【Page5】SUZUKI GSX-R1000 #71 YUKIO KAGAYAMA

掲載日:2010年06月25日 特集記事2009年SBKマシン一気乗り    

記事提供/2010年2月24日発行 月刊ロードライダー 4月号
Report/和歌山利宏

現状では方向性を掴んでいないGSX-R

 

フルチェンジされた
最新型の素性は何処へ

'09年型でGSX-Rは、コンパクト化されたエンジンを搭載するニューマシンとなった。車体の慣性モーモントが低減し、市販車は初期に向きを変え、いち早くトラクションを与えながら立ち上がる走りを具現化しているだけに、レースでの活躍も期待できたが、結果は予想に反しての苦戦であった。

実際に乗ってみると、なるほどである。加賀山選手が苦戦していたことも無理はないと思われたのだ。

まず、ハンドリングが、まるで大きなエンジンを抱えて走る重量車みたいに重い。自由度がなく、切り返しでラインを選ぶ余裕もなく、向きを変えるだけで精一杯だ。

ハンドルバーが極端にワイドに開かれているのは、そうした重さに対処するためなのだろうか。サスペンションはダンパーが強く効いていて、それが一層ハンドリングを鈍重にしているとも思われる。

エンジンは、このクラスで最もロングストローク傾向であるだけに、5000rpm以下(サーキットではあまり使わない領域だが)ではかなり強力である。だが、それだけにスロットル操作には吸入負圧の影響のような重さがあり、それがドン着きっぽさとなることもある。また、上限は14500rpmと高いものの、市販車の美点である8000rpmからの中高回転域での吹き上がり感は今一歩である。

初めて乗って不安を感じさせることがなくても、まるで5年ぐらい前のマシンに乗ったような印象もある。全くのニューマシンだけに、更なる造り込みが必要に感じた。

①エンジンはこのクラスで最もロングストローク傾向にある。アローのマフラーは当然、市販車と同じように左右2本出しとなる。燃料噴射装置はマニエッティ・マレリ。ECUは前年はミツビシだったが、'09年型はマニエッティ・マレリである。昨年までショーワを採用してきた前後サスは'09年シーズンの途中からオーリンズにスイッチされた	.   ②③左グリップにハンドブレーキも装備する。フロントカウルはノーマルと同形状にデザインされたカーボン製だ.
②③左グリップにハンドブレーキも装備する。フロントカウルはノーマルと同形状にデザインされたカーボン製だ.   ④キャリパーはニッシン。スイングアームはスズキのワークス仕様で、同じものがヨシムラのマシンにも用いられる

オールニューマシンになったスズキ・アルスター

①エンジンはこのクラスで最もロングストローク傾向にある。アローのマフラーは当然、市販車と同じように左右2本出しとなる。燃料噴射装置はマニエッティ・マレリ。ECUは前年はミツビシだったが、'09年型はマニエッティ・マレリである。昨年までショーワを採用してきた前後サスは'09年シーズンの途中からオーリンズにスイッチされた .
②③左グリップにハンドブレーキも装備する。フロントカウルはノーマルと同形状にデザインされたカーボン製だ.
④キャリパーはニッシン。スイングアームはスズキのワークス仕様で、同じものがヨシムラのマシンにも用いられる

 

 

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