ウラル ウインター ライド2018/目指すは冬の宗谷岬、最北端へ走るウラル

掲載日:2019年02月27日 トピックス    

取材協力/URAL Kansai ホンダ販売門真
写真/奥村純一 文/宮﨑健太郎
記事提供/ガルル編集部
※この記事は『月刊ガルル vol.393』に掲載された内容を再編集したものです。

ウラル ウインター ライド2018/目指すは冬の宗谷岬、最北端へ走るウラルの画像

クラシカルな外観と基本メカニズムを持ちながら、最新技術で信頼性と耐久性を向上させているウラルサイドカーは、唯一無二の楽しさを乗り手に提供してくれる乗り物として、近年日本国内でもその人気が高まっている。そんなウラルを販売するウラル・ジャパンは、2018年12月30~31日の日程で、北海道の小樽から日本最北端の地である宗谷岬を目指す「ウラル ウインター ライド2018」というアドベンチャーツアーを企画。圧雪路とアイスバーンの旅路で、脅威の走破力を持つウラル2WDはどのような走りを見せたのだろうか?

小樽のフェリーターミナルに集まったギアアップ
ウラル ウインター ライド 2018がスタートした!

年の暮れも押し迫った12月30日の午前9時、3台のウラル2WDモデル、「ギアアップ」が小樽のフェリーターミナルに集まった。これら3台は約380kmに及ぶ冬のアドベンチャーツアー、「ウラル ウインター ライド 2018」の参加者たちの愛機である。

ウラル ウインター ライド2018/目指すは冬の宗谷岬、最北端へ走るウラルの画像

記念すべき第1回「ウラル ウインター ライド 2018」に参加したのは4台のウラルサイドカーだ。1台はスケジュールの都合で、スタート地点の小樽フェリーターミナルの集合時間に間に合わず、まずは3台の隊列でこの冒険は始まることになった。

もちろんいずれのギアアップも3輪にウインタータイヤを履くなどの冬装備をし、乗り手たちも防寒対策を考慮したライディングギアをそろえ、冬の北海道対策を万全にしていた。それでも、慣れぬ雪道の走り始めは、皆ちょっとした緊張を強いられた。なぜなら、2018年の年の瀬は北日本に強烈な寒波が襲来しており、朝の小樽は時折激しい雪風が吹き付けるコンディションだったのである。

ウラル ウインター ライド2018/目指すは冬の宗谷岬、最北端へ走るウラルの画像

(写真左から)岡山県から参加の亀谷健司さん(47)。独自のモディファイでエンジン冷却性能を上げた2016年型ウラルで参加。愛知県在住の芳山裕也さん(24)は、ミリタリー好きからウラルに魅了されたかたのひとり。愛知から参加の大野一馬さん(28)は荷物がたくさん積めてツーリング向きなところに惹かれてウラルを1年ちょっと前に購入した。ウラル・ジャパンCEOの「ブラドさん」ことボリビン・ブラジスラーフさん。そして大野さんのウラルの側車に乗り、パッセンジャーをつとめた岡本光さん(28)。

しかし、観光地として有名な小樽運河を抜け、日本海沿いに走る国道231号(オロロンライン)を走るころには次第に天候が回復。次第に青空の中で輝く太陽が辺りを明るく照らすようになり、ギアアップを駆る参加者たちの緊張もすっかり溶け出していた。

ウラル ウインター ライド2018/目指すは冬の宗谷岬、最北端へ走るウラルの画像

今回のルートは1日目が小樽港→留萌→羽幌、2日目が羽幌→手塩→稚内→宗谷岬という内容。

ウラル ウインター ライド2018/目指すは冬の宗谷岬、最北端へ走るウラルの画像

今回サポートカーのキャンピングカーを運転し、一緒に旅をした神田英治さん(左)も地元札幌在住のウラル乗りだ。休憩の際にいれてくれた熱いコーヒーは、冷たい雪風に凍えた参加者の皆さんの体と心を温めてくれた。

ギアアップは本車側の後輪に加え、側車側の車輪も駆動させることができるのが最大の特徴。そして2WD時の走破力の高さは、4輪駆動車を上回るレベルだ。果たしてウインタータイヤを履いたギアアップは、圧雪やアイスバーンの道でどのような走りをするのか、参加者いずれも興味津々だったが、結論からいえば雪道の幹線国道をクルージングするならば、側輪を駆動させる必要はなかった。

サイドカーの基本的な操縦方法はとてもユニークなもので、側車の方向(ギアアップの場合は右)に曲がるときはスロットルオン、本車方向(同左)に曲がるときはスロットルをオフ、またはパーシャルにする。そしてバイクのようにサイドカーはバンクしないので、コーナリングフォースを引き出すために積極的にハンドルを切る操作が必要になる。

ウラル ウインター ライド2018/目指すは冬の宗谷岬、最北端へ走るウラルの画像

つまり操舵と本車後輪駆動力で曲がるのがサイドカーという乗り物だが、2WD走行時は側輪に駆動力がかかるため1WD走行よりハンドルを切る力がさらに必要になる。ウインタータイヤを履いたギアアップは冬の北海道の幹線道路では、1WD走行でもしっかり車体を前に進めてくれる。腕にかかる負担が大きくなる2WD走行は、あえて選ばなくても問題なかった。ちなみに今回の一般参加の3台のライダーは、いずれもウラル歴1~2年ほどで、冬の北海道を走ることも初めてだそうだ。それでも不安なく雪道の長距離ツーリングを楽しめるということは、ギアアップの走破性と乗りやすさの証明といえるだろう。

初日の昼ころまでは澄み渡った晴天が続いたが、時間が経つにつれ再び雲が空に広がり降雪が強くなっていった。増毛町、留萌市、小平町をひたすら走り抜け、この日の宿のある羽幌町にたどり着いたのは日没後の17時過ぎだった。

ツーリング2日目の様子は次ページにて

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