【Page6】走り、曲り、強烈に止まる!!惜しみなき理想追求。

掲載日:2009年11月03日 特集記事「今・時・Z」    

記事提供/2008年11月27日発行 絶版バイクス Vol.2

KAWASAKI Z750D1 1978 by JB-POWER

走り、曲り、強烈に止まる!!惜しみなき理想追求。

「ユーザーが納得し、満足してもらえる商品を供給する」というビトーR&Dの流儀に従い、Z750D1をベースにZを楽しく、気持ちよく走らせるためのカスタムを施したのがこのマシン。

 

マシンに触れて第一に感じるのは、押し歩いただけでわかるソリッドで無駄のない軽さだ。前後の18インチマグ鍛ホイールと、これに組み合わされたダンロップ製ラジアルタイヤは、ノーマル車が感じさせる重さを一掃。これを支えるフレームにも、同社が蓄積してきたノウハウを生かした補強が入り、新次元でのバランスを確立。

 

エンジンはスリーブ交換でφ76mmピストンを組み込んだ1197cc仕様。しかしながらFCRキャブの口径をφ35とすることで、ストリートでの扱いやすさにも配慮している。

 

Zのカスタムでは、ノスタルジックな方向性を追求した当時風という選択肢もあるが、まずは性能優先という姿勢を貫くのが、ビトーR&Dの回答である。

 

  • コア16段のJBオイルクーラーキットは、フィッティング、ホース、アダプター、取り付けステー込みで税抜き7万5000円。

    コア16段のJBオイルクーラーキットは、フィッティング、ホース、アダプター、取り付けステー込みで税抜き7万5000円。

  • JB-POWERアルミ削り出しライディングステップキットLOWタイプは、ノーマル比で115mm後方、25mmアップとなる。装着の際は、ノーマルのブレーキペダルピボットを切断する。パーツ価格は税抜き7万円。

    JB-POWERアルミ削り出しライディングステップキットLOWタイプは、ノーマル比で115mm後方、25mmアップとなる。装着の際は、ノーマルのブレーキペダルピボットを切断する。パーツ価格は税抜き7万円。

  • 前後ホイールはJB-POWERマグ鍛JB1で、フロントサイズは3.00-18。タイヤはダンロップα11で110/80ZR18。ブレーキはφ320mmのJB-POWER鋳鉄ディスクと、ラジアルマウント6potの組み合わせ。

    前後ホイールはJB-POWERマグ鍛JB1で、フロントサイズは3.00-18。タイヤはダンロップα11で110/80ZR18。ブレーキはφ320mmのJB-POWER鋳鉄ディスクと、ラジアルマウント6potの組み合わせ。

  • あえてφ35口径としたキャブレターはケーヒンFCRで、ネット付きアルミファンネルをセット。言うまでもなく、ビトーR&Dはケーヒンキャブの世界最大ディーラーである。

    あえてφ35口径としたキャブレターはケーヒンFCRで、ネット付きアルミファンネルをセット。言うまでもなく、ビトーR&Dはケーヒンキャブの世界最大ディーラーである。

  • 今も美藤さんが自ら製作するチタン製の手曲げ集合マフラーを装着。サイレンサーもチタン仕様で税抜き25万円。

    今も美藤さんが自ら製作するチタン製の手曲げ集合マフラーを装着。サイレンサーもチタン仕様で税抜き25万円。

  • エキセントリック仕様のスイングアームはチェーンガード付きで税抜き15万円。リアサスは全長355mmのJB-POWERカヤバ製で、補強とともにレイダウン加工されたフレームに取り付けられている。

    エキセントリック仕様のスイングアームはチェーンガード付きで税抜き15万円。リアサスは全長355mmのJB-POWERカヤバ製で、補強とともにレイダウン加工されたフレームに取り付けられている。

  • ビトーR&Dが輸入元を務める、コスワース製鍛造φ76mmピストンとZ1000クランクで1197ccとしたエンジン。シリンダーとクランクケースをボーリングした後に大径スリーブを挿入する。カムはヨシムラのST-2。

    ビトーR&Dが輸入元を務める、コスワース製鍛造φ76mmピストンとZ1000クランクで1197ccとしたエンジン。シリンダーとクランクケースをボーリングした後に大径スリーブを挿入する。カムはヨシムラのST-2。

  • リアホイールも当然マグ鍛で、サイズは4.00-18。価格は前後セットで税抜き35万円。タイヤサイズは150/70ZR18だ。

    リアホイールも当然マグ鍛で、サイズは4.00-18。価格は前後セットで税抜き35万円。タイヤサイズは150/70ZR18だ。

KAWASAKI 900/Z1 1973 by UEMATSU

現代でも十分に通用する動力性能が魅力のZ1。

逆輸入車という考え方が存在しなかった1970年代当時、アメリカやヨーロッパで大人気だったZ1に乗ることは、多くの日本人ライダーの夢だったに違いない。そんな憧れのマシンを手の届く存在としてくれたのが、絶版車ディ-ラーの老舗、ウエマツである。

 

この車両は生産が1973年で、Z1でも初期のロットにあたる。マニアックなオーナーの手元で長く保管されていたらしく外観、機関ともとても美しい状態を保っている。もちろん、生産から35年を経て、すべてが新車並みというのはあり得ない。小キズや退色などの避けられない経年変化はあるが、部分的に不自然にきれい過ぎたり、逆にくたびれすぎたりということがない。

 

調子の良い逆輸入車に乗るということは、どれだけ基本性能が良い車両を見つけるかに掛かってくる。その点で20年以上にも渡る実績とノウハウを蓄積したウエマツならば、ここで紹介するようなストレートコンディションのZ1に遭遇することもできる。

 

  • アメリカに輸出されたZ1のダブルシートは、ヨーロッパ仕様のZ1や国内で売られたZ2と異なり、シートベルトを持たない。

    アメリカに輸出されたZ1のダブルシートは、ヨーロッパ仕様のZ1や国内で売られたZ2と異なり、シートベルトを持たない。

  • 年式により形状が変化するサイドカバー。緩やかな曲線と重量感のあるアンチモニー製エンブレムの付く初期型はやはり魅力的。

    年式により形状が変化するサイドカバー。緩やかな曲線と重量感のあるアンチモニー製エンブレムの付く初期型はやはり魅力的。

  • モナカ合わせの4本マフラーは、年式によってサウンドが異なるとされている。いずれにしても30年以上を経ているパーツだが、レストア用のリプロ品もある。

    モナカ合わせの4本マフラーは、年式によってサウンドが異なるとされている。いずれにしても30年以上を経ているパーツだが、レストア用のリプロ品もある。

  • 世界最高性能を目指したエンジンは、最高の品質を備えていた。クランクベアリングにローラー、コンロッドのビッグエンドにニードルローラーベアリングを用いたのは、ともにプレーンメタルだったCBとの大きな違い。さらにZ1はカムシャフトもメタル支持だった。そうした設計が過剰品質と評される原因となるが、そのおかげで多くのZ1エンジンが壊滅的ダメージを受けることなく生き残ることができた。ちなみに1973年当時、日本国内でZ2のライバルといえばホンダCB750Four、ヤマハTX750、スズキGT750、カワサキ750SSという面々。CBはともかく他の機種を見れば、いかにZの残存数が多いかが理解できるだろう。

    世界最高性能を目指したエンジンは、最高の品質を備えていた。クランクベアリングにローラー、コンロッドのビッグエンドにニードルローラーベアリングを用いたのは、ともにプレーンメタルだったCBとの大きな違い。

  • ライセンスプレートだけ見ても、向こうのオーナーの愛情ぶりが分かる。

    ライセンスプレートだけ見ても、向こうのオーナーの愛情ぶりが分かる。

  • キャブは強制開閉式のミクニVM28。Z2も初期はVM28で、後にVM26へと小径化。また、Z2初期のガバナーはZ1と共通で、これも後に国内専用のZ2用パーツとなった。

    キャブは強制開閉式のミクニVM28。Z2も初期はVM28で、後にVM26へと小径化。また、Z2初期のガバナーはZ1と共通で、これも後に国内専用のZ2用パーツとなった。

  • サイドリフレクターはZ2が前後ともオレンジなのに対して、Z1はリアが赤となる。

    サイドリフレクターはZ2が前後ともオレンジなのに対して、Z1はリアが赤となる。

 

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索