掲載日:2009年11月27日 特集記事 › V4「400」全盛、あの時代。
記事提供/2008年11月27日発行 絶版バイクス Vol.2
ひたすらに高性能を追求していた80年代のバイクたち。そんな中ホンダが発売したV4エンジン搭載モデルは、現行車のスペックを遥かに凌ぐ、ハイパワーなマシンだった!
VF400F V4パワーを得て、いま、最先端の400。ハイテック・スーパーミドル。この時代に中型免許を取得した若いライダーたちにとって一番の感心事は最先端のメカニズムとパワーだった。カタログにはそんな若者の心をくすぐる言葉が踊る。
VF400F
当時価格●52万8000円
1982年、VF750Fと同時にデビューしたVF400Fは、クラストップの53ps/11500rpmを発生し、激化するパワー戦争を大きくリードする。V4エンジンという新しい武器だけでなく、リアサスペンションにはプロリンク、フロントにはアンチダイブ機構付エアサスペンションを装備。当時のホンダが誇る最高の技術が全て投入された非常に贅沢な作りである。当時の販売計画は3万6000台。バイクブームの始まりを予感した気合が見て取れる。
VF400F INTEGRA 1984
当時価格●58万9000円
国内で禁止されていたカウリングが遂に解禁され、84年にはVF400Fにも待望のフルフェアリングモデルである「インテグラ」が登場する。車両重量は195kgと、VF400Fからの重量増は4kgに抑えられているが、これは前後のブレーキをインボードディスク(ローターは鋳鉄)ブレーキからコンベンショナルなディスクブレーキへ変更したことによる恩恵でもあるだろう。エンジンの基本的なスペックには変わりは無い。
VFR400R 1986
当時価格●65万9000円
86年に発売されたVFR400Rは、85年にF-3選手権でチャンピオンを獲得したRVF400からの技術を投入したモデル。カムシャフトの駆動方式を従来のチェーンではなくギヤとする「カム・ギヤトレーン方式」を初めて採用し、高回転域での動力伝達ロスを低減させた。それに伴う形でパワーも59ps/12500rpmと大幅にUPする。またフレームには当時としては極太のアルミツインスパーを採用し、新たな時代の到来を予感させるモデルとなった。
HONDA
ホンダの中型免許教習車
VFR400K
「K」という教習車仕様も存在した。エンジンガードやインジケータ、更にはセンタースタンドも装備する特別仕様のVFR。かつてお世話になった人も多いだろう。
VFR400R 1987
当時価格●67万9000円
87年、VFRは遂にプロアームを搭載してレーサーレプリカ真っ只中の市場に投入された。85年と86年と世界耐久選手権を2連覇したRVF750の最新技術が市販車に投入されたのだから当時のレースファンにとっては衝撃的だった。しかしホイール脱着のしやすさを謳う割にマフラーが車体右側に装着される点では、ガッカリしたライダーもいたようだ。エンジンの最高出力は変化はないが、最大トルクが4.0kgm/10000rpmに高められた。
プロスペックが加速する。
待望のロスマンズホンダ・ワークスカラー、新登場。
87年6月、ロスマンズカラーの特別仕様車が発売された。価格は左の仕様からわずか1万円高に過ぎないバーゲンプライスだ。
VFR400R 1988
当時価格●74万9000円
88年、型式をNC21からNC30へと改めたVFRが登場。目の宇構造を持つ極太のアルミフレーム、フローティングディスク、センターロック式の18インチリアホイールなど走りの質を大幅に向上させる装備は一気に4ストレプリカの頂点を狙うものであった。しかしその贅沢な装備ゆえに価格は400ccでは破格の70万円オーバー。しかし多くの走り屋たちにとってレーサーRVF400直系の性能を持つこのマシンは憧れの的であった。
VFR400R 1990
当時価格●71万9000円
90年モデルは主にサスペンションを中心に変更が加えられた。フロントには圧側・伸び側で独立した減衰バルブを持つカートリッジサスペンションが、リアには別体式リザーブタンクを追加された。更にリアサスペンションにはプリロード調整機能も装備され、より本格的なスポーツライディングに対応する足回りとなる。カラーリングは写真の爽やかなトリコロールと、シルバーとブルメタを配した2色を採用していた。
VFR400R 1991
当時価格●73万円
91年末に発売されたモデルも主な変更点はカラーリングである。車体中央にブラッシュ(刷毛塗り)模様を配し、それまでとは違うアグレッシブなイメージを演出した。写真の黒/赤のほか、トリコロールも存在した。前年までは年間販売計画では1万台が計上されていたが、この年から販売計画は6200台と大きく落ち込む。80年代にその頂点を迎えたバイクブームが徐々にしぼんできたことをこの数字からもうかがい知ることが出来る。
RVF 1994
当時価格●78万円
4ストレプリカ市場を牽引してきたVFRもこの94年モデルでRVFとその名を変え、型式もNC35に変更される。最後のフルモデルチェンジといえるこのモデルは、カウル形状の変更のほか、足回りはそれまでの正立フォークから倒立フォークへと変更、リアホイールもそれまでの18インチからようやく17インチへと改められた。最高出力と最大トルク共に歴代モデルの中では一番低いが、トータルの完成度では間違いなくNO.1のモデルだ。
4スト500ccのインターセプター!!
HONDA VF500F INTERCEPTOR 1986
(北米仕様)
国内市場では丸スチールパイプフレームのVFからアルミツインスパーフレームのVFRへと移行した1986年。北米市場では、排気量500ccで角スチールパイプフレームを持つVF500Fインターセプターが発売された。ハーフカウル&ホンダトリコロールのデザインに憤れた国内のファンも少なくなかったが、国内市場へは投入されなかった。カッコイイ!!
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