キムコ ジーディンク250i

G-Dink250i
KYMCO

新規制にいち早く対応した250ccスクーター キムコ G-Dink250iをインプレッション

掲載日:2017年12月27日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/西野鉄兵

キムコ ジーディンク250i 試乗インプレッション

コンパクトな車体と広いハンドル切れ角
街中をスイスイ走れるスピードスター!

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

日本以外の市場をメインとしたスクーターは未舗装路の走行を考慮しているため、最低地上高が高く、シート高が高いこともしばしば。さてこのバイクはどうかな? と跨ってみると、両足が地面にべったり着いて安心感がある。ハンドルやフットボードの位置も身長175cmにはちょうど良い。窮屈でもなく大き過ぎることもなく、極めてニュートラルなポジションで走行できそうだ。

それではいざ、イグニッションをオン! するとミラーが揺れるくらいの少し強めの振動を感じた。やや不安に思いながら走り出すと、スピードが上がるにつれて振動は収まり、鼓動感は皆無。好みはあるだろうが、スクーターに鼓動感を求めるのは少数派だろう。まるで電動バイクかと思うほど穏やかなエンジンだ。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

このモデルはスタートダッシュがとくに得意なようだ。跨った状態で感じるイメージよりも軽々と発進した。スロットルの開き具合に対して「こんなに進むの!?」と、はじめは戸惑うほどだ。しかしそれもすぐに慣れる。信号待ちで先頭になれば、誰よりも素早く発進できそうだ。

その秘密は車体の軽さにもある。フォルツァが車重200kgを超えるのに対して、ABS付きながらG-Dink250iは182kgと軽量だ。スタートダッシュの良さは、通勤通学やシティユースで非常にありがたい。ちなみにこの軽さは取り回しにも大きく貢献している。跨ったまま前進も後退もラクラクできる。

街中での細かいコーナリングも軽快にこなしてくれる。ハンドルの切れ角が広く、路地裏の走行やUターンも気軽に行なえた。実際に乗ってみると見た目のサイズより小さく感じ、街中での走行にストレスを感じることはなかった。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

さらにスピードを上げて走ると違和感が生まれた。足元がスカスカということだ。フラットフロアのフットボードは荷物を置けて便利だが、このタイプで高速道路に乗ったことはこれまでなかった。そのため時速80kmを超えるとやや不安な感じがある。ただ、それはこれまでの経験からの話で、はじめて乗るのがこのモデルなら、何とも思わないかもしれない。

エンジンの性能的には時速100kmまでスムーズに加速し、その速度域での巡航もまるで問題はなかった。むしろまだまだ余裕がある感じで、今回は試せていないが、タンデム走行でも時速100km巡航は苦にならないだろう。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

ハイスピードでのコーナリングでは、他のビッグスクーター同様にコツがいる。フレームがフットボードの下部に備わっているスクーターは当然だがニーグリップできないため、安定感の確保が難しい。そこで自分の足をフレームにするイメージで走る。少しかかとに力を入れて踏ん張って走ると安定感が得られ、バンクさせやすくなる。タイヤが小さくて曲がりやすく見えそうだがホイールベースが長いビッグスクーターは、峠道などで速く走ろうと思うと、結構難しい。

街中でも長い直線でも、足は椅子に座るように真っ直ぐ下ろすのではなく、フォワードコントロールのクルーザーモデルのように前へ投げ出して、軽く力を入れると車体と身体に一体感が生まれ走りやすくなるはずだ。他のスクーターに乗っている方もぜひ試してみてほしい。

キムコ ジーディンク250iの試乗インプレッション

ブレーキは多くのビッグスクーターや自転車と同様、右レバーが前輪、左レバーが後輪だ。コンビネーションブレーキではないため、両方同時に適度な強さで握る必要がある。モーターサイクルの制動配分は前輪重視が一般的だが、G-Dink250iのブレーキは前輪に対して後輪の効きが強い印象。意図的に前を強めにかけた方がよさそうだ。

さて、まとめると、街中ではビッグスクーターとは思えないほど俊敏に走り、速度を上げれば250ccならではの充分なパワーを発揮してくれるこのモデルは、日常のオンロードで使うシーンを問わない。通勤通学に使いながら、週末はちょっと遠出もしたいと思っている「1台主義」の方にはおすすめだろう。そして便利な最新ユーティリティが満載されており、充実の装備でメーカー希望小売価格43万2,000円(税込)はお買い得だ!

G-Dink250iの詳細写真は次のページにて

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