掲載日:2009年11月27日 特集記事 › V4「400」全盛、あの時代。
記事提供/2008年11月27日発行 絶版バイクス Vol.2
タンク上に立つ“ツノ”は、NASAタイプのエアインテークから吸入された走行風が通過するダク卜。吸気温度の上昇を抑えるとともに、十分な吸入空気量を実現。タンク前部はエアクリーナーボックスのカバーとなっている。
VFR時代にはライバル他車の先行を許したが、ついにインナーチューブ径φ41mmの倒立式フロントフォークを採用。フロントブレーキは、RVF/RC45などに採用している異径4ポット対向ピストンキャリパー+φ296mmのフローティングディスクの組み合わせ。
フロントとともに一新されたリアカウルは、エンド部分を大きく内側に絞り込んだ軽快なデザイン。VFR時代の角張った形状が好みではなかった浜本さんのお気に入りポイント。
VF400Fから始まった、ホンダ400ccクラスのV4最終モデルとなったのが、1994年1月に発売開始されたRVFである。NC30という機種コードで大人気となったVFR400Rのスポーツ性をいっそう進化させたRVFのコンセプトはPROSPEC。そこにはもはやレーサー“レプリカ”の範疇に止まらない、400cc最高峰マシンを目指す決意が込められている。
そのRVFの1996年モデルを3年前に購入し、大切に所有しているのが浜本さん。購入した時点で、新車からほぼ10年が過ぎていたにもかかわらず、新車時の希望小売価格である78万円(税抜き)といくらも変わらない値段で取り引きされていたRVFだが、浜本さんには「乗るならRVFしかない」という強い思いがあった。
レーサーレプリカが流行っていた当時、浜本さんは同じく大人気だったミニバイクレースに没頭していた。当時の愛車はTZM改レーサーで、公道で走ることにあまり興味はなかった。一般車のいるワインディングで怖い思いをするより、サーキットで思う存分走る方が良いと感じていた。だから街乗りはモンキーやKSR50を足代わりに使う程度。
しかし生活環境の変化でバイク通勤での距離が伸びたことで、原付以上のバイクが欲しくなる。そこで、ナンバー付きで最もレーサーに近いモデルとして、浮上したのがRVFだった。想像通り、十分なパワーと軽い操縦性を持ったRVFは、不具合や扱いづらさはまったくなく、年式を感じさせないほど爽快だという。最近は純正部品の供給に不安が生じ始めているのが残念だが、これからも大事に乗り続けていきたいとのことだ。
浜本章二朗 Syojiro HAMAMOTO
カスタムパーツメーカーのポッシュフェイスにて、新製品の企画からCADを使った図面製作、さらにNCマシニングのオペレートまで行う浜本さん。ミニバイクレース経験を生かして、チャンバーを巻いていた時期もあったそうだ。最近は週に1回程度の通勤と、たまのツーリングで乗る程度だが、車庫下保管と小マメなメンテでコンディションは抜群。
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