掲載日:2008年07月16日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
ニンジャ250R最大の特徴は、なんといっても車体を包み込むフルカウルだろう。大型バイクでは珍しくないかもしれないが、250ccクラスのフルカウルモデルとなると、同じくカワサキのZZR250くらいしか選択肢が無かった。しかも、最新スポーツバイクの流行を取り入れたデザインとなると、国内ラインナップにライバルは不在だ。ニンジャ250Rのカウル形状は、カワサキのスーパースポーツであるZX-10Rニンジャ等の流れを汲むもので、フロントやテールまわりなど、随所に“ニンジャ”シリーズであることを主張するデザインを取り込んでいる。また、見た目に大きく見えるフルカウルだが、またがってみるとフロント側の視界は良好、ハンドルをフルに切ったときも手と干渉することもない。気になる足つき性は、カタログスペックではシート高が775mmと比較的高い印象を受けるが、シート形状がスリムなため非常に良い。身長174cmの筆者の場合、両足がべったりと着き、街中でも全く不安がない。取り回しも軽く、女性や初心者の方でも不安を覚えることは少ないだろう。
装備面では前後のディスクローターにペータル(花形)タイプを採用しているところも見逃せない。これは従来のディスクローターに比べ、ブレーキの放熱性を高めるほか、パッド表面の清掃効率を高める形状になっており、いまやスポーツバイクでは常識となりつつある。足回りはフロントに37mm径のフロントフォーク、リアに5段階にプリロード調整可能なサスペンションと、前後にスポーティなロープロファイルタイヤを採用。なりは小さくとも、しっかりとスポーツモデルらしい装備を与えられている。エンジンには最新のレース用マシンからの技術がフィードバックされているなど、見えないところにも抜かりは無い。スポーティなフルカウルの中には、楽しく走るための要素が凝縮されているのだ。