍵で開けるタイプ。燃料タンクの容量は9リットルで、250ccスクーターではやや少なめ。給油口の上にはいろいろ役立つコンビニフックが備わっている。

シートは人間工学に基づいてデザインされている。走行時の快適性の高さとともに、足を地面に下す際の足つき性にも大きく貢献している。実際に半日乗っていても、お尻が痛くなることはなかった。

シートを開ける際はメインスイッチからワンタッチ。アライヘルメットSZ-RAM4を入れてみたが、どこにもぶつからずしっかり閉じた。ものにもよるがフルフェイスヘルメットも入る。さらにグローブとレインウエアが入るくらいのスペースがあまるのでとても便利。ラゲッジ内にはLEDのセンサーライトが付いているため、暗い環境でも荷物の出し入れに困ることはない。

ヘルメットホルダーが付いているのも嬉しい。反対側にも同じようにフックがあるため、2個同時に掛けられる。

タンデムステップはプッシュ式。ボタンを押すと格納されているステップが開く。戻す際は、ステップを折りたたむ。リアシートも広く、しっかりとした握りやすいグラブバーが標準装備されている。タンデム走行も快適だろう。

ヘッドライトは、向かって右側がロービーム。ハイビームにすると右側は消えて、左側が点灯する。H7ハロゲンバルブのヘッドライトにLED式のアイラインが備わった視認性と被視認性を高めたもの。ウインカーはヘッドライト下部のカウルに備わっている。

テールランプのギラギラ感には驚いた。立体的なデザインで中を覗き込むとダンスホールのようだ。これが後続車への存在アピールにつながり、安全性を高めている。ウインカーはすぐ横に配備。写真はハザードランプを点灯した状態。テールランプ、ウインカーともにハロゲンを採用。

大型のスクリーンが寒風を防ぎ、高速走行では走行風を受け流して疲労を軽減。燃費もこれで大きく変わる。高さは2段階に調整可能。4カ所のボルト留めで作業時間は15分ほど。納車時は高さを選んで調節してもらえる。

13インチの前輪。タイヤは台湾ブランドのKENDA。ブレーキはキムコ製のØ240mmのシングルディスク。サスペンションは正立フォークだ。BOSCH製の高性能ABS標準搭載で、試しに強めにかけるとすぐにその効きが分かった。

リアタイヤは12インチでワイドめのサイズを採用している。フロント同様ABSを装備。サスペンションはツインショック式で、5段階のプリロード調整機能付き。タンデム時など、状況や好みに応じて簡単にセッティングを変更できる。

センタースタンドが標準装備なのが嬉しい。車体が軽いので、センタースタンドを上げるのもラクラク。そのかわり、パーキングブレーキは付いていないので、急傾斜に停めるのはなるべく控えたい。

身長175cmの筆者にとってちょうどいいと感じられる車格。160cm台の方でも不安なく乗ることができると思う。スクリーンは終始低めに設定していたが、その効果を実感。高いほうに付け替えれば50mmアップする。

両足のかかとまでぴったり付けられた。車体の後部は細身でシルエットがかっこいい。

コーナリングでは機敏に動き、これまでビッグスクーターに乗ってきて思った鈍重な印象はまるでなかった。街中では150ccクラスの感覚でスイスイ走れる。それでいてスピードを上げたときの安定感も充分。シートも快適なので、ロングツーリングもラクラクこなせるだろう。

試乗ライダー プロフィール
西野鉄兵
ツーリングマガジン『アウトライダー』編集部デスク。ビッグスクーターブームの2002年からバイクに乗り出し、初めて所有した250ccはホンダ・フュージョン タイプX。学生時代にはこのバイクで毎日往復100kmの距離を通い、長い休みには全国各地を走り回ってきたツーリング好き。

SPECIFICATIONS – KYMCO G-Dink250i

キムコ ジーディンク250i 写真

価格(消費税込み) = 43万2,000円
※表示価格は2017年12月現在

フラットフロアを250㏄スクーターで唯一採用し、電源ソケットを2カ所に標準搭載。日常用途からツーリングまで使い勝手の良さを追い求めた、キムコが放つ新世代ビッグスクーター。

■エンジン型式 = 水冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ

■総排気量 = 249cc

■ボア×ストローク = 72.7×60.0mm

■最高出力 = 14.6kW(19.9PS)/7,500rpm

■最大トルク = 20.9N・m(2.1kgf・m)/6,500rpm

■トランスミッション = CVT

■全長×全幅×全高 = 2,115×770×1,360mm

■車両重量 = 182kg

■シート高 = 770mm

■ホイールベース = 1,450mm

■タンク容量 = 9リットル

■Fタイヤサイズ = 120/70-13

■Rタイヤサイズ = 140/70-12

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