ヤマハ マジェスティS – 原二感覚ながら高速道路も走れるコンパクトなシティコミューター 試乗インプレ・レビュー

ヤマハ マジェスティS
ヤマハ マジェスティS

ヤマハ マジェスティS – 原二感覚ながら高速道路も走れるコンパクトなシティコミューター

掲載日:2014年01月14日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/田宮 徹

原二感覚ながら高速道路も走れる
コンパクトなシティコミューター

ヤマハが13年10月末に国内販売をスタートしたマジェスティSは、スポーティな走行性能、市街地でも扱いやすいコンパクトなボディサイズ、優れた利便性などを追求した、新型軽二輪オートマチックコミューターだ。

搭載するエンジンの排気量は155ccで、これは日本においては「高速道路にも乗れる大きさ」ということになる。現状のヤマハ・スクーターラインアップで考えれば、軽二輪フルサイズとなる249ccのマジェスティと、スタンダード原付二種であるシグナス-Xの間を補完するモデルということになる。つまり、「原付二種的な市街地俊敏性や扱いやすさが魅力だけど、たまには高速道路にも乗りたい」というユーザーの要望に応える1台だ。

ヤマハ マジェスティSの特徴

ヤマハ マジェスティSの画像

前後13インチのホイールと
15馬力の水冷エンジン

このマジェスティSは、前後13インチホイールを採用している。二輪車における前後ホイール径は、車体の安定性と旋回性に大きな影響を与える部分。原付二種クラスでは、12インチ径が採用されることも多いが、ひとまわり大径のサイズをチョイスすることで、安定性向上を狙っている。また、ブレーキは前後ともディスク式で、信頼度の高い制動力を実現している。

一方でパワーユニットは、ユニットスイング式の155cc水冷単気筒エンジン。250版の現行マジェスティと同様となる、ヤマハ独自の防振理論に基づいたプログレッシブピボットマウントを採用している。この機構は、従来の防振リンクを介さずユニットを直接懸架することから、ダイレクト感のある操縦性を可能にする。リアサスペンションは、スペース効率を高めるため、ミッドシップ配置のモノクロス仕様となっている。

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もちろん、利便性追求の部分にも抜かりはない。約32L容量のメイントランク、約2.7L容量のフロントポケット、折りたたみ式のアルミ製コンビニフックなどで、積載性は十分。シャッターキーや折りたたみ式タンデムステップ、フロント給油口やサイドスタンドを標準装備している。

ヤマハ マジェスティSの試乗インプレッション

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日本の道にジャストフィットする
エンジンとボディサイズ

さて実車にまたがってみると、まずは意外とシート高があることに気づく。発表されているスペックは795mmで、シート幅がそれなりにあることから、身長167cmで体重63kgの筆者がまたがると、シート前側に座った状態で両足の裏が1/3ほど、後ろ側に座った状態ではつま先のみが接地する感じだ。小柄な女性などは、少し不安を覚えるかもしれない。ただし、車両重量が145kgと軽めなので、べったり足が着かなくても、問題なく支えていられる。

一方で、高めにセットされたシートは、走りだしてしまえば市街地における高いアイポイントにつながり、結果的には状況判断がしやすくて乗りやすい。もちろん、幅が広めなシートは優れた快適性を生みだしている。

ヤマハ マジェスティSの画像

エンジンは、原付二種クラスのシグナス-Xが11馬力なのに対し、15馬力と発表されている。ストップ状態からのアクセル全開加速では、出足でクラッチがつながりはじめるほんの一瞬だけはごく普通だが、その後はかなり元気の良いダッシュを披露する。レッドゾーンが9500回転なのに対し、すぐに7500回転をキープした加速状態になることを考えると、かなり高回転を多用する変速機構と言ってよいだろう。

従来、日本仕様のスクーターは、厳しい加速騒音規制への対応から、常用速度域である30~60km/hあたりで加速が鈍ることも多いが、このマジェスティSのパワーユニットにはそのような落ち込みも感じられない。つまり、とてもスムーズな加速が続いていく。

ヤマハ マジェスティSの画像

市街地での日常ユースを考えると、これだけでもかなり高評価だが、さらにその加速は、100km/h付近まで衰えることなく続いていく。さすがに、100km/h超の世界では余力が少なくなるが、それでもプラス20%ほどの性能は秘めている。日本の法定最高速度を考慮し、この範囲内での性能を重視したような変速設定が与えられていて、かなり好感が持てる。

ちなみにエンジン音は、近年の国内仕様スクーターからすると、やや力強い印象もある。とはいえ、もちろん厳しい規制をクリアしている国内仕様車のため、十分に静か。早朝や深夜に住宅街を走らなければならないユーザーでも、気にすることなく使用できるだろう。

一方で車体も、エンジン同様に日本の市街地に向く設定となっている。前後13インチホイールを履く車体は安定性に優れ、しかも軽い車体は交差点やカーブをひらひらと旋回できる。ハンドリングにこれと言ったクセはなく、だれでもすぐに自在に操れるようになるだろう。

ヤマハ マジェスティSの画像

操縦しやすいニュートラルなコーナリング特性のため、かなり無理が効くことから、郊外のカーブでスポーティに走るとメインスタンドが接地してしまうこともあるが、バンク角が極端に少ないわけでもない。

また、ブレーキは前後ともコントローラブル。とくにフロントは、優れた車体バランスや13インチ径の前輪、よく動くフロントサスペンションの恩恵もあり、スクーターとしてはかなり強く握り込んでいける仕様となっている。スクーターが本来は苦手とするフロントブレーキだけの急制動も、まるで怖さがない。このモデルでスポーティに走り続けるという人は少ないだろうが、市街地においても、安心感につながってくれる。

スリムな車体は、混雑した道路や狭い裏路地でも、ストレスなく扱うことが可能。とくに都市部においては、抜群の機動力を発揮してくれる。

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もちろん、前述のようにいざとなれば高速道路に乗ることができ、原付二種クラスを大きく凌ぐ加速力はタンデムも十分にこなす。ライダー側だけでなく後席の居住性にも優れるため、ある程度の長い距離をタンデムで移動することも問題ない。

原付二種クラスとの大きな違いは、保険や税金などのランニングコストと、駅前などにある原付二種クラスまでOKな駐輪場が使用できなくなる点。しかし代わりに、優れた動力性能と、高速道路の使用許可を得ることができる。

どちらを取るかはユーザーの生活スタイルによっても異なるだろうが、単純にひとつのシティコミューターモデルとして、マジェスティSは非常に優秀であると断言できる。

ヤマハ マジェスティSの詳細写真

ヤマハ マジェスティSの画像

500mlペットボトルが収納でき、幅も広めに設定された約2.7L容量のフロントポケットを、ハンドル下部に装備する。その上側には、開閉式の上質なアルミ製コンビニフックも採用し、日常での利便性を高めてある。

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シート下には、約32L容量のメイントランクを装備。一般的なサイズのフルフェイスヘルメットを1個収納して、さらにレインウエアなどのアイテムを同時収納することができる。シート開閉機構には、ダンパーを採用する。

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シート下トランクの前方部には、ヘルメットのバックルを掛けて使用できる簡易的なヘルメットホルダーを、左右に各1個採用している。トランクにヘルメットの2個同時収納はできないが、この装備によりタンデム時も心配なし。

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メインキーシリンダーには、盗難抑止を目的としたシャッターを装備。セットはレバーで、解除はキーヘッド部を使って行う。メインキーシリンダーでは、OFFの状態から押し込まずにカギを左に回すことで、シートの解錠もできる。

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メーターパネルは3連タイプで、9500回転からレッドゾーンとなる指針式タコメーターをセンターに配置。右側には、速度や時刻、オド、トリップ、オイル交換時期を表示できる液晶パネルを採用。左側には、指針式燃料計を備える。

ヤマハ マジェスティSの画像

燃料給油口は、ハンドル下部左側に配置。シート下ではなくフロント給油口とすることで、利便性を高めている。リッドオープンにはカギの差し込みが必要だが、オープン時もリッドは車体につながった状態で利便性に優れる。

ヤマハ マジェスティSの画像

ライダー側のシートは、幅が広めで前後長も確保され、ライディングポジションの自由度が高い。タンデム側も、このクラスとしては十分に快適な座面に加え、両サイドにグラブバーがあることで、優れた居住性が実現されている。

ヤマハ マジェスティSの画像

フロアはフラットタイプで、ライダーの乗り降りしやすさを高めてある。フロア前方には、ライダーが足を投げ出せるスペースが用意されているが、フロントに13インチホイールを採用していることもあり、前後長は短めとなっている。

ヤマハ マジェスティSの画像

タンデムライダーのフットスペースは、ボードタイプではなくバータイプ。ワンタッチ自動オープン式で、必要に応じて簡単に開閉できる。またバータイプのフットレストには、様々な靴底の形状にフィットしやすいというメリットもある。

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フロントホイールは13インチ径で、専用設計のケンダ製タイヤを装着。フロントブレーキはウェーブ形状のディスク式で、片押し2ポットキャリパーが組み合わされている。フロントフォークは、一般的なテレスコピック式となっている。

ヤマハ マジェスティSの画像

フロントブレーキがウェーブタイプなのに対し、リアブレーキは通常の円形ディスクを装備。片押し1ポットキャリパーが組み合わされている。写真では見えないが、リアサスペンションはミッドダンパー式で、車体中央右側に寝かされている。

ヤマハ マジェスティSの画像

ハンドルバーはカバーレスタイプ。音叉マークが付いたカバーで、ブリッジ部が覆われている。コンパクトなフロントまわりだが、メーターはハンドルマウントではなくボディ側に埋め込まれ、ハンドリングへの影響を減らしている。

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