2016年もっとも売れたバイクは!? 【大型二輪クラス編】

掲載日:2017年01月13日 トピックス    

取材協力/二輪車新聞  文/佐川健太郎、バイクブロス・マガジンズ編集部

2016年のバイク販売台数ランキング。「250クラス」「400クラス」に続き、注目の「大型二輪クラス」を発表する(「二輪車新聞」調べ。2016年 推定。毎週金曜発行の二輪業界唯一の専門紙は一般の方でも購読可能)。

排気量401cc以上の、いわゆる大型自動二輪と呼ばれるカテゴリーでは、盤石の強さを誇るハーレーダビッドソンが存在感を示したほか、コストパフォーマンスに優れる国産大排気量スポーツネイキッドに人気が集中する傾向が見られた。また、新型アフリカツインがランクインするなど、久々のビッグオフブームを予感させる新たな動きも興味深いところ。

それぞれの人気の理由など、当サイトでは試乗インプレッション記事や動画『やさしいバイク解説』でもお馴染み、バイクジャーナリストの佐川健太郎が分析する。

第1位 ハーレーダビッドソン スポーツスター1200リーズ(2013年~)

ハーレーダビッドソン スポーツスター1200リーズ(2013年~)の画像

大型バイク市場において国内でも圧倒的人気を誇るハーレーのスポーツスターが堂々の第1位を獲得した。排気量1,600cc以上のビッグツインエンジンが主流のハーレーの中で、スポーツスターは独自の位置づけにあるモデルと言える。ルーツはレースに勝つために開発されたダートトラックレーサーがベースであるため、軽量・コンパクトで運動性能に優れているのが特徴だ。その中でも1200シリーズは883に比べて余裕のあるパワーと上質感のある作りで人気を博している。

第2位 カワサキ ZRX1200ダエグ(2009年~)

カワサキ ZRX1200ダエグ(2009年~)の画像

90年代を席巻した最速マシン、ZZR1100系の水冷直4ユニットを搭載したビッグネイキッドとして1996年にデビュー。かつてのAMAスーパーバイク王者、カワサキZ1000ファクトリーレーサーのレプリカ「Z1000R」(通称ローソン・レプリカ)を彷彿させるフォルムとも相まってコアなファンを獲得した。2001年には排気量を1,200ccに拡大したZRX1200Rが登場し、さらに2008年には「ダエグ」へと進化した。2016年を以って生産終了となったが、駆け込み需要の多さが人気を物語っている。

第3位 ヤマハ XSR900/60thアニバーサリー(2016年~)

ヤマハ XSR900/60thアニバーサリー(2016年~)の画像

「XSR900」は、趣味としてバイクを楽しむ文化が定着している先進国において「伝統的」なスタイルを好む層に向けて投入されたモデルである。レトロな外観と先端技術が融合した新しいスタイル、そしてMT-09譲りのパワフルな水冷3気筒エンジンを得て人気炸裂。質感の高いフィニッシュやスーパースポーツに迫る走りの性能、それでいて約100万円というコストパフォーマンスの高さも特筆すべき。全方位的に優れたパフォーマンスが与えられた結果が販売にも結び付いている。

第4位 ヤマハ MT-07/A(2014年~)

ヤマハ MT-07/A(2014年~)の画像

軽量・スリム・コンパクトな車体に、MotoGPマシンで磨かれた「クロスプレーン・コンセプト」を取り入れた270度クランクの689cc並列2気筒エンジンを搭載した新世代ミドルネイキッド。気持ちの良い鼓動感と、全域でスムーズなトルクを生み出すエンジンが最大の特徴で、大型ビギナーには優しく、ベテランには限界性能を引き出して走る楽しさを与えてくれる。MTシリーズに共通するマッシブなスタイリングやMT-09とは違った軽快なハンドリングも魅力である。

第5位 スズキ GSX-S1000ABS/F ABS(2015年~)

スズキ GSX-S1000ABS/F ABS(2015年~)の画像

サーキット最強をコンセプトに掲げるGSX-R1000から生まれた新世代ストリートファイター。エンジンは2008年型のGSX-R1000がベースだが、これはロングストローク設計による低中速トルクを生かすため。アルミツインスパーフレームはより軽量な専用タイプとし、剛性バランスもストリート向けに最適化。ABSやトラクションコントロールなどの安全装備も充実している。145psの強烈パワーとクラス最軽量209kgの車体が生み出すキレ味鋭い走りが魅力。「F」は長距離高速移動に対応したフルカウル仕様。

第6位 ホンダ CRF1000Lアフリカツイン/DCT(2016年~)

ホンダ CRF1000Lアフリカツイン/DCT(2016年~)の画像

15年ぶりに復活した新型アフリカツイン。「大陸横断ツアラーとしての高速巡航性能と本格的オフロード性能の両立」というコンセプトは先代を受け継ぐが、そのレベルは大幅に高められた。要となるのは電子制御テクノロジーの進化で、とりわけ有段式オートマチックのDCTは、オフロード走行で圧倒的な威力を発揮。クラッチやシフト操作がいらず、アクセルとブレーキだけで楽々走れてCRF450R譲りの車体はモトクロス並みのジャンプもこなす。真のマルチパーパスマシンと言える1台だ。

第7位 ハーレーダビッドソン スポーツスター883シリーズ(2013年~)

ハーレーダビッドソン スポーツスター883シリーズ(2013年~)の画像

クラス1位になった1200シリーズにつづいて883シリーズもランクイン。「パパサン」の愛称で昔から日本のユーザーにも親しまれ、日本人の体格にフィットしたコンパクトな車体と乗り手のファッションを選ばないスタイリングなどから「街乗りにも使えるハーレー」として不動の人気を誇っている。1200に比べるとマイルドな出力特性ながら、高回転での伸び感や、小気味よい鼓動感を愛するファンも多い。現行モデルはすべてFI仕様で信頼性も向上している。

第8位 ヤマハ MT-09/A(2014年~)

ヤマハ MT-09/A(2014年~)の画像

トルク&アジリティ(俊敏さ)をコンセプトに2013年にデビューした新世代MTシリーズの第1弾。新開発の3気筒エンジンとスリム&軽量かつマスの集中を施した車体、ネイキッドとスーパーモタードの「異種混合」とも言える独自のスタイリングなど、従来のストリートモデルの既成概念を打ち破るイノベーターとして存在感を放っている。ミッドレンジのトルクを生かした豪快な走りが魅力で、エンジン特性を選べるD-MODEの他、現行モデルではトラクションコントロールを搭載する。

第9位 ホンダ NC750X/ABS/DCT ABS(2016年~)

ホンダ NC750X/ABS/DCT ABS(2016年~)の画像

「低回転」「低燃費」「低コスト」という2輪における新しい価値観を提言した「ニューミッドコンセプト」シリーズとして開発。水冷並列2気筒エンジンは2014年に排気量が750ccに拡大されて余裕の走りを実現。2軸バランサーによる低振動化やギアレシオの見直しなど、各部熟成が図られた。「X」は同シリーズでも一番人気のクロスオーバータイプの脚長モデルで、燃料タンク位置に設けられたメットインスペースやDCT機構など、ユニークな装備も魅力。2016年型ではスタイリングが一新された。

第10位 ヤマハ MT-09トレーサーABS(2015年~)

ヤマハ MT-09トレーサーABS(2015年~)の画像

MT-09譲りのパフォーマンスはそのままに、多目的に使えるマルチパーパス性を高めたモデル。調整式スクリーンを備えたフロントカウルや高さ調整可能なシート、サイドバッグ取り付けステー、12V電源ソケット、容量18リットルの燃料タンクを標準装備するなど、長距離ツーリングに対応したユーティリティと快適性能が与えられている。ライダーの意のままに反応するトルクフルな3気筒エンジンはMT-09同様だが、よりマイルドな出力特性にリファインされ、扱いやすくなっている点も魅力だ。

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