【Page3】DUCATI 1098R F09 #41 NORIYUKI HAGA

掲載日:2010年06月25日 特集記事2009年SBKマシン一気乗り    

記事提供/2010年2月24日発行 月刊ロードライダー 4月号
Report/和歌山利宏

素性を昇華させたVツインマシン

 

'08年ベイリス車を基に
ライダー好みに熟成

1098Rは、SBKにおける唯一のVツイン車だけあって、パワーで走る4気筒車とは実に対照的で、トルクで走る特性である。その意味でもドゥカティそのものである。フレームも特徴的なピボットレスのトラスタイプであり、ハンドリング面でも市販車と別世界ではない。

トルク特性はノーマルをそのままワイドに強力にした感じである。スムーズにトルクが湧き出て、2速4000rpmからでもスムーズにコーナーを立ち上がっていく。強力極まりなくても、電子制御でギヤ段数によってトルクカーブが制御され、振り回されることもない。

このF09もトロイ・ベイリスがチャンピオンを獲得した前年度型のF08と基本は変わらないようだ。心なしかアグレッシブになった気もするが、軽量化によるものかもしれない。

#41の芳賀紀之車もベイリス車の方向性を引き継いでいる。ただ、旋回性を高めるために、車両姿勢が前下がりでフロントフォークもソフトにセッティングされており、フロントに依存してコーナーに進入すると不安定になりがちである。その点は、コーナーの一次旋回の安定性は良くても、高速安定性を犠牲にしていたべイリス車と異なる点である。

ところが、#84のファブリツィオ車は、アグレッシブな走りに合わせて造り込まれていた。ハンドル位置は低くワイドに開かれ、強引にハンドルを押さえ込む狙いを思わせ、サスも固めである。こちらは僕にはしっくり来なかったが、いずれも市販車の持ち味がそのまま速さに結びついている1098Rである。

①ベースマシンは1098R(実排気量は1198cc)で、ボア・ストロークは1198Sとも同じである。目視では、フレームに補強は入っていない。マフラーはテルミニョーニの2-1-2で、材質はチタンではなくステンレス。エアボックスはノーマルを流用し、燃料噴射装置もマニエッティ・マレリを使用する   ②③スイングアームは市販車と同じプレス材製の片持ち式だが、形状が異なり、高剛性化されていることは明らか。リヤサスはオーリンズのTTX36。FフォークもTTX20だ。前後ホイールはマルケジーニの16.5インチ
②③スイングアームは市販車と同じプレス材製の片持ち式だが、形状が異なり、高剛性化されていることは明らか。リヤサスはオーリンズのTTX36。FフォークもTTX20だ。前後ホイールはマルケジーニの16.5インチ   ④左グリップ部のダイヤルは、ブレーキレバーの位置調整用である

走りもマシンも市販車に近いドゥカ

①ベースマシンは1098R(実排気量は1198cc)で、ボア・ストロークは1198Sとも同じである。目視では、フレームに補強は入っていない。マフラーはテルミニョーニの2-1-2で、材質はチタンではなくステンレス。エアボックスはノーマルを流用し、燃料噴射装置もマニエッティ・マレリを使用する
②③スイングアームは市販車と同じプレス材製の片持ち式だが、形状が異なり、高剛性化されていることは明らか。リヤサスはオーリンズのTTX36。FフォークもTTX20だ。前後ホイールはマルケジーニの16.5インチ
④左グリップ部のダイヤルは、ブレーキレバーの位置調整用である

 

 

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