ベスパ GTS250 試乗インプレ・レビュー

ベスパ GTS250
ベスパ GTS250

ベスパ GTS250

掲載日:2016年10月05日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

先進デザインとファッション性で時代をリード
スクーター文化を根付かせたベスパ

1946年に誕生したベスパは、スクーターというジャンルをライフスタイルに根付かせた初めてのブランドとして知られる。開発当初から操作が簡単で、オイルで服が汚れず、女性がスカートでも乗れるバイクという現在につながるコンセプトを、70年前にすでに具現化していたのがベスパである。航空機製造の技術を応用したスチールモノコックボディや片持ち式のフロントサスペンション、エンジンと駆動部が一体となったユニットスイング方式などは、ブランド立ち上げ当初から一貫して受け継がれてきたデザインである。「ローマの休日」をはじめとする多くの映画やTVドラマにも登場するなど、時代を映すファッションアイコンとしても、スクーターという価値を超えた存在と言っていいだろう。今回はそのベスパの代表的モデル、GTS250を紹介したい。

動画『やさしいバイク解説:ベスパ GTS250』はコチラ

ベスパ GTS250 特徴

コンパクトな車体にパワフルなエンジンを搭載
中距離タンデムも余裕でこなすGTスクーター

ベスパ GTS250の試乗インプレッション

モデル名にもなっているGTSは「グランツーリスモ」の略。つまり、長距離を高速で快適に移動できるスポーツモデルという意味である。外装ボディがフレームを兼ねる強固なスチールモノコック構造に水冷4ストローク単気筒、排気量244ccのパワフルなエンジンを搭載。プリマベーラなどと比較してもひと回り大きなボディサイズやワイドなシート座面、広いフットレストスペースが余裕の高速クルージングと中距離タンデムツーリングを実現する。

ベスパ GTS250の試乗インプレッション

ブランド創立以来のアイデンティティでもある、片持ち式フロントサスペンションやツインリアショック、前後ディスクブレーキを備えた12インチホイールがスポーティな走りにも対応。標準装備のリアキャリアや、スイッチひとつでロック解除できるシート下のヘルメットスペース、レッグシールド内のグローブボックスにはUSB電源ポートを備えるなど、街乗りでも便利に使えるユーティリティも充実している。

ベスパ GTS250の試乗インプレッション

250ccクラスのスクーターとしてはコンパクトで小回りの利く車体と洗練されたイタリアンデザイン、確かな走りの性能がベスパGTS250の特徴となっている。

動画『やさしいバイク解説:ベスパ GTS250』はコチラ

ベスパ GTS250 試乗インプレッション

美しく優雅にして走りも秀逸
ベスパの価値を味わえる一台

ベスパ GTS250の試乗インプレッション

我々の世代からすると、ハンドシフトに甲高い2ストロークエンジンのエキゾーストが懐かしいベスパだが、今回試乗したのは現代的なスペックと洗練されたデザインを纏った新しい姿のベスパである。それでいて、だれが見てもそれと分かる丸みを帯びた美しいRで構成された、どことなくノスタルジックなフォルムがベスパの魅力と言っていいだろう。

同じピアッジオグループのモトグッツィなどもそうだが、イタリアンメーカーは昔ながらのデザインを現代的に解釈してリボーン(再生)させる手法に優れていると思う。日本的に言うと温故知新。まったくの新型モデルであっても、本来持っている良さやテイストはそのままに、時代に見合った性能とセンスをブレンドすることで、昔からのファンを裏切ることなく新しい価値を与えることに長けている。我々日本人としても見習いたい部分である。

ベスパ GTS250の試乗インプレッション

GTS250はその名の通り、中長距離を一気に駆け抜けることもできる快適スクーターである。見た目はボリューム感があって一見大柄に見えるが、跨ってみると意外にコンパクト。国産250ccスクーターと比べても前後長は明らかに短く、逆にシートはやや高めで、背中を伸ばしてヒザを直角に曲げて乗る正統的なヨーロピアンスタイルとなる。目線が高く見通しが良いことと腰への負担が少ないのがいい。好みの問題だが、国産スクーターにありがちなロー&ロングなクルーザースタイルとはやや異なるライディングポジションだ。

ベスパ GTS250の試乗インプレッション

250ccの水冷単気筒エンジンは最高出力21psとスペック的にはおとなしめに見えるが、実際のところは十分パワフルで高回転までよく回る。信号待ちからのスタートダッシュでもクルマの流れをリードできるし、高速道路では追い越し車線でもストレスがない。エンジン音は4ストローク単気筒らしい小気味よいパルス感があり、それでいて振動も少ないので乗っていて楽しく快適だ。

ベスパ GTS250の試乗インプレッション

印象的だったのが車体剛性の高さ。高速道路のレーンチェンジなどでもしっかりとした安定感があり、コーナリング中の路面の継ぎ目なども難なくクリアしていく。スクーターで一般的なアンダーボーンタイプのフレームとはひと味違うカチッとした乗り味が美点だ。ブレーキタッチは初期が柔らかく、握り込めばきっちり効いてくれるタイプで、ABSは装備されていないがコントローラブル。前後サスペンションも割とコシがあってスポーティな設定。特にリアのツインショックはタンデム高速走行にも耐えられるよう高荷重タイプのようだ。最近のスクーターでは一般的な12インチホイールだが、高速道路や街中の交差点でも不安なくコーナリングできた。

ベスパ GTS250の試乗インプレッション

装備面でも、グローブボックスやコンビニフック、シート下スペースなどの定番に加え、USBポートやクロームメッキのリアキャリアなども便利。そして、こうした機能パーツがデザインの中で美しく融合している点が、ベスパの素晴らしさだ。

スクーターは本来がコミューターであり、毎日でも使うモノだからこそスタイリッシュで人生に彩を与えてくれるものであってほしい。その意味で、やはりベスパという歴史あるイタリアンブランドの持つプレミアム感は大きく、それを所有できる喜びは格別のものがあるだろう。加えて、走りもしゃきっとして街乗りからタンデムツーリングもこなせて使い勝手もいい、となれば当然触手も動く。250ccというサイズ感も、こと日本では重宝するはずだ。洒落た都会の街並みにも映える、絵になるスクーターである。

詳細写真

F.I.式の水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ244ccエンジンとCVT(自動無段階変速機構)や自動遠心クラッチなどの駆動系が一体となったスイングユニット方式を採用。現代のスクーターでは一般的なシステムだがベスパが先鞭をつけたものだ。

新たに強化スライディングサスペンション(ESS)を装備した片持ち式フロントフォークは航空機製造技術を応用したもので、素早いタイヤ交換が可能。前後12インチホイールには共にφ220mmディスクブレーキを採用し、制動力も万全だ。

ベスパ伝統のノスタルジックな丸目一灯タイプのヘッドライト。フロントカウル左右のウインカーを兼ねたポジションランプにはLEDを採用している。

大きな角形テールランプが印象的なリアビュー。ボリューム感のあるボディ一体型リアカウルの左右にはフロント同様ビルトインタイプのウインカーを装備する。

クロームメッキのバーエンドやヒルトが美しいグリップ部。スロットル操作は軽すぎず重すぎず丁度いい手応えだ。セルスターターボタンの左に見えるスイッチは、メーター表示の切り換え用。

レッグシールドに内蔵されたグローブボックスの容量は少なめ。ヒューズボックスの左下にはUSBポートが見える。走行しながらスマホの充電などには重宝するはずだ。分割式のコンビニフックは大きめで使いやすい。

高級感あふれるベージュカラーのシートはクッションにもコシがあってスポーティな乗り心地。ホールド性に優れ、タンデムでも十分ゆとりのあるスペースを確保している。

スイッチひとつでロックを解除できるシート下スペース。半キャップタイプのヘルメットなどが1個収納できて、さらにスペースに余裕あり。右後部には給油口が見える。

シート下スペースのトレーは簡単に取り外すことができ、ユニットスイング部分に容易にアクセスできるなど整備性の良さもポイントだ。ボディを形作る外装そのものが強度部材にもなっているモノコック構造がよく分かる。

クロームメッキが施されたラゲッジラックをシート後方に装備。耐荷重は5kgまで。バネで自動的に跳ね上がって折り畳まれる仕組み。小さなトランクなどをお洒落に積んでみたい。

フラットで広々としたフットレスト。スカートの女性でも乗り降りがしやすく、滑り止めのゴムが前後方向にセットされていて雨の日でも安心感がある。

折り畳み収納式のタンデムステップ。高級感の漂うアルミ製で、バーを出し入れするときのアクションも節度があってカッコいい。そんな細かいディテールのこだわりがベスパの魅力でもある。

シンプルでエレガントなメーターまわり。アナログ式速度メーターの下にはマルチファンクション液晶パネルを採用。オドメーター、ガソリン残量、トリップ、時計などを表示する。

ベスパ GTS250 動画でチェック!

SPECIFICATIONS – VESPA GTS250

ベスパ GTS250 写真

価格(消費税込み) = 69万8,000円
※表示価格は2016年10月現在

「GTS=グランツーリスモ」の名のとおり、街乗りからタンデムでのツーリングまでこなす、イタリアを代表するスクーターメーカー「ベスパ」のお洒落なプレミアムモデル。

■エンジン型式 =水冷4ストローク単気筒 SOHC 4バルブ

■総排気量 =244cc

■ボア×ストローク =72×60mm

■最高出力 =21ps(15.7kw)/8,500rpm

■最大トルク =19.9Nm/6,750rpm

■トランスミッション =自動無段階変速

■サイズ =全長1,930×全幅755×全高1,170mm

■車両重量 =151kg

■シート高 =790mm

■ホイールベース =1,370mm

■タンク容量 =9.5リットル

■Fタイヤサイズ =120/70-12

■Rタイヤサイズ =130/70-12

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