【Page4】JB-POWERプロデュース「秀逸スタンダード」。

掲載日:2009年11月03日 特集記事「今・時・Z」    

記事提供/2008年11月27日発行 絶版バイクス Vol.2,
取材協力/ビトーR&D(カスタム車)Phone 0796-27-0429、
ウエマツ(ノーマル車)Phone 042-696-6667

カスタマイズの「楽しさ」と「意味」を再確認させてくれる
JB-POWERプロデュース「秀逸スタンダード」。

1970年代、 80~90年代にかけて、様々なライダーやコンストラクターがZを素材に独自の味付けを施してきた。そして、最新の技術や性能を持ったパーツを組み込むことで、現在でも通用する性能を見せてくれるのがZである。

 

1980年代に始まった絶版逆輸入車のブーム。ほぼ同時にわき起こった空冷4気筒車のカスタムブームの中で、主力選手として活躍したのがカワサキZ1だ。1970年代前半、具体的には1972年にアメリカでZ1が発売され、翌1973年に日本国内で750ccのZ2が発売された時、903ccのZ1は憧れても手の届かない存在だった。

 

ホンダCB750Fourが、国内外を問わずそれ以上の排気量を持たなかったのに対して「ホンモノはZ1。Z2はそのスケールダウンモデル」という鬱屈した思いもあったからか、Z2はチューニングやカスタムの対象となった。だから、里帰りし始めたZ1がモディファイの対象になったのは当然だった。

 

1990年代には、1200ccに排気量アップしたエンジンに、ヤマハFZRやスズキGSX-Rなどの足周りを流用し、旧車と現行車のバイブリッド的カスタムが生み出された。

 

当然のようにフレーム補強も盛大に行われた。硬くて動かないサス、曲がらない太いタイヤ、ストレスの抜きどころのないフレーム、街乗りで扱いづらいエンジン……。それらが正しいバランスを持っていたかといえば、今となっては必ずしも全面的には肯定できないだろう。

 

しかしながらZが優れていたのは、時に行き過ぎ、やり過ぎがあったとしても、基本的な性能やバランスがハイレベルであるがゆえに、それらを許容して何とか走ってしまう能力を備えていたことだ。

 

そうした時代を経て、今なおZはカスタマイズの楽しさを我々に教えてくれる。

 

マシン造りの方向性を間違えず、適切なパーツを組み合わせていくことで、街乗りやワインディングで快走できる日常使いに不自由しないマシンから、サーキットでも音を上げない仕様まで、どのような味付けにも対応してくれるのだ。

 

とはいえ、高性能なパーツがあれば無条件でカスタムバイクが成立するわけではない。時代を超えて通用するハイレベルな基本性能がZにあるからこそ、好バランスのカスタマイズが楽しめるということを忘れてはならない。

 

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