掲載日:2017年01月12日 トピックス
取材協力/二輪車新聞 文/佐川健太郎、バイクブロス・マガジンズ編集部
いよいよ2017年がスタート。今年のバイク動向を占う意味でも、2016年はどんなバイクが売れたのかを販売データから読み解いてみたい(「二輪車新聞」調べ。2016年 推定。毎週金曜発行の二輪業界唯一の専門紙は一般の方でも購読可能)。
昨年末に発表した「250ccクラス」に続いて「400ccクラス」のランキングを発表する。具体的には排気量250cc超~400cc以下の普通自動二輪と呼ばれるカテゴリーで、定番スポーツモデルの他、一部クラシック系やクルーザー系、海外ブランドもランクイン。それらの人気の理由を、当サイトでは試乗インプレッション記事や動画『やさしいバイク解説』でもお馴染み、バイクジャーナリストの佐川健太郎が分析する。
400クラス1位の座は人気と実力を兼ね備えた定番ベストセラーモデルが獲得した。空前のネイキッドブームに沸いた90年代、ライバルを圧倒するスペックで登場したCB400SF。1999年型では回転数により2から4バルブに切り替わるHYPER VTECを採用、第3世代の2008年型ではPGM-FIを採用するなど、長年にわたり熟成を重ねてきた。2014年モデルではホイールを新作し、ライディングポジションも変更。ハーフカウル付きのSBはカウルとスクリーン形状を一新しLEDヘッドライトが採用された。
250ccクラスで1位に輝くR25と共通の車体に、排気量を320ccにまで拡大したエンジンを搭載。軽量コンパクトな車体と元々の扱いやすさに加え、よりパワフルな動力性能が与えられているのが特徴だ。ピーク42psの最高出力もさることながら、R25に対して3割増しのトルクが最大の武器。高速道路では加速の伸びが違うし、低速トルクが太くなった分、発進やUターンなど日常域での扱いやすさも増しているなど、250と400のイイとこ取り的なモデル。
鋼管フレームに軽量コンパクトな水冷並列2気筒を搭載したミドルスポーツがCBR400Rだ。2016年型ではスタイリングを一新。LEDデュアルヘッドライトを採用するなどCBR1000RR譲りのスーパースポーツルックが強調された。高めのハンドルや低いシートなど、見た目以上に快適なポジションにより街乗りやロングランも快適にこなせる懐の広さもマル。共通のエンジンと車体を持つクロスオーバーモデルの400Xは、より長距離移動を意識したオールラウンダー的なキャラだ。
輸出仕様のニンジャ650と共通の車体にEX-4譲りの並列2気筒エンジンを搭載するミドルスポーツツアラー。2013年にフルチェンジされた新型では出力特性を向上、新設計フレームの採用により、さらなるコンパクト化と扱い易さを向上。クッション性を高めたシートや調整機構付きウインドスクリーンを新採用するなど快適性も高められた。軽快なハンドリングと扱いやすいエンジン、街乗りからロングツーリングまで幅広く使える汎用性の高さも人気の理由だ。
最近はめっきり少なくなってしまったビッグシングルの魅力を今に伝える名車。鼓動感あふれる空冷単気筒エンジンとシンプルな鉄フレームの車体、ワイヤースポークホイールなど、バイクが最もバイクらしかった時代の雰囲気と乗り味を新車で味わえるモデルはSRをおいて他にはない。初心者でも気軽に自分の手を汚してメンテナンスやカスタムを楽しめるのも美点だ。初期型の発売は1978年というから、既に40年の歴史を刻む、現役にして本物のクラシックである。
ロー&ロングの堂々たるスタイル、メカニカルな美しさを秘めたエンジン、カスタムテイスト漂う雰囲気など「クルーザーらしさ」に溢れた存在感こそがドラッグスターの魅力。元々は北米向けとして開発された「スターシリーズ」を国内向けにダウンサイジングしたモデルで、巨大過ぎない、手頃なサイズ感や日本の交通環境にフィットした使い勝手の良さも人気の理由となっている。空冷Vツインの奏でる鼓動感や味わいは本物で、各部に使われるメッキパーツも上質感がある。
ドゥカティ唯一の、普通二輪免許で乗れるモデル。米国向けに初代スクランブラーを発売した1962年に由来したネームを持ち、スケートボードやサーフィン、ポップミュージックなど、当時の若者文化にインスパイアされたスタイルを打ち出すなど、これまで高性能一点張りだったドゥカティの中に初めて咲いた「ゆるさ」が若者層を中心に支持されている。空冷Vツインのまろやかなパルス感がなんとも心地よく、軽量スリムな車体と扱い切れるパワーは、本気で走ると速いドゥカティの血統をしっかり受け継いでいる。
125、200デュークに続く「スモールデュークシリーズ」第3弾として登場。 先の兄弟車と共通の車体に375ccの強力なエンジンを搭載し、最高出力は 200デュークの7割増しに相当する44psを発生するなど、過激なスペックを誇る。サスペンションはシリーズ共通のWPで、ブレーキは前後ともブレンボのOEMブランド「BYBRE」を採用したハイグレードな装備も魅力だ。走りも強烈で、サーキットを走り慣れた玄人ライダーをも唸らせる奥深さがある。まさにコンパクトダイナマイトだ。
400ccクラスを再び活性化させることをテーマにした「ニューファンダメンタルコンセプト」と呼ばれるシリーズ。スポーツの「R」とネイキッドの「F」、クロスオバーの「X」の3タイプがあり、水冷並列2気筒エンジンとシャーシも含めて共通のプラットフォームが与えられている。元々は海外向け500ccシリーズを国内向けにスケールダウンしたモデルではあるが、扱いやすさではベストバランスとの評価も高い。2016年モデルで新型が投入されたが「F」は生産終了となっている。
125ccクラスの軽量ボディに400ccのパワーが与えられたシングルスーパースポーツ。390デュークと共通の水冷375cc単気筒を専用ディメンションの車体に搭載。Moto3クラスで活躍中のKTM製レーシングマシン「RC250R」に最も近い公道市販モデルとも言われるパフォーマンスとスパルタンな乗り味が魅力である。一方でフルカウルによるエアロダイナミクスや大柄な車体に加え、390DUKEの乗りやすさを兼ね備えるなどストリートでも楽しめるゆとりも併せ持っている。
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