ホンダ 400X
ホンダ 400X

ホンダ 400X – ホンダが提唱する次世代ベーシック形

掲載日:2015年03月05日 試乗インプレ・レビュー    

レポート/和歌山 利宏  写真/徳永 茂  記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はカスタムNo.1マガジン『ロードライダー』の人気企画『New Model Impression』を再編集したものです

ファンダメンタルコンセプトシリースの第3弾は、クロスオーバーモデルの400X。それは自然体で付き合うことができ、まさにベーシックスポーツと呼ぶに相応しいバイクであった。

ホンダが提唱する
次世代ベーシック形

新しい400Xは、CBR400RとCB400Fに次ぐCB400シリーズのクロスオーバータイプだ。

クロスオーバーというのは、様々なカテゴリーのコンセプトを兼ね備えているという意味で使われる言葉である。バイクがそれぞれに多様化し、使い方が制約されてきた一面がある昨今、ワイドレンジに使えることを目指しているというわけだ。それらはスタイリングも含めて、デュアルパーパス的なところもあり、一般的なロードスポーツよりも、サスペンションストロークが大きくとられることが多い。

そこで、最初にお断りしておくべきはこの400Xは、海外向け500Xの国内向きモデルなのだが、ローダウン仕様でもあるということだ。500Xは、CBR500RやCB500Fに対し、フロントフォークのストロークを20mm延長、車両姿勢を前上がりにしているが、日本の多くの人たちが日常的に楽しめるものとするには、シートが高めであると思われることから、400Xでは、国内向けに車高を下げた仕様を標準としているのである。

そのため、RとFを基準にすると、フロントをそのままに、リヤのホイールトラベルを10mm短縮。ストローク短縮に対処し、リヤショックのダンパーを高グレード化し、沈み込みを抑えるようセッティングされる。車両姿勢はやや後下がりになり、わずかながらキャスター角は寝ていることになる。

車高が下がっても、快適性向上のためシートが厚く、シート高はRやFよりも10mm高い795mm(500Xは810mm)。跨ると、わずかにRやFよりシートが高い気がしないでもないが、ハンドル位置が高く手前で、自然で楽な位置にあるので取り回しやすく、感じるシート高は他の2車と同等レベルにある。

さて、走り出すと、意外なことに、受ける印象は2台とは微妙に違う。上体が起き下半身に余裕があるライディングポジションによって、ゆったりした気分になれることもあるが、ストリート向けにより好ましいフィーリングなのだ。

リヤからお尻に感じるフィーリングが洗練され、接地感も上質に伝わってくる。そして、リヤの接地点を中心に車体が傾いていく感覚が強まっていて、それにともない、ステアリングがスムーズに反応してくれる。腰で操る感覚に自然に導かれ、スポーティさを日常域でフレンドリーに堪能しやすいのだ。

しかも、中回転域でスロットルを開けたときの反応に力強さが増している。最初は、気のせいかと思ったのだが、聞けば、サイドカバーの形状の違いによって、新気を多く取り込みやすくなり、それに合わせて燃料噴射量を増量しているとのこと。単に着せ替え人形がごとくクロスオーバータイプとしたのではなく、車体、エンジン両面から特性が最適化されているのである。こいつは快適にして、遊び心をくすぐる持ち味も一層高まっていると思う。マシンを操ることだけに夢中にならず、目の位置が高く開けた視界もあって、心に余裕があり、楽しみ方をもっと探ってみたくなる。

実際、ツーリングに脚を伸ばしたくもなる一方で、ワインディングへ行けば、他の2台に全く遜色ない走りを見せる。腰で操りやすいハンドリングゆえ、むしろ攻めやすいぐらいだ。まあ、攻め過ぎると、リヤサスのストロークを不足に感じる場面も出てくるが、むしろ荷重状態を掴みやすく、悪くない。

クロスオーバーというと新しいものであるかのようだが、そもそもバイクというのは、いろいろな用途に使えて、各々が自分なりに世界を広げられたもののはず。そして、そのことが大きな魅力であったはずだ。そう考えると、クロスオーバーは、何も新しいものではなく、原点回帰形だとしていい。その意味で400Xは、現在における最もベーシックなバイクかもしれない。

クロスオーバータイプの400X

車体とエンジンの基本を、CBR400RとCB400Fと共用するが、本文の通り、Xのコンセプトに合わせ車両姿勢を最適化。スタイリングをダイナミックなものとし燃料タンク容量拡大、快適なライポジや風防性能に優れるカウリングの採用などで、行動半径をより広げられるものとした

ホンダ 400Xの詳細写真は次ページにて

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