キムコ ジーディンク250i

G-Dink250i
KYMCO

新規制にいち早く対応した250ccスクーター キムコ G-Dink250iをインプレッション

掲載日:2017年12月27日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/西野鉄兵

詳細写真

ハンドルはきわめてニュートラルな形状と幅。ミラーの形状はステーもミラー本体も凝っている。キーはハンドルの右下に差込口がある。シート下ラゲッジもこの穴に差し込んで開けるので便利。ちなみにキーシリンダーへのいたずらや雨・ほこりの浸入を防ぐフタが備わっている。

アナログ式のタコメーターとデジタルのスピードメーター、燃料計、水温系、時計、オドメーターが備わっている。オドはトリップメーター表示の変更ができる。シンプルで誰でも分かりやすいだろう。ちなみに海外でも販売されているため、マイル表示に切り替えることも可能。日本では使わないが、外車感をここでも感じられる。

これが現代のライダーにはもっとも嬉しい装備かも。左側のグローブポケットの内部に電源ソケットが配備されている。しかもよくあるシガーソケットタイプではなく、端子はUSBだ。6インチの一般的なスマートフォンなら中に入れてフタを閉じることができる。

フラットフロアのフットボード。原付よりもスペースが広いため、スポーツバッグなど大きめのバッグも置きやすい。足は斜めになった前方のフットボードに置けばいいから、キャンプツーリングのときはここにテントやマットなどをパッキングすることもできるだろう。

燃料給油口は斜めになったフットボードの中央部にある。カバーを開けたらキャップが現れる。キャップは鍵で開けるタイプ。燃料タンクの容量は9リットルで、250ccスクーターではやや少なめ。給油口の上にはいろいろ役立つコンビニフックが備わっている。

シートは人間工学に基づいてデザインされている。走行時の快適性の高さとともに、足を地面に下す際の足つき性にも大きく貢献している。実際に半日乗っていても、お尻が痛くなることはなかった。

シートを開ける際はメインスイッチからワンタッチ。アライヘルメットSZ-RAM4を入れてみたが、どこにもぶつからずしっかり閉じた。ものにもよるがフルフェイスヘルメットも入る。さらにグローブとレインウエアが入るくらいのスペースがあまるのでとても便利。ラゲッジ内にはLEDのセンサーライトが付いているため、暗い環境でも荷物の出し入れに困ることはない。

ヘルメットホルダーが付いているのも嬉しい。反対側にも同じようにフックがあるため、2個同時に掛けられる。

タンデムステップはプッシュ式。ボタンを押すと格納されているステップが開く。戻す際は、ステップを折りたたむ。リアシートも広く、しっかりとした握りやすいグラブバーが標準装備されている。タンデム走行も快適だろう。

ヘッドライトは、向かって右側がロービーム。ハイビームにすると右側は消えて、左側が点灯する。H7ハロゲンバルブのヘッドライトにLED式のアイラインが備わった視認性と被視認性を高めたもの。ウインカーはヘッドライト下部のカウルに備わっている。

テールランプのギラギラ感には驚いた。立体的なデザインで中を覗き込むとダンスホールのようだ。これが後続車への存在アピールにつながり、安全性を高めている。ウインカーはすぐ横に配備。写真はハザードランプを点灯した状態。テールランプ、ウインカーともにハロゲンを採用。

大型のスクリーンが寒風を防ぎ、高速走行では走行風を受け流して疲労を軽減。燃費もこれで大きく変わる。高さは2段階に調整可能。4カ所のボルト留めで作業時間は15分ほど。納車時は高さを選んで調節してもらえる。

13インチの前輪。タイヤは台湾ブランドのKENDA。ブレーキはキムコ製のØ240mmのシングルディスク。サスペンションは正立フォークだ。BOSCH製の高性能ABS標準搭載で、試しに強めにかけるとすぐにその効きが分かった。

リアタイヤは12インチでワイドめのサイズを採用している。フロント同様ABSを装備。サスペンションはツインショック式で、5段階のプリロード調整機能付き。タンデム時など、状況や好みに応じて簡単にセッティングを変更できる。

センタースタンドが標準装備なのが嬉しい。車体が軽いので、センタースタンドを上げるのもラクラク。そのかわり、パーキングブレーキは付いていないので、急傾斜に停めるのはなるべく控えたい。

身長175cmの筆者にとってちょうどいいと感じられる車格。160cm台の方でも不安なく乗ることができると思う。スクリーンは終始低めに設定していたが、その効果を実感。高いほうに付け替えれば50mmアップする。

両足のかかとまでぴったり付けられた。車体の後部は細身でシルエットがかっこいい。

コーナリングでは機敏に動き、これまでビッグスクーターに乗ってきて思った鈍重な印象はまるでなかった。街中では150ccクラスの感覚でスイスイ走れる。それでいてスピードを上げたときの安定感も充分。シートも快適なので、ロングツーリングもラクラクこなせるだろう。

試乗ライダー プロフィール
西野鉄兵
ツーリングマガジン『アウトライダー』編集部デスク。ビッグスクーターブームの2002年からバイクに乗り出し、初めて所有した250ccはホンダ・フュージョン タイプX。学生時代にはこのバイクで毎日往復100kmの距離を通い、長い休みには全国各地を走り回ってきたツーリング好き。

SPECIFICATIONS – KYMCO G-Dink250i

キムコ ジーディンク250i 写真

価格(消費税込み) = 43万2,000円
※表示価格は2017年12月現在

フラットフロアを250㏄スクーターで唯一採用し、電源ソケットを2カ所に標準搭載。日常用途からツーリングまで使い勝手の良さを追い求めた、キムコが放つ新世代ビッグスクーター。

■エンジン型式 = 水冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
■総排気量 = 249cc
■ボア×ストローク = 72.7×60.0mm
■最高出力 = 14.6kW(19.9PS)/7,500rpm
■最大トルク = 20.9N・m(2.1kgf・m)/6,500rpm
■トランスミッション = CVT
■全長×全幅×全高 = 2,115×770×1,360mm
■車両重量 = 182kg
■シート高 = 770mm
■ホイールベース = 1,450mm
■タンク容量 = 9リットル
■Fタイヤサイズ = 120/70-13
■Rタイヤサイズ = 140/70-12

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