カワサキ KLX250(2013)
カワサキ KLX250(2013)

カワサキ KLX250(2013) – 闘う4ストの元祖!

掲載日:2012年12月12日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/田宮 徹

カワサキ KLX250(2013)の試乗インプレッション

カワサキ KLX250(2013)の画像

オンロードでの楽しさも増した
高回転重視のエンジン設定!

本格的なオフロード向きの設計がされている為、シート高は890mmと高め。身長167cmで体重66kgの筆者がまたがると、両足はツンツン状態である。しかし車体が軽いので、支えている事に不安はない。シートはロングタイプで、モトクロッサーのようにかなり前側に座ったコントロールや、後ろに座ってリアに荷重を掛けた乗り方もできる。ハンドル幅は広くて絞り角は少なく、オフロードでも積極的に操れる設定となっている。

DOHC4バルブの水冷単気筒エンジンは、最新の排ガス規制に適合化させたことで先代より控えめな出力となった事から、極低回転域のトルクは少なめな印象がある。それでも、燃料供給がF.I.化されている恩恵もあって、クラッチをつないだまま人が歩くような速度で走らせても、エンジンがストールする事はない。これにより、林道などのオフロードをゆっくりと進むのも、比較的イージーだ。

カワサキ KLX250(2013)の画像

3,000回転以上をキープしていれば、それほど高回転まで到達していなくても、日常的なシティランは心地よく行えるが、このエンジンが本領を発揮するのは7,000回転あたりから。レッドゾーンは10,500回転からで、7,000~10,000回転がもっとも元気のよい範囲となっている。この回転域をキープしていれば、車体が軽めな事もあり、加速はかなり鋭い。回転の伸び上がり感も良く、スポーティに気持ち良く走っていける。中回転域でやや控えめな性格は、先代と比べればオフロードの上級者には物足りなさも感じさせるかもしれないが、オン/オフ両方でバランス良く楽しい仕様となっている。

カワサキ KLX250(2013)の画像

車体では、足まわりのしっかり感が印象的。2008年型でのモデルチェンジで、仕様変更を受けた前後サスペンションは、やや硬めな味つけで、オンロードでアグレッシブに走るようなシーンでも、ふわふわしすぎてしまうような感覚が少なめで走りやすい。とは言え、本格的なオフロード走行もしっかり考慮された機種なので、ストローク量は多めに確保されている。エンジン同様、足まわりもオン/オフ両方に合う仕様と言える。倒立タイプのフロントサスペンションは圧側減衰力、リアサスペンションに至っては伸圧減衰力とプリロードのすべてが調整可能な為、遊びのフィールドやライダーの体格などにジャストフィットさせる事ができるのもうれしい。スタンダードの状態では、ブロックパターンのタイヤを履いているので、オンロードでの過度な寝かし込みでは、特にフロントのグリップ力を失わないよう注意する必要はあるが、狭くツイスティなワインディングなどでは、軽い車重の恩恵を受けながら、同クラスのオンロードモデルを凌ぐ勢いで走る事もできる。

カワサキ KLX250(2013)の画像

カチッとしたレバータッチのフロントブレーキは、コントロール性も良く、オンロードでもオフロードでも確実に車速を落とす事ができる。リアブレーキも同様にコントローラブルで、安心感がある。またウェーブ形状のディスクは、レーシーなスタイリングイメージにも貢献している。

日常的な足として使ったり、舗装路面の走行を中心としたツーリングで使ったりするのにも向き、もちろんKLX250らしくオフロードでも遊ぶ事ができる。ややマイルドになったエンジンは、逆に回し切る楽しさにもつながり、車両価格のわりにハイグレードな足まわりやブレーキは、走りだけでなく所有感にもつながる。オールマイティに使うファーストマシンとして、または普段使いやダート走行用のセカンドマシンとしても、楽しく使えるモデルだ。

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カワサキ KLX250(2013)の詳細写真は次ページにて

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